Lahat ng Kabanata ng 愛されなかった武士の娘が寵愛の国へ転身~王子たちの溺愛が止まらない~: Kabanata 21 - Kabanata 30

76 Kabanata

21.喜んで受け取ること③

「私は、生まれてきてから夫を支えることは女性の使命だと教えられてきました。夫のために人生も身も捧げるのが当たり前と教えられてきました。それが自分の価値を証明するための方法だったのかもしれません」思わず、心の奥底に秘めていた本音を漏らしてしまった。すると、侯爵夫人は優しく私の手を取った。「葵様。葵様の国のように義務ではありませんが、この国でも愛する人のために人生を捧げるという考えはあります。ここでは、女性は尊い存在です。愛され、敬われ、そして愛に応えることで、共に未来を築いていくことが、夫婦の喜びなのです。どちらか一方が一方に『捧げる』ものではなく、互いの力を合わせ、『共に創造する』ことなのです」(共に想像する……。)その言葉は私の心を深く深く打った。日本の「尽くす」価値観が、この国では「捧げる」ではなく「共に創造する」という意味合いを持つことを、この時、私は肌で理解した。私はこれまで誰かに「価値」を与えられることでしか自分の存在を認められなかった。けれど、この国の女性たちは自身の中に価値を見出しそれを誇りとしていた。私は、自分の中に隠された力、まだ見ぬ可能性を自覚し始めた。私が日本で培ってきた知識や、困難に耐え抜いてきた経験は、もしかしたらこの国で私自身の「創造する力」となるのかもしれない。王子たちからの寵愛が、単なる「愛される」こと以上の意味を持ち始めた瞬間だった。それは、私の自己認識が大きく変化するまさに転換点だった。  
last updateHuling Na-update : 2025-06-21
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22.喜んで受け取ること④

ルシアン様から言われた褒め言葉に対して「ありがとう」という返しの言葉は、私の心を縛っていた見えない鎖を解き放ってくれたようだった。褒められることへの戸惑いはまだ完全に消え去ったわけではないけれど、少なくとも素直に感謝を伝えることの喜びを知った。王子たちがくれる愛情をようやく真正面から受け止められるようになったのだ。「葵、今日ね庭で綺麗な花が咲いていたから部屋に飾るように摘んできたよ。君みたいで綺麗でしょ。」「わあ、本当、綺麗なブルーですね。ルシアン様、ありがとうございます」「ふふふ、違った。君の方が綺麗だね」ありがとうの後にまた甘い言葉を返してくるルシアンにはまだ慣れていないが、素直に受け取っていいと言うのは新たな発見で、私自身も少しだけ自分のことが好きになっていった。日本にいる時は、夫に尽くすのが自分の役目だと思っていた。夫の幸助さんとは親同士が決めた政略結婚で、愛はなく形だけの冷めた関係だった。それでも夫婦の、妻としての役目を果たそうと炊事、洗濯、掃除など日常生活の家事に励み、仕事で疲れた幸助さんが休める場所を作るように務めていた。しかし、いくら家事に励んでも雇っている家政婦とやっていることは同じで幸助さんの心に響くことはなかった。家事をしても、薬学を覚えようとしても周りにいる家政婦や看護助手の代わりでしかなくて幸助さんの特別な存在になることはなかった。相手のために出来ることを考えて動いていたつもりだが、一方通行の尽くしに心が折れていた。
last updateHuling Na-update : 2025-06-22
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23.喜んで受け取ること⑤

私は、幸助さんの『特別』になりたかった。ありがとうと心の底から微笑み、優しい瞳で受け入れられたかった。幸助さんにありがとうと言われたことを想像すると心が温かくなる。自分がしたことに、嬉しそうに相手が反応してくれることで幸せな気持ちになる。幸助さんに望んでいたはずなのに、いざ自分が受け止る側になると『ありがとう』という言葉が出てこなかった。ルシアンの言葉は、私の孤独だった時の心を思い出させた。そして、愛情をもって接してくれている王子たちに無礼な態度を返している自分を恥じた。 「葵がこの前好んで食べていたフルーツをまた取り寄せたんだ。今日一緒に食べないか。」この日もサラリオが私の様子を伺いに部屋に来てくれた。私はいつも小さく微笑むだけなので、サラリオは話が終わると部屋を出ようとしていた。「サ、サラリオ様。フルーツも、いつもこうして気にかけてくださることもとても嬉しいです。あ、あの……ありがとうございます。」整った顔立ちと澄んだ綺麗な碧い瞳をまっすぐ見るのは照れてしまいいつもは顔を合わせられなかったが、今日はドキドキしながらも背の高いサラリオの目を見るために顔を上げて瞳を逸らさず思いを告げた。「え、あ、ああ……どうしたんだ急に」サラリオは口元を手で隠し目を逸らした。いつもの私がするような仕草を今日はサラリオがしてる。「普段、たくさんのご好意
last updateHuling Na-update : 2025-06-23
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24.新たな使命と知の探求(前編)

日本にいたときにしていた『誰かのために尽くすこと』、この国に来てから知った『誰かに尽くしてもらった時に喜んで受け取ること』、そんな心の変化と共に私の内に新たな感情が芽生え始めていた。それは、ただ愛されるだけ、尽くされるだけの存在では終わりたくないという強い願いだった。これまで「夫の成功のために尽くす」という日本の家訓に盲目的に従ってきた。そのために自分の感情を押し殺し、ひたすら影となって夫を支えようと努力した。しかし、その「尽くし」は誰からも感謝されることなくただ虚しく終わりを告げた。しかし、この国では違う。この国は「人々が活気ある暮らしを送り、その笑顔が増えることこそが国の豊かさや発展に繋がる」と信じている。そして、その活気の源こそが女性であり、女性が自らの意思で愛する人の子を産み、その家族が幸せであることが国の繁栄に直結するとされているのだ。日本の家訓で培った「夫の成功を支える」という尽くしを、もしかしたらこのバギーニャ王国で、「国の繁栄のために尽くす」というより大きな意味で活かせるのではないか。一方的に尽くされるだけでなく、お互いに尽くし尽くされ手を取り合うことで絆が深まっていくと感じた。そして、そのことが『尽くし』ではなく『創造』に発展するのではないか、この国で王子やメル、貴婦人たちと接していくうちに感じるようになった。(単に愛されるだけではなく、私も尽くしを返すことでこの国の役に立ちたい。創造していきたい) 私は、意を決してサラリオが普段過ごしている執務室へと向かいドアをノックした。
last updateHuling Na-update : 2025-06-24
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25.新たな使命と知の探求(後編)

「サラリオ様……私、この国のことを、もっと深く学びたいのです」私の突然の申し出に、サラリオ様は少し驚いたように目を見開いた。「この国の歴史、文化、政治システム、経済……何もかもが私にはまだ分からないことばかりです。ですが、もし許されるのならこのバギーニャ王国が、そしてサラリオ様が、さらに繁栄するために微力ながらも力になりたいと願っています」言葉を選びながら私の心からの願いを伝えた。私の心は日本の家訓に縛られていた時とは違う、新たな使命感の光が宿っていた。サラリオ様は、私の言葉をじっと聞いていた。彼の瞳の奥に、わずかな驚きと深く温かい感情が宿るのが見て取れた。そして、ゆっくりと口を開いた。「葵……なんて素晴らしいことを言ってくれるのだ、嬉しいよ」サラリオの声は私の耳には信じられないほど甘く響いた。私の手を取り、甲にそっと唇を寄せた。「葵が望むのなら私も喜んで協力しよう。この国には、古今東西の知識が集まる王立図書館がある。あらゆる文献が揃っているし、必要であれば専門の者を呼んで君の疑問に答えさせよう」サラリオの言葉は、私の心を解き放ち新たな道を示してくれた。私の知的好奇心は、とめどなく溢れ出した。これまで「妻の務め」という漠然とした義務感でしか捉えられなかった。しかし今は
last updateHuling Na-update : 2025-06-25
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26バギーニャ王国の秘密①

サラリオに国の学びを申し出てから、私は王立図書館に通う日々を送っていた。想像以上に広大で古今東西の書物が所狭しと並べられている空間に私は興奮していた。分厚い歴史書を読み解き、この国の文化や政治体制について学ぶことは私にとって何よりも新鮮で刺激的だった。メルが手配してくれた熟練の司書の方々やキリアンが、私の質問に丁寧に答えてくれ充実した日々を送っていた。 ある日、サラリオが自ら私の学びの場を訪れてくださった。彼は私の隣に座り、私が広げていた古い地図を覗き込む。「葵はこの国の成り立ちに興味があるのか?」「はい。サラリオ様が背負っていらっしゃるこの国のことをもっと知りたいのです。どうして『龍愛の国』と呼ばれるようになったのか、なぜこれほどまでに女性が尊ばれているのか……」私の問いにサラリオ様は微笑んだ。その瞳は遠い昔を見つめるかのようだった。 ★バギーニャ王国は、古くから豊かな自然に恵まれてきた。しかし、その恵みゆえに幾度となく他国の侵略に晒されてきた過去がある。かつてこの地は争いが絶えない荒れた土地だった。そんな中、一人の偉大な女王がこの国を統治した。彼女は、武力ではなく知恵と慈愛をもって国を導いたという。敵対する部族を力でねじ伏せるのではなく共存の道を模索し、争いではなく交易で国を豊かにする基盤を築いた。彼女の治世においてこの国は初めて真の平和と繁栄を手にしたのだ。&nbs
last updateHuling Na-update : 2025-06-26
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28.バギーニャ王国の秘密③

その夜、私は自室に戻っても落ち着かなかった。昼間、葵にこの国の成り立ちを聞かれて話をした。そして、王族に代々伝わる古い予言書を手に取り、何度もページをめくる。(葵はただ誤ってこの国に来たのではない気がする……。)そんなことを思いながら葵のことを考えていると扉をノックする音が聞こえた。「あ、あの葵です。今よろしいですか?」遠慮がちに声を潜めて葵がドアの向こうから話しかけてくる。夜の訪問は初めてで、突然の出来事に少し動揺した。「夜遅くにすみません……。あの昼間の話が気になって。司書の方が来たら帰られたので他の方に聞かれない方がいい話かと思って……。」この時、言い伝えは本当なのかもしれないと思った。この国の女性たちは皆、自信に満ち、愛されることを当然と受け止めている。それは素晴らしいことだ。だが、葵の持つ、どこか控えめでそれでいて芯の強い優しさは、この国の女性たちにはない特別な輝きを放っている。彼女の謙虚さは私の心を惹きつけ、彼女の感謝の言葉は私の魂を震わせた。彼女が自ら「学びたい」と申し出た時、そして、周りの状況を見て人目の少ない時間を見計らって尋ねてきたことで確信したのだ。
last updateHuling Na-update : 2025-06-28
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29.バギーニャ王国の秘密④

サラリオの視線が真っ直ぐに私の目を見つめた。その瞳には私のことを言い伝えの「女神」だと信じているかのような強い光が宿っていた。私の心臓がドキドキと大きく音をたてている。(滝から現れた私、そしてサラリオ様のキスで言葉を理解できた奇跡。そして私が今、この国の知識を渇望していること。すべてがその言い伝えと重なる。私は無関係な異邦人ではないのかもしれない。この国と何らかの深い絆で結ばれているのかもしれない……。)サラリオは、私の動揺を見透かすように優しく手を握りしめた。「葵。私は、君がこの国に現れたことを偶然だとは思わない。君が持つ知識とその優しい心、そして何よりもこの国の未来を共に創ろうとするその強い意思……。それは、まさに伝説の女神そのものだと私は信じている」サラリオの言葉が、真剣な眼差しが、私の心を震わせた。「私の父である国王は、近年体調を崩しがちで国政を私に任せることが増えている。隣国との貿易関係は不安定になりつつあり、国内でも派閥間の対立が深まっている。バギーニャ王国は、まさに「危機」の淵に立たされていると言っても過言ではない。そんな時に、予言に導かれるように葵が現れた。葵の私や弟たち、この国の女性たち、そして幼いレオンとリオにさえ向けるあの分け隔てない優しい眼差しは、人々に活気をもたらし笑顔を増やすと信じられている「愛」そのものだと思った。この国をさらに発展させるための「女神」としてこのバギーニャ王国へやってきたのではないか、とそう思っている。」まだ言い伝えもその女神が私かもしれないということも信じられないけれど、なぜかサラリオが口にすると、「もしかしたらそうかもしれない」という感覚が芽生えてくる。私の存在がこの国の歴史と深く結びついている可能性。私を縛っていた過去のしがらみを打ち破り、新たな使命へと私を導いているようだった。私はサラリオの言葉に背中を押されるように、この国の未来を、そして私自身の未来を、彼の隣で切り拓いていきたいと強く願った。このバギーニャ王国が秘める歴史と未来への希望が、今、私の心の中で確かな形を帯び始めていた。
last updateHuling Na-update : 2025-06-29
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30.女神の予感とサラリオの気持ち

いつも私が不安な時や心細い時は、サラリオが私の手に自分の手を重ねてくれていた。まだ彼の国を統治する重責は分かりかねないが国王が不在がちの中、自分の判断で国が動くことの責任感を考えると相当なものだと思った。サラリオがしてくれるように私はサラリオの手を両手で握り胸の前に持っていった。「サラリオ様、教えてくださりありがとうございます。まだ、その言い伝えも私自身がその…女神だなんて信じがたいのですが、でも、私に何か出来ることがあるなら喜んで全うしたいと思っています。」彼の目を見てそう言ってから微笑むと、サラリオは表情を変えずにこちらをじっと見つめてきた。いつしか私もサラリオの顔を見つめることに恥ずかしさや戸惑いがなくなっていた。サラリオは握られていない方の手を私の肩に回し自分の胸の中へと引き込んだ。目の前には男らしく頬張ったサラリオの鎖骨や首があり、熱帯びて温かい温もりを感じていた。「ありがとう。葵の気持ち、とても嬉しいよ。」「サ…サラリオ様?」サラリオの胸の中で髪を優しく撫でられ、恥ずかしさでどうしていいか戸惑っていた。そんな私の気持ちを察したのか、手を止めて身体を引き離す。「ごめん、怖がらせたかな。今日はゆっくり休んでくれ」そう言って急に身体を引き離し、部屋の外まで見送ってくれた。「い…いやではない、嫌だなんて思わなかった…」扉が閉まってから小さく呟いたがサラリオには届いていないだろうと思い自室へと戻った。
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