起き上がった臥龍岡が腰を動かして晴翔の股間に自分の股間を押し当てた。 「あーぁ、バレちゃいましたね。まさか向井先生ではなく空咲さんに指摘されるとは思いませんでした」 臥龍岡が、いともあっさり誤魔化しもせず白状した。 「昼間、鈴木君に興奮剤を持たせて俺を襲わせれば、話は早かったと思いますが。何故、そうしなかったんですか」 洗脳が使える鈴木を使えば早かったはずだ。 わざわざあんな手の込んだ真似をしてまで晴翔を呼び出すのは、二度手間だしリスキーだ。 「空咲さんを洗脳しても、無意味だからです。空咲さんには空咲さんのまま、向井先生の隣にいてもらわないと、困ります」 臥龍岡が晴翔の唇に指を押し当てた。 「昼間の演出は栗花落礼音の心を折るためでもありましたけど。それ以上に、空咲さんの心を乱す為です。正義感の強い空咲さんは圭のやり方に怒りを覚えたでしょう? 今宵の誘いには絶対に乗ってくれるだろうし、怒りで心を乱したまま、私に会いに来てくれる。交渉を有利に進めるための前座です」 まんまと臥龍岡の戦略にハマったのだなと思った。 実際、晴翔はその通りの心境でこの場所に来た。 そう気が付いても、先程までの怒りも焦りも込み上げてこなかった。 「話しているうちに空咲さんが冷静になっちゃったので、切り替えたつもりでしたけど。空咲さんて、向井先生相手じゃないと勃起しないんですか? それとも、フェロモン感じないと勃たないんですか?」 臥龍岡が晴翔の上で腰を振る。 気持ちいいが、欲情しない。 「知りませんよ。少なくとも、貴方相手では無理みたいです」 自分でも正直、ビックリしている。 股間が驚くほど反応しない。
最終更新日 : 2025-10-24 続きを読む