今日でもう何日目だろうか? それ位、気が遠くなる程に、ずっとクロを探している。 それは、今から半年前… 理久(りく)は、無事志望した高校に合格した。 地元でも有名な進学校だったので両親は大喜びして、理久に何か高価なプレゼントをしようと希望を尋ねてきた。 理久は、小学生の頃から犬が飼いたかった。 だが、なかなか許可を貰えなかったが、今回は両親も首を縦に振った。 早速ペットショップに行こうと言う親に、理久は保健所へ行きたいと言った。 そこには沢山の犬がいて、母は子犬がいいのではと言っていた。 しかし、理久は、黒のオスの成犬を選らんだ。 長毛で、ゴールデンレッドリバー並の大きさ。 そして何より、両目が美しい深いブルーだった。 保健所の職員の話では、雑種の迷い犬で、大体3歳位らしい。 理久は早速引き取って、クロと名付けて本当に可愛がった。 散歩はいつも理久が行き、家にいる時は常に横にいて、寝る時も同じベッド。 クロも、理久が学校から帰るまで家の中の玄関の所でずっと待って、理久が帰ると飛び付いてきて尻尾をブンブン振って喜んだ。 しかし、そんな楽しい日々は、突然終わる。 3週間前… いつも通り理久が朝起きると、ベッドにいるはずのクロが居なかった。 本当に、余りに突然の事だった。
Последнее обновление : 2025-06-04 Читайте больше