シナリオライターだから在宅でもいいのに、もともと仕事熱心か、悠治を励むためか、穂香は頻繁的にスタジオに足を運んだ。「今日は、この二つの企画のシナリオ構成をお願いしたい、悠治くんと分担してやってください」「はい、分かりました」 大介から仕事を受領した穂香はさっそく悠治に話しかけた。「あの、悠治さん、企画のシナリオ構成、一本をお願いできますか?」「そんなダメ企画……いいえ、なんでもない、任せてください!」 進捗を見て、大介はどんどん仕事を振り分けた。「こちらのキャラの背景資料とキャラ付けをお願いしたい。分からないことがあれば、悠治くんに聞いてくれないか?」「はい、やります」 「悠治さん、キャラ資料の作り方を教えていただけますか?」「俺もよく分からない……調べますから、ちょっと待ってて!」 なにより、穂香は大介の指示通りに動いてくれて、見事に悠治のエンジンになった。いままでサボりまくりの悠治は、穂香の指導をするために、やむを得ず、徹夜に仕事の勉強をした。別の意味で、大介のスタジオから離れなくなった。 「もういいだろ。これは三日目だ。家に帰って休んでいいよ」今夜も徹夜で資料と奮闘する気の悠治に、大介はコーヒーを運んだ。「お前のいいなりになりたくない……」目の下にデカいクマができている悠治は反射的にコーヒーに手を伸ばし、一口飲んだ。「にがっ!」その濃烈な味に顔を締めた。「エクスプレス3倍濃縮、徹夜に効果的」「言ってることとやってることが違うだろ!!」「そちらこそ、オレの言いなりになりたくないと言ったくせに、オレが運んできたコーヒーを飲んだんじゃないか」「コーヒーに罪はない!それに、小日向さんのために
Terakhir Diperbarui : 2025-06-14 Baca selengkapnya