『招待状 向井理玖様 空咲晴翔様 以前よりお誘い申し上げていたティーパーティを開催いたします。 悦楽に満ちた芳醇なパーティです。 是非、ご参加ください。 向井先生と歓談できる時を楽しみにしています。 6/13㈮ お迎えに上がります。 隣人の文学教授 アダム・ワースより 愛を込めて』 「……これはまた、マニアックだな」 理玖は一言、呟いた。 理玖の手元を覗き込んでいた冴鳥が不可解な顔をしている。 「僕はドイルよりクリスティが好きだって、文学教授に伝えてくれる?」 今度は秋風が不可解な顔になった。 「悪ぃけど、その辺は俺にもよくわかんねぇよ。ミステリー読まねぇし。名前くらいならわかるから、伝えとくけど」「そうか、なら、そうだな。ここは敢えて趣旨を合わせるよ。……御指名頂いたシェリンフォードは、ご招待を有難くお受けいたします。って伝えてくれる?」 秋風の不可解な顔が険しくなった。 「しぇりん、何?」 本当にわかっていなそうな顔だ。 「この会話も録音しているんだろうから、そのまま聞いてもらえばいいよ。モリアーティごっこには付き合ってあげるけど、僕はアダム・ワースを犯罪王にする気はない。僕がシャーロックになるつもりもない。だから、シェリンフォードだ」 秋風の顔に再び、怒りが上った。 「ごっこ、ってなんだよ。俺たちは遊びでやってるつもりはねぇよ」「そうだね。君たちがしている行いは遊び以下だ。多くの非合法な実験を重ね
Last Updated : 2025-09-14 Read more