All Chapters of いなくなった愛犬を探していたら異世界で獣人王になっていて、俺は愛妃になれと攫われた!(交際0日で獣人王と婚約しました)): Chapter 61 - Chapter 62

62 Chapters

嫉妬

だが、理久が変わったのは、そこだけじゃ無かった。 「理久……頭に、耳が……」 クロが、抱いている理久を見詰めながら唖然としたような声を発した。 「えっ?何?!」 理久の右手が、自分の頭にいく。 触ると、明らかに理久の頭にも、毛のある獣耳が生えていた。 そして、声も、女性のものになっていた。 「見てみろ……理久……」 クロは、目を細めた優しい視線を理久に向け呟くと、理久を抱いたままくるりと反転した。 すると、少し離れた壁に、縁の部分の美しい花の紋様に色とりどりの宝石を散りばめた大きな丸い鏡が飾ってあり、そこに、城の黒のメイドドレス姿の理久と、その彼女?を抱くクロが映る。 「えっ?!」 理久の頭にはやはり、ほわほわの白毛の獣耳が生えていて、黒のメイドドレスのスカートの部分の細工から、もふもふの白い尻尾も上手く出ていた。 しかも、何も練習しなくても、自然とその獣耳も尻尾もピクピクと動かせる。 「う……そ……」 理久自身が目を見開き驚く程違和感無く、理久は女性になっていたし、獣人になっていた。 だが、よくよく鏡の中の女装した理久とクロを見ると、次に理久の胸に去来したのは―― やはりクロの横には人間の男子の理久ではなく、獣人の女性の姿が本当にピッタリでよく似合ってるという事だった。 特に、堂々とした獣人王のクロの横には、華やかなドレスに身を包んだ美しい獣人女性のお妃様がよく似合っている。 そして、今さらながら新ためて思い知るのは、男の理久では、クロとどんなに深く身体も心も交わり合い愛し合っても、クロの赤ちゃんを産めないという現実。 すぐに理久の胸に、翼が理久に言い放った「違う世界の者同士は一緒に生きていけないし、幸せにはなれない!」と言った言葉が蘇り突き刺さり、掻き乱される。 途端に、鏡に映る理久は下を向き表情が曇った。 だが、それを見たクロもアビも、理久が女装姿にただ戸惑っているだけだと思った。 だから―― クロは、理久を抱く腕に更に力を入れて、理久の耳元で甘く囁いた。 「理久……凄くキレイだ……」 すると、理久の心に、雷に打たれたような衝撃が走った。 (信じてたのに……クロって……本当は、獣人の女の人好きなんじゃ?……) 思わず理久は、クロの腕の中でクロに顔を向けて
last updateLast Updated : 2026-01-10
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波動

理久は、翼を助ける為に、率先してクロの祖父の秘密の部屋から赤絨毯の長く広い廊下に出た。獣人女性に化けた理久の、ロングメイドドレスのスカートとポニーテールと、白のもふもふの尻尾がふわりと揺れた。廊下を挟み左右の壁には、等間隔にランプが設置され、その中で、魔法由来の他に燃え移らない火事にならない赤い炎が揺らぐ。辺りは静まり返っている。さっき、理久がクロに取った態度で、二人の間に変な空気が流れている。そして、理久の横顔に、クロの熱の籠った視線が向けられている。しかし、理久は、それを素直に受け止められず、一度チラッとクロの青い瞳を見詰めてすぐにそらしてしまった。それでも――クロは、理久を見詰め続けて、理久の心臓は、クロの理久へのその眼差しに早る。それでも――今は、翼の事に集中すべきと思いながらも――こんな気持ちのままでは、翼を助けられないと思いながら――どうしても、クロが理久ではなく、理久そっくりの獣人女性に愛情を向けているという風に、理久の頭の中で変換されてしまう。クロは、やはり理久の様子が変だと、頭の獣耳をピクピクっとさせて反応させた。そこに、アビが背後から声をかけてきた。「理久さん。時間も無いので、ここで一度さっきお教えした魔法を使ってみましょう」アビに振り返り、理久は不安な表情になる。「えっ?でも、それじゃあアビさんが危ないんじゃ……」それに、いくら城の広い廊下とは言え、大丈夫だろうかとも思う。だがアビは、クスっと笑った後返した。「大丈夫です。理久さんが従兄弟殿に襲われた時にお命まで奪わないように反撃できるような、あくまで理久さんを守る為の護身用レベルの魔法の力にしてあります。それにそれくらいの魔法なら、僕は手前で消滅させられますし。ただ……この魔法が一時期にせよ、僕から得たとは、他言なさらないで下さい。あくまで、理久さんが元々持っていた力にして下さい」「えっ?……」理久は、戸惑った。アビの表情は、急に固くなる。「陛下は、僕の魔法系統一団が魔法を使えない普通の者に魔法を与える事が出きるのを知っておられましたが、普通の生活を送る普通の者達の多くはそれを知りません。もし多くの普通の者達がそれを知れば、自分にも魔法を与えてくれと我々魔法使いに殺到するでしょう。魔法を欲し得て悪用しようと言う者も多いのです。我々は、本当に
last updateLast Updated : 2026-01-23
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