All Chapters of 離婚翌日、消えた10億円と双子妊娠を告げぬ妻ーエリート御曹司社長の後悔ー: Chapter 341 - Chapter 350

448 Chapters

341.縁談②

瑛斗side「そうなりますと、ホテル事業についても芦屋グループを普段から利用している層を中心に展開していくのも一案になると思います。芦屋の子ども向けサービスや接客対応は評判がいいですので、宿泊も芦屋なら安心と思っていただける、かつ再利用しやすい価格帯で最初は展開するのがいいかと」俺が展開しているリゾートホテル事業は、海外富裕者向けで一泊二日で五万円以上する。食材にもこだわっており、料理人は都内の一流ホテルで料理長を務めていた人をヘッドハンティングしてきたのだ。原価率は高くつくが、その分宿泊費をプレミアム価格にすることで採算をとっている。要するに芦屋とは全く逆の営業展開だ。「我々の店舗を利用してくれている客層ですか。実は新規顧客層の開拓を狙ってリゾートホテル事業に興味を持ったんです。ここなら富裕層を取り込むことが出来る」芦屋会長の戦略は、言っていることは分かる。富裕層は客単価が高いため、数をたくさんこなさなくても利益が出るため旨味は多い。うちと組むことで芦屋はリゾートホテルにも食材やメニューの提供をしているとなれば、その名前に箔がつくだろう。一方の一条グループは、安さ重視の芦屋と組むことは、現在展開中のハイクラスホテルのブランドイメージを崩しかねない。提携をするのなら、想定顧客をミドルクラスに落として、今とは違う場所で展開した方が良さそうだが、それでは新たなブランド構築が必要になり、コストがかさむ。
last updateLast Updated : 2025-12-07
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342.魅力的な誘い

瑛斗side翌日、出社してしばらくすると彩菜から昨日のお礼の電話が入ってきた。電話口から聞こえる声は、落ち着いているがどこか含みを持っている。「一条社長、昨日の会食、ありがとうございました。父も一条社長とゆっくりお話が出来て喜んでいましたわ。是非、今後とも友好的なお付き合いをお願いしたいですわ」「……ご丁寧にありがとうございます。いえいえ、芦屋グループとは何かしらのカタチで事業でご一緒できればと思っていますので、また情報交換など出来れば幸いです」彩菜の言葉に、今回のリゾート事業での提携は見送りたいこと、そして会うのは情報交換であくまでもビジネスとしての付き合いだと線引くように答えると、俺の意図が分かったようで、彩菜のクスクスと笑う声が聞こえてきた。「一条社長ってハッキリと物事を仰るのですね。私は、回りくどい方よりも好きですが」「そういうつもりでは。提携するのなら、既存事業に乗っかるのではなく一から創出した方がお互いの強みや利点を生かせると思ったまでです」苦し紛れだが俺がそう言い訳すると、それ以上は言及してこなかった。俺の拒絶を理解しつつも動じない冷静さを彩菜は持っていた。「まあ、いいですわ。今日は、それとは別件で話がありまして。海外富裕層ビジネスのけん引役として注目されている王氏の有料講演会
last updateLast Updated : 2025-12-08
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344.種まきと賭けごと②

 空side「それにしても、なんで今になって部門の収益を聞いてきたんですか?過去のデータを見れば一目瞭然なのでは?」成田の質問には不満と警戒が混じっていた。「それにチェックをするのなら実際に処理を行っていた僕らが互いをチェックするのではなく、第三者に見てもらった方が客観的に見れるのでは?」松本も続けて言葉を選びながらも反論している。「ああ、二人の言う通りだ。実は、社長が『ある問題』を懸念されていてね。徹底的に洗い出すようにと強く言われている。しかも急ぎでやって欲しいとのことだ。そのため、元々の内容が分かる君たちにしか頼めないんだ。力を貸してもらえるか」「問題ですか?それはどんな内容でしょう?」「ある問題」という言葉に成田が反応してすぐさま聞き返してきた。松本も息をのんで僕からの返答を待っている。「申し訳ないが、それは僕からも詳しく話せないんだ。実際に君たちがまとめた資料を見て、社長が直接整合性を確認するらしい。あとこのことは私たち三人だけで進めるから、他のメンバーには話さないでくれ。資料の取り扱いにも気を付けてくれ」ただならぬ空気を察して二人は頭を小さく縦に振ったが、その表情は蒼白だった。互いに顔を見合わせるその瞬間、二人の間に明確な不信感が
last updateLast Updated : 2025-12-09
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347.幸福と待ち伏せ

瑛斗side華や子どもたちと別れて、俺は充実感に満たされながら今日一日のことを思い返していた。移動中、子どもたちが飽きないようにDVDを用意していたが、みんなで話をしていたらあっという間に着いて、結局、DVDの出番はなかった。帰りの車では、走り出してすぐに夢の中ですやすや眠る子どもたちの寝顔をバックミラー越しに見て癒されていた。「慶と蒼ね、瑛斗と水族館に行くのをすごく楽しみにしていたの。今日はありがとう」「お礼を言うのはこっちの方だ。子どもたちと過ごせて楽しかった。華もありがとう」子どもたちが起きないように小さな声で華が俺に話しかけてきた。俺も素直な気持ちを告げると、車内は、結婚していた頃のような温かい空気が戻ってきたような気がした。(そうだ。一緒にいた頃の華は、穏やかでよく笑っていて、俺がしたこと一つ一つに喜んで、こうしてよくありがとうって言ってくれていたな……)華を疑い突き放すような態度を取ったこともあった。そのことで華と離婚し、一時は連絡さえ取らないことさえあった。誤解が分かり再会した時には、今度は華が俺を拒絶していた。その後も、わだかまりが残ったままで会話も事務的な物ばかりだったが、今、こうして自然と会話が出来ていることが、まるで奇跡のようだった。(今日、華と子どもたちと遊びに行けて本当に良かった。華とも久しぶりに楽しく会話
last updateLast Updated : 2025-12-12
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349.スキャンダル

瑛斗side彩菜からチケットを受け取った一週間後。仕事が終わり、秘書にマンションのエントランスで送ってもらい家の中に入ろうとすると、目の前から黒塗りの高級セダンが音もなくエントランスに近付いてきて、わざとらしくハイビームでライトを点滅させてきた。あまりの眩しさに腕で顔を覆い目を細めると、後部座席から芦屋彩菜の整った顔がはっきりと見えた。(芦屋彩菜?何故、彼女がまたここにいるんだ?)エントランスに堂々と停車すると、運転席から体格のいいスーツを着た男が降りてきて俺に近づいてきた。「一条様、初めまして。私、彩菜様の運転手をしている西と申します。彩菜様が一条様にお話があるとのことです。」「話?こんな時間に一体どんな内容だ?」「私は、何も存じ上げていません。彩菜様には車までお連れするようにと言われたものでして。ここでは人目につくので、どうぞ車の中にお入りください」(この西という男と話をしても何も解決しないだろう。それに西の言う通り、これ以上エントランス前に目立つ車を停めていたら周囲の目につく。何より華に知られたくない)内心の苛立ちを抑えながら、警戒を最大限に高め、彩菜が乗っている車の後部座席の扉を開けて中に入った。
last updateLast Updated : 2025-12-13
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350.スキャンダル②

瑛斗side茶封筒を開けて中から出てきたのは、まだ発売されていない週刊誌のゲラ刷りのようなものだった。目立つように縁取りされた見出しと写真を見て、俺は紙を持つ手が怒りで震えていた。【一条グループの若き御曹司社長♡芦屋グループ令嬢と熱愛発覚!連日に渡るお泊り愛】そこにはホテルのバーから二人で出てくるときの写真や、セミナーのチケットを受け取った日の写真が使われていた。ホテルのバーにはお互いの父親である会長もいたが、角度なのか、悪質な加工なのかまるで二人きりで行ったような写真になっている。さらに、水族館に行った日の帰り、マンション前でチケットを受け取った時の写真も掲載されている。ラフな私服でサングラスの俺と女優帽子を被った彩菜が映っており、休日に二人でお忍びデートと記事には紹介されていて何もかもがでたらめだった。「なんだ、これは!嘘ばかりじゃないか。それに芸能人でもないのに、なんでこんな記事が出るんだ!!」「それは私にも……。ただ、記事には一条社長の結婚歴も書かれています。内容からすると、一条社長サイドの誰かが流したように見えますが」「どこの週刊誌だ!発売は?こんな想像だけで描いたような記事を流すなんてどうかしている!!」彩菜は動揺する俺をよそに、冷静沈着だった。
last updateLast Updated : 2025-12-13
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