ルームサービスの食事を終えて風呂から出てきた頃には、窓の外は夕暮れに染まり始めていた。「ルームサービスって、コース料理もあるんだね。風呂も広いし、眺めもいいし、快適な部屋だなぁ」 バスローブの肌障りも良い。 感心する直桜を、ベッドの上から護が手招きした。 ベッドに上がると、護に腕を引かれた。体を反転されて直桜の体を護が後ろから抱き締めた。「今日は鬼化してないんだね」「ん、まだ、今は。このまま直桜を抱き締めていたい気分です」 直桜の肩に顔を預けて、すりすりと寄せる。その仕草が、何だか可愛い。 眼鏡を外して髪を降ろしている護は艶っぽくて、余計にドキドキしてしまう。「今日、穂香さんと何を話していたんですか?」「穂香と? あー、色々。穂香の趣味の話、とか?」 BLだの腐女子という単語は、穂香の名誉のために言えない。 「何で、突然、穂香の話……、ふぁっ」 耳に息を吹きかけられて、変な声が出た。熱い舌が耳を舐めて、甘く食まれる。「んっ、ぁっ、くすぐったぃ……」 いつもより敏感に感じて、思わず口を覆う。 護の手がバスローブの中に侵入して、胸や腹を弄る。滑る手は決定的な快楽を与えてくるわけではないのに、じれったくて気持ちよい。「帰り際に穂香さんに言われたんです。直桜は眼鏡でスーツの男性が好きらしいと。だから、どんな話をしていたのかなと」(穂香、何言ってんの⁉ 自分の趣味バレしてもいいの、あの子!) 何も知らない護がそれだけ聞いたら、確かに何の話をしていたか気になるだろう。「ん、だから、その、好みの話っていうか。……ぁっ!」 護の指が、胸の突起を優しく撫でる。 ふわふわした感覚が弱すぎて、もっと欲しくなる。「いつも鬼化した、ちょっとガチムチな私に抱かれているでしょう。直桜の好みとは遠そうだし。それに、直桜はガチムチ、嫌いでしょう?」
Terakhir Diperbarui : 2025-07-04 Baca selengkapnya