/ BL / only/otherなキミとなら / 챕터 201 - 챕터 210

only/otherなキミとなら의 모든 챕터: 챕터 201 - 챕터 210

258 챕터

第200話 ベッドで交渉②

 起き上がった臥龍岡が腰を動かして晴翔の股間に自分の股間を押し当てた。 「あーぁ、バレちゃいましたね。まさか向井先生ではなく空咲さんに指摘されるとは思いませんでした」  臥龍岡が、いともあっさり誤魔化しもせず白状した。 「昼間、鈴木君に興奮剤を持たせて俺を襲わせれば、話は早かったと思いますが。何故、そうしなかったんですか」  洗脳が使える鈴木を使えば早かったはずだ。 わざわざあんな手の込んだ真似をしてまで晴翔を呼び出すのは、二度手間だしリスキーだ。 「空咲さんを洗脳しても、無意味だからです。空咲さんには空咲さんのまま、向井先生の隣にいてもらわないと、困ります」  臥龍岡が晴翔の唇に指を押し当てた。 「昼間の演出は栗花落礼音の心を折るためでもありましたけど。それ以上に、空咲さんの心を乱す為です。正義感の強い空咲さんは圭のやり方に怒りを覚えたでしょう? 今宵の誘いには絶対に乗ってくれるだろうし、怒りで心を乱したまま、私に会いに来てくれる。交渉を有利に進めるための前座です」  まんまと臥龍岡の戦略にハマったのだなと思った。 実際、晴翔はその通りの心境でこの場所に来た。 そう気が付いても、先程までの怒りも焦りも込み上げてこなかった。 「話しているうちに空咲さんが冷静になっちゃったので、切り替えたつもりでしたけど。空咲さんて、向井先生相手じゃないと勃起しないんですか? それとも、フェロモン感じないと勃たないんですか?」  臥龍岡が晴翔の上で腰を振る。 気持ちいいが、欲情しない。 「知りませんよ。少なくとも、貴方相手では無理みたいです」  自分でも正直、ビックリしている。 股間が驚くほど反応しない。
last update최신 업데이트 : 2025-10-24
더 보기

第201話 交渉のテーブル①

 改めて淹れ直したコーヒーを、臥龍岡が晴翔に差し出した。 晴翔は部屋に来た時のように臥龍岡に向かい合ってソファに座った。 (自分の推理が読まれるのは構わないって、理玖さん言ってたけど。何処まで読まれてもいいんだろう)  晴翔なら手の内は隠しておきたい。 そのほうが、どう考えても有利だ。 (有利になる必要はないってコトなのかな)  コーヒーに映る自分の顔を眺めながら、臥龍岡がクスリと笑った。 「空咲さんがそれだけ無防備に私と圭の関係を会話の中に撒き散らしているってことは、少なくとも向井先生と空咲さんの間では共通認識。ソースは私が提示した種以外なら、栗花落礼音、更にもう一つ、向井先生が手に入れた形に残る何か。ソースが礼音なら、警察官の國好明良も把握している」  臥龍岡の目が上がった。 その顔は、すっかりいつもの臥龍岡に戻っていた。 「yesなら沈黙で構いませんよ」  咄嗟に反応できなくて、晴翔は黙った。 無理に否定する必要がなくて、言葉が出なかった。 (臥龍岡先生の会話運びは巧みだ。俺の小さな心の動きを掴んで利用してくる。まるで心の内を全部見透かされているみたいだ) 「最初にヒントを与えたのは私ですし、RoseHouseの真実に辿り着くのは大歓迎です。動かぬ証拠があっても、向井先生は告発しないでしょうから」  臥龍岡が平然とコーヒーを啜る。 「動かぬ証拠を、警察官も把握しているんですよ。RoseHouseは、いつガサが入ってもおかしくない状況です」「しないでしょう。國好明良には出来ない。何故なら、栗花落礼音は彼の家族だから」  晴翔は、ぐっと言葉を飲
last update최신 업데이트 : 2025-10-25
더 보기

第202話 交渉のテーブル②

「有り得ない、そんなの……Spyri`s noteには記載がなかった」「Spyri`s noteには全例失敗の記述のみ。日本での実験なんて、書かれていなかったでしょう。記載なんかできませんよ。文献に残して誰かの目に触れたら、世界中がパニックです。特に向井先生は特別です。私や圭のように、ただのクローンではないのだから」  臥龍岡の口から、クローンという言葉が初めて飛び出した。 「レイノルド・シュピリが最も作りたかった人間は、自分以上に高い能力を有した特別なonly。彼はrulerになりたかった。その生態を余すことなく調べ尽くすためにね。レイノルド・シュピリはWO学術界の父とも呼ばれる存在ですが、残念ながらrulerではなかったんです」  恐る恐る顔を上げる。 「じゃぁ、理玖さんは、成功例……?」  臥龍岡が頷いた。 「レイノルド・シュピリが唯一残したmasterpeace、世界にたった一人しか存在しない、人工的に作られたrulerです」「人工的に……」  響きがあまりに乾いていて、まるで人を指す言葉には思えない。 「至高の造形物ですよ。いや、物なんて言い方はmasterpeaceに対して失礼です。人間が神以上の御業で人間を生み出した。その証であり、向井先生自身が人を超越した存在、つまり神です。だから向井先生はRISEにとり、RoseHouseにとり神であり、晴子が最も欲しがる存在なんです」  一番初めに聞いたのは、積木大和の言葉だった。 それすらも晴翔は佐藤の録音データで聞いた。 『向井先生は我等の神です』  あの時とは、まるで違った意味に聴こえる。
last update최신 업데이트 : 2025-10-25
더 보기

第203話 招かれざる客①

 突然、部屋のベルが鳴った。 ビクリと肩が震えて、晴翔は部屋の入口を振り返った。 「鈴木君ですか? それとも別のRISEの子ですか?」  時刻は既に深夜だ。そろそろ日を跨ごうとしている。 今更、誰かが参戦したところで、話は既に終わっている。  晴翔を眺めていた臥龍岡が、息を吐いた。 「やれやれ、ですね。てっきり空咲さんが王子様だと思っていましたが。御姫様だったんですか?」「なんの暗喩ですか? 今から俺に何か、させるつもりですか?」  晴翔は顔を顰めた。 例えば、この場に鈴木圭が参戦して興奮剤を持参しフェロモンで酔わせて晴翔を洗脳しても、臥龍岡側に得はないだろう。 (今の話を俺が正気で持って帰らなければ、臥龍岡先生が俺を呼び出した意味がない。話しをした上で鈴木君のフェロモンで洗脳して、俺に理玖さんを説得させる気か? 興奮剤を持ってこなかったのは、油断させるためのブラフ?)  考えを巡らせる晴翔を、臥龍岡が流し見た。 「貴方自身は一人で来たつもりだったようですね。正直者の空咲さんの誠意は疑いませんよ。貴方の周囲が貴方の状況を放っておかなかっただけでしょう。想定内ですけど、思ったより遅かったですね」  臥龍岡が立ち上がり、ドアに向かった。 「それって、まさか、理玖さんが?」  それとも國好だろうか。 昼間は話にも出なかったし、蘆屋は秘密にしてくれると約束したのに。  臥龍岡が振り返って、晴翔の左耳に触れた。 「新しいピアスですね。最初から気になってはいましたが。それにネクタイピン。普段はピンなんかしないでしょう」 
last update최신 업데이트 : 2025-10-26
더 보기

第204話 招かれざる客②

「それで、助手のspouseを迎えに来たシェリンフォードは、この後、どうしますか?」  挑戦的な臥龍岡の瞳が理玖を見詰めた。 理玖が口元を覆う晴翔の手を剥がした。 「そうですね。貴方相手じゃ晴翔君は勃起しないみたいなんで、連れて帰ります。たまたま隣の部屋に滞在していて、たまたま隣の部屋の声が漏れ聞こえてきただけですが、見つかって良かったです」「理玖さん……」  もう、謝るしかない。 きっと理玖には、臥龍岡とのやり取りを全部、聞かれている。 観念して、晴翔は心の中で何回もごめんなさいを唱えた。 「そうですか。ランクの高いホテルを指定したつもりでしたが、部屋の壁は存外、薄いんですね。クレームを入れておきましょう」  臥龍岡が楽しそうに話す。 この状況を楽しんでいる顔に見えた。 (想定内って言っていたから、臥龍岡先生にとって理玖さんが乗り込んでくるまでがシナリオだったんだ)  臥龍岡の顔はいつも大学で見るような、張り付いた笑顔だ。 (だけど、佐藤さんや折笠先生の話をした時の臥龍岡先生は、ちょっと違った。あれが素なのかな)  折笠を愛していたかと問い掛けた時の臥龍岡は辛そうだった。 一瞬、零してしまった本音なんだろうと思った。 (こんな風にすぐ、表情や態度を作れるのは、RoseHouseの教育なんだろうか)  自分の子供に人を騙すような教育を施す安倍晴子の気持ちが、晴翔には理解できない。 まるで道具のような扱いに感じる。 臥龍岡も鈴木も、RoseHouseのdollだ。 (理玖さんは可愛がられていたって推
last update최신 업데이트 : 2025-10-26
더 보기

第205話 好きすぎて、ごめん

 晴翔の腕を引いて、理玖がホテルの廊下を早足で歩く。 その足が、やっぱり怒っている。 「理玖さん、あの……」「下の階の部屋に皆が待機してるから、移動する」  ぴしゃりと言い切られて、晴翔は言葉を飲んだ。 エレベーターホールに人影はなく、すぐに扉が開いた。 乗りこむと、理玖が窓の外に視線を流した。 「栗花落さんがRISEの潜入捜査の件を飲んでくれた。積木君と秋風君に拉致られたことになっているから、キミと鈴木君の約束は破綻してる。その件で文句を言われても突っぱねていいよ。言わせもしないけど」  理玖の言葉が刺々しい。 臥龍岡との秘密の会合に理玖が参戦しても問題ない状況が出来上がっていた。 鈴木との約束を知っているということは、やはり103号室での会話を聞いたということだ。 「栗花落さんには手を出さない条件でしたからね。秋風君は、こっちについてくれたんですね」「小林君が説得してくれた。鈴木君のフェロモンが切れてから、自分から小林君に会いに来たらしいよ。彼もそろそろ限界なんだろ」  積木を始め、RISEの構成員が心的限界を迎え始めている。 破綻の音が聞こえ始めた。 「そうですか」  短く返事を返す。 謝りたいのに、ごめんなさいが言えない。 理玖の纏う雰囲気が言わせてくれない。 「……ごめん。キミを利用するような真似をした。鈴木君との会話は國好さんと確認してたんだ。臥龍岡先生がキミに接触して、どんな話をするのか、知りたかった」  理玖が淡々と話す。 それが妙に他人行儀で、心がざわつく。 「
last update최신 업데이트 : 2025-10-27
더 보기

第206話 七不思議007

 どうやらエレベーターは動いていなかったらしい。 行先の階のボタンを押し忘れていた。 真夜中に乗る人もいなかったのか、エレベーターは最上階で止まっていた。 恥ずかしい気持ちで、晴翔と理玖はボタンを押した。  皆が待機しているという、階下の部屋に静かに入る。 部屋の中には國好がいた。 蘆屋と小林もいて不思議に思った。 見慣れない機械を操作している。どうやら、盗聴とGPSは二人が仕切ってくれたようだ。 「空咲さん、お疲れ様でした。向井先生とも仲直りされたようで、良かったです」  小林が業務的な言い回しで出迎えてくれた。 かっと顔が熱くなる晴翔を眺めて、蘆屋が付け加えた。 「盗聴器、握り締めて話してたら、聞こえるよ?」  蘆屋が晴翔の手を指さす。 今更、愕然とした。 「あみぐるみを握り締めた音からキス音まで、クリアに聴こえました。臥龍岡先生との会話も卑猥なやり取りも、服が擦れる音までクリアに録音済みです。どうですか、俺が改良した録音機能付き高性能盗聴器! プロ顔負けの仕様です!」  ばばーん、と効果音が鳴りそうな勢いで小林が自慢した。 「そう……、ですか……」  お礼を言う場面なのかもしれないが、言う気になれない。 臥龍岡とのやり取りも理玖との会話も聞かれたんだと思うと、晴翔としては居た堪れない。 隣で理玖も照れた顔をしている。 「確かに高性能だし、今回は大変役に立ちました。今後、こういった機械を犯罪に使用しないよう、注意してください。この手の趣味は本人も気が付かない間に犯罪に巻き込まれる危険性があります」 
last update최신 업데이트 : 2025-10-28
더 보기

第207話《6/11㈬》内通者

 大学に有給届を出すと、理玖と晴翔は研究室で國好を待っていた。 微妙にソワソワしながら晴翔が立ったり座ったりを繰り返している。 二杯目のコーヒーを手に、ソファに腰を下ろした。 「國好さん、大丈夫でしょうか。昨日は夢中で気が付かなかったけど、よく考えたら変な話ですもんね」  コーヒーを飲み込んで、晴翔が息を吐いた。 昨晩の臥龍岡との話し合いは内容が濃すぎて、流石に考え至らなかったのだろう。 「理研の家宅捜査と奥井部長の逮捕が決まったのが月曜日の夕刻、それを僕らが知ったのは火曜の朝だ。昨日の夜の段階で臥龍岡先生が知るはずのない情報だからね」  臥龍岡が当然のように知っていた内容は、まだ一般に開示されていない。 「栗花落さんから聞き出したのかと思いましたけど」「小林君の録音機能付き盗聴器を聞く限り、レイプ中ですらその話題に触れていない。むしろ、鈴木君のフェロモンに犯されている栗花落さんは幼児退行して過去の話しかできなくなっているような印象を受けた」  ある意味で、自己防衛反応かもしれない。 かろうじて國好の名前を呼ぶ程度だ。 「だとすれば、別の協力者ですね。警察の情報を持っている誰かが、リークしてる」「羽生部長が千晴所長に付いた、と考えるのが順当だけど。國好さんは他の可能性を考えているようだったね」  昨夜、臥龍岡と晴翔が話し合いを終えた時点で、國好は本庁に戻った。 今朝になりメールで、研究室で待っていて欲しいと連絡が入った。 (予測はつくけど、あんまり信じたくないな)  栗花落があんな状態になったばかりだ。 これ以上、國好の心を抉るような事態が起こってほしくない。 気持ちを改めようとコーヒーに手を伸ばした瞬間、
last update최신 업데이트 : 2025-10-29
더 보기

第208話 父親の職業

 理玖は晴翔と共に職員駐車場に向かった。 実家がある群馬県渋川市には、車で移動する予定だ。電車は何かあった時に対処がしづらい。 「ウチのSPを二人、冴鳥先生と深津君に付けます。唐木田さんと更待さんの動向も注視しておくように伝えておきます」  晴翔がスマホを操作しながら話す。 「昨日は栗花落さんにも一人付けていましたが、解除しますね。RISEに潜入捜査に入った以上、かえって怪しまれて邪魔になる。俺たちに二人、距離を取って付いてもらいます」  サクサクと指示を飛ばす晴翔は、格好良い。 何となくプロっぽくて、見惚れた。 「仮に唐木田さんが内通者だったとしたら、ウチのSPについても、そこから漏れたのかな。昨日、鈴木君が話していたの、ちょっと違和感だったんですよね。素人に見抜けるワケないけど、警察ってプロが気付いて教えたんなら納得です」  103号室で取引の話をした時に、鈴木は晴翔にSPを付けずに一人で来いと条件を出していた。 プロのSPの存在に素人の鈴木や臥龍岡が気付けるとも思えない。 國好は気が付いていたようだから、警察の間では既に認識されていたと考えられる。 「しばらくは様子を見たほうがいいかもしれないね。深津君に、何かあればすぐメッセしてって伝えておくよ。僕らが今日から大学に不在なのも伝えないとだから」  人を信じすぎる冴鳥より、勘が良い深津に事情を説明しておくのが安牌な気がした。 「お願いします。ぼちぼち出発しますね」  理玖の様子を眺めながら、晴翔が車を走らせた。 「休憩挟んで三~四時間くらいですね。寄りたい場所とかあったら、教えてください」  晴翔がマップを確認する。 横顔が何となく
last update최신 업데이트 : 2025-10-30
더 보기

第209話 パパンとママン

 そんな話をしながら、途中パーキングで休憩を挟みつつ、四時間程度で家に付いた。 日本家屋風な平屋の一軒家には、無駄に広い庭に大きな蔵と道場があり、駐車場も三台分のスペースがある。 「広いお家ですね」「田舎だからね。一軒の敷地がやけに広いしお隣さんが遠い」「確かに……」  ただでさえ隣家との距離があるのに、理玖の家は周囲を畑が囲んでいる。 回覧板を回すのも軽く運動だ。  車から降りて荷物を持つと、理玖は周囲を見渡した。 「どうかしましたか?」  不思議そうにする晴翔を手で庇う。 「晴翔君、周囲を警戒して。突然、何かが飛んでくる危険があるから」「突然何かがって。この辺りって、そんなに物騒なんですか? って、ぇぇ! 理玖さん?」  突然飛んできた手裏剣が、おでこに刺さった。 正確には吸盤で額に付いた。 無言で顔を上向ける理玖を見て、晴翔が驚いている。 「こんなにくっつくものですか? しかも取れない」  頑張って引っ張ってくれるが、吸盤がぴったりくっついて取れそうにない。 「僕のことはいいから、自分の心配をして。まだ飛んでくるはず」「お父さんでしょ? どう考えても、お父さんですよね? どこに隠れて……うわぁ!」  飛んできた手裏剣を晴翔が手で払った。 「ほぅ、初めての襲撃を払うとは、なかなかの手練れとお見受けした。ならば、これはどうだ!」  今度はたくさん飛んできた。 晴翔が理玖を引っ張って体ごと避けた。 
last update최신 업데이트 : 2025-10-31
더 보기
이전
1
...
1920212223
...
26
앱에서 읽으려면 QR 코드를 스캔하세요.
DMCA.com Protection Status