目を開けたら、作り物のように美しい顔が理玖を見詰めていた。 中性的な顔立ちが笑む。 講義でrulerの質問をしたときの、あの顔だ。 「おはようございます、向井先生」「お、おはよ……」 あまりに可愛らしくて、理玖でもドキドキしてしまう。 (化粧しているからかな。素顔も見てみたい) 手を握られて、ドキドキする。 そのまま引き起こされたと思ったら、抱き付かれた。 ドキリとして、手が泳いだ。 「助けてくれて、ありがとうございました。先生は、本物のrulerだったんですね」「本物の……、君は、違うの?」 体を離した深津がニコリと笑んだ。 「もうみんな起きているから、リビングに行きましょう」 理玖の手を引いて立ち上がる。 つられて理玖も立ち上がった。 (奥手で内向的……。確かに真野君の話からもそういう印象を受けたけど。本人はかなり違う。女装するだけで、こんなに変わるんだ) 深津に手を引かれて歩きながら、その後ろ姿をぼんやりと眺めた。 「理玖さん。目が覚めて良かった」 リビングに入るなり、晴翔が理玖を抱きしめた。 冴鳥と話の途中だったように見えたが、大丈夫なのかと気になった。 「深津君に向けたつもりだったけど、全員、眠っちゃったよね。大丈夫だった?」 一見すると、皆、元気そうだ。 むしろ理玖の方がちょっと怠い。 「フェロモンを感じて眠ったけど、俺と冴鳥先生はすぐに目が覚めました。その後、深津君も起き
Last Updated : 2025-08-20 Read more