――ズキン――ズキン――――――頭が割れるように痛い―――――― ――どうしてこんなに痛いの―― ――こんなところで寝ている場合ではないのに―― ――だって今日は―――――― だんだんと意識が暗闇から光のある方へのぼっていく。 その間も頭痛が止むことはなく、この痛みが夢か現実か分からずに、とにかくこの痛みから解放されたいと願っていると、目の前にパアァァと光が広がってハッと目を見開いた。 そこには、今までの人生で見たことのない景色が広がっていたのだった。 「え……何?この部屋……………………」 目が覚めて最初に飛び込んできた景色は、よくあるおとぎ話に出てくるお姫様のような部屋だった。 さっきまでうなされていたのか、額には汗が滲んでいる。 「ここは日本、じゃない……?」 ベッドに寝ながら呟いたひと言は、静まり返っている部屋に虚しく響いただけだった。 私は大学でバレーボール部に所属していて、今日は春季リーグがある大事な日。 そして、そんな日に限って寝坊したものだから、焦りながら走って試合会場へ向かったはず……会場近くの横断歩道を渡れば着くと思ったところでトラックが………………こちらに向かってきたところまでは覚えている。 その後は? まさか私、あのトラックにはねられて……? 「うそ…………そんなの信じない…………」 背が高い事がコンプレックスで、何か自分に自信をつけたいとバレーボールを始めた。 そしてそのバレーボールで強豪の大学に入る事が出来、レギュラーにもなれて優勝目指して頑張っていたのに……練習を頑張り過ぎて寝坊してしまうなんて。 何が現実で何が夢なのか、訳が分からないのでひとまず体を起こしてみる。 ――――ズキーンッ―――― 起き上がった瞬間に頭が異常なほど痛みだし、ズキズキするので布団の上でうずくまってしまう。 痛すぎる――――もし死んだとしてもどうして頭が痛むの?死後の世界なら痛みなんてないハズじゃ―――― そこまで考えて、ふと違う考えが私の頭を過ぎっていった。 ここは死後の世界じゃないかもしれない……布団は妙にリアルだし、周りの景色もリアルな感じがするのよね。頭は痛むけれど、ここがどこ
آخر تحديث : 2025-05-21 اقرأ المزيد