「確認だが、向井先生を襲った時に持っていたプロポフォール、あれは君の父親の病院のモノか?」 國好の質問に、積木が首を横に振った。 「俺が持ってたプロポフォールも白石が持ってた興奮剤も、臥龍岡先生が準備してくれたものだけど。ウチの病院経由だとは聞きました。形だけ持っていればいい、使わなくていいからと言われました」 大講堂で理玖を襲った積木に興奮剤について聞いた時、「父親が総合病院の院長だから融通か利く」と話していた。 國好が理玖に視線を送った。 「なるほど、積木君の父親がRISE、臥龍岡先生側ってことかな。お父さんからRISEの話とか、されてない?」 積木が難しい顔をして動きを止めた。 「話はされてないけど……。莉汐姉さんの関係で、ウチは病院名義で毎年、RoseHouseに寄付金を納付してます」 あぁ、と納得の心持になった。 國好も同じなのか、残念な顔をしている。 「これは、困ったね。積木君の実家は完全にRoseHouse側か」 理玖の呟きに積木の顔が引き攣った。 (大講堂で積木君が僕を襲ったのは五月十二日だ。折笠先生はまだ元気だったしDollも活動していた。折笠先生でも薬は準備できたはずだけど) 折笠ルートを使わなかったということは、折笠は知らない、ということだ。 (つまり、臥龍岡先生の独断の行動。僕と晴翔君を襲ったのはRoseHouseの判断。折笠先生を殺せという指示と同じってことだ) RoseHouseが直に臥龍岡に降ろした作戦なのだろう。 (積木君の話から考えれば、次にRoseHouseが狙うのは奥井部長だ。総てを奥井部長
Last Updated : 2025-09-22 Read more