腕が伸びて来て、理玖はローラに抱き締められた。 「理玖、抱き締めさせてちょうだい。晴翔もよ、こっちに来て」 晴翔がローラに身を寄せる。 ローラが二人を抱き寄せた。 「これは罰なのね。私もグランパも、人の道に外れた行いをしたわ。だから理玖は、苦しいのね。ごめんね、ママンを許してね」「ママンのせいではないです。グランパの実験だって、あの時点では違法ではなかったんだから……」 晴翔の語尾が弱まる。 法律は問題ではない。クローンはその方法自体が人を殺して人を産む行為だ。 そう話したのを覚えているのだろう。 「日本に来たからパパンに出会えて、愛しい理玖に会えた。お陰で晴翔って可愛い息子も増えたわ。ママンは幸せよ。だけど、晴子は違ったのね。踏み外したまま、間違ってしまったのね」 ローラが理玖と晴翔を強く抱いた。 「晴子は自分の罪を正しく償わなければいけないわ。だからママンは、ずっと晴子の友達でいるわ。晴子が正しく歩めるように、もう間違わないように、友達のままでいるわ」 ローラの瞳が潤んで、理玖を見上げた。 理玖はローラの額に口付けた。 「そんなママンが、僕は大好きだよ。ママンが友達でいてくれるなら、僕は心置きなく安倍晴子の悪事を暴く。正しく罪を償ってもらう。それが僕の、レイノルド・シュピリの曾孫でWOの学者である僕の、責務だよ」 ローラが理玖の頬を撫でた。 「大きくなったのね、理玖。とても強くなったわ。きっと晴翔のお陰ね」 ローラの手が晴翔の頬を撫でた。 晴翔がくすぐったそうに照れている。 「晴翔君は
Last Updated : 2025-11-08 Read more