二日間にわたるゼフィリア王国の突然の訪問は、ようやく終わりを告げた。王女たちは皆、王子たちの完璧なエスコートもあってか、満足げな笑顔で王宮を後にした。表面上は、今回の訪問が相手の期待に応える結果を出せたのではないかと、私も感じていた。ゼフィリア王国の一行が王宮を後にしたことを確認すると、王子たちは皆、サラリオ様の執務室へと集まった。これからのことについて話し合うためだろう。「はあー、やっと終わった。今後は急な訪問は勘弁してほしいよな」アゼルがソファにだらんと体を投げ出しそう呟いた。緊張の糸が解けたのか、他の王子たちも苦笑いを浮かべ、咎める者は誰もいない。皆、心の中では同じことを思っていたのだろう。「国王である父上からも、急な訪問は遠慮してほしいことが伝えてあるから、もう大丈夫だとは思うが……向こうの国王がどう反応するかだな」サラリオも疲れた様子でそう言った。顔には、この二日間の重圧が色濃く残っている。「それにしても、今まではこんなことがなかったのに何か問題でもあるのかな?」ルシアンは考えるように顎に手を当てながら言った。「ゼフィリアが戦争を仕掛けられそうで、規模を拡大して権威を見せたいとか?」キリアンが腕を組み、いつもの冷静な声で可能性を口
Huling Na-update : 2025-07-08 Magbasa pa