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chapter04

Author: 水沼早紀
last update Last Updated: 2025-06-05 21:11:54

 おまけにちょっと頭も痛いし、熱っぽい気がするような……。

 それでも今日は、課長の大事な会議があるから休む訳にもいかなくて、ムリして出勤してきた。

 ああ、なんか頭がボーッとする。 しかも、なんかクラクラする……。

 ダメダメッ!しっかりするのよ、私。

 今日は大事な会議があるんだから、ここで甘えたら課長の期待が全部水の泡になっちゃう。

「おはようございます。先輩」

 そんなことも知らずに、ニコッと子犬みたいな笑顔を浮かべるのは、私の部下で二つ年下の前川英二(まえかわえいじ)だ。

 名前はカッコイイのに童顔で、世間から見たら高校生くらいに見える。 それでもれっきとした、社会人だけどね。

「……ああ、おはよう」

 と挨拶すると、英二は「どうしたんですか? なんか顔色悪いですよ?」と私の顔を覗いてくる。

「……大丈夫よ。ちょっと疲れてるだけだから」

「でも先輩、なんか顔赤くないすか?」

「大丈夫。……大したことないから」

 英二は心配そうな顔で私を見てくる。

「そうですか? ならいいんですけど……」

 ありがとう英二。心配してくれるのは、ものすごくありがたいんだけど、私はこんな所で負ける訳にはいかないのよ。

 ちょっとくらい無理をしないと、仕事なんかやってられない。 私は一応、キャリアウーマンなんだから。

 その後、みんな時間通りに出勤してきて仕事を始めた。

「おはようございます」

「「「おはようございます、課長」」」

 課長が出勤してくると、なぜかみんなの態度が変わる。

 まあ確かに課長は、この部署じゃ一番偉い人だから。 みんな課長の言うことは、しっかり聞くんだよね。

「おはよう佐倉さん」

「おはよう……ございます」

 あれ、ヤバい。頭がクラクラしてきたせいか、頭がボーッとする……。

「どうしました?佐倉さん。なんか顔色があまりよくないようですが?」

「い、いえ……大丈夫です」

 ダメだ……。頭がボーッとして、意識が途切れそう……。

「大丈夫ですか?無理はしないでくださいね」

「はい……」

 あれ……。意識がーーー。

「佐倉さん!大丈夫ですか!?」

「瑞紀!? 大丈夫!?しっかりしてっ!」

 みんなの声が、だんだんと遠のいていく。

「さ……さん!」

 そこで私の意識は、途切れたーーー。

* * *

「……んっ」

「瑞紀? 起きた?」

「……沙織?」

 目が覚めると、目の前には沙織がいた。

「大丈夫?いきなり倒れるから心配したよ」

「……ごめん、沙織」

 そっか。私、倒れたんだ……。

 そういえば少しだけ、楽になったような気がする……。寝てたから……かな?

「でも……なんでここに?」

 そう聞くと、沙織は「課長がアンタを、医務室まで運んでくれたんだよ」と言った。

「課長が……?」

 そういえば意識失ってたから、あんまり覚えてないけど、誰かが私を運んでくれたのは、なんとなく分かった。

 それがまさか、課長だったなんて……。

 あっ、そういえばーーー。

「沙織……あの、会議は?」

「なに言ってんの。今はそんなこと、気にしてる場合じゃないでしょ。今は自分体のことだけを考えなさいよ」

「……わかった。ありがとう」

 沙織に聞いた所によると、会議は代理の他人に頼んだみたいで、なんとか上手くいったみたい。

 あーあ、ほんと私って情けないなあ……。こういう大事な時に限って、私は必ず病気になったりするんだ。

 本当にツイてないなあ、私。

「佐倉さん」

「あ、課長……!」

 カーテン越しにひょこっと顔を出す課長は、少し困ったような顔をしていた。

「具合はいかがですか?」

「はい……あの、もう大丈夫です」

「そうですか。なら良かったです」

 私は課長に「あのっ……課長」と声をかける。

「はい?」

 私は「会議に出られなくて、申し訳ありませんでした」と謝罪した。

「大丈夫ですよ。病気になったんだから、仕方ありません」

「……ありがとうございます。すいません」

 課長は優しいのか、「謝らなくてもいいですよ」と言ってくれる。

「……はい」

「今日はゆっくり休んでください。 あまり無理はしなように」

「ありがとうございます」

 課長は「じゃあ僕は、これで」と私に背を向ける。

「……はい。ありがとうございました」

 課長が医務室から出て行った後、沙織が「課長って本当に、優しいわねぇ。あんな人が彼氏だったらいいのに」と冗談っぽく言ってくる。

「課長は、あんまり恋愛に対するイメージがないかも……」

「えっ、そう?」

「うん。確かにカッコイイし、優しいけど。……でも何を考えてるか、分からないんだよね」

 私がそう言うと、沙織も「まあ、確かにねぇ」と同意するような表情を見せる。

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