とにかく、洵は今二人が付き合っていることを確信していた。ただ、それを知らされていないことに腹が立ったから、月子本人に認めさせたかっただけだ。結局、これも洵自身のわがままに過ぎないのだ。「クソ!」二人が付き合っている事実改めて確信した洵は思わず声を荒げた。「鷹司の行動力、なんて素早いんだ!」今度は月子が驚いて聞き返した。「行動力って、どういうこと?」洵は月子を見ながら、歯を食いしばった。「やっぱり鷹司はお前に何も言ってなかったんだな!だから言ったんだ、あの男は腹黒いやつだって!」「彼があなたに何か言ったの?」月子は洵の反応を不思議がった。「もう隠さないよ。鷹司と初めて会った時、あいつは俺にお前と結婚したいって言ってきたんだ!1ヶ月くらい前のことだ。自信満々に言ってきて、自分がお前に一番ふさわしい男だってさも当然のように言ってきたんだ。俺の承認を得たいとか何とか言って、最初から下心丸出しだ!姉さん、鷹司はずっとお前のこと狙ってたんだぞ。じゃないかったら、なんで俺に投資なんかするんだよ。本当に俺のゲームが気に入ったからか?まあ、確かに俺のゲームは最高だけどさ、でも、なんで60億円も投資してくれるんだ?それは、俺に気に入られようとしてるからに決まってるだろ!しかも、最初に陽介に話を持って行ったのも、俺が断るのを恐れたからなんだ。あいつの魂胆は見え見えだ!」洵は隼人の行動を思い返し、推測した。「あいつがお前の家の隣に引っ越してきたのだって、怪しいもんだ。いつでも気軽にご飯を食べに来れるように、お前と接触する機会を作るためだろ?そんなの絶対、お前を落とすためにわざと仕組んだに違いないさ!お前もお前だ、たった1ヶ月で、そんないとも簡単に落とされるなんて!それに、付き合ってるなら、なんで俺に言わなかったんだよ!まさか、あいつと付き合うことが恥ずかしくて、言えなかったのか?俺を警戒しているのかよ!」隼人の目に、隠しきれない好意があることに気づいてから、月子は彼が本当に演技にのめり込んでいるのか、それとも友情以上の感情を持っているのか考え始めていた。しかし、隼人は冷淡な男で、恋愛経験もなかったため、月子は自分の考えすぎではないかと不安に思っていた。だが、昨夜、彼がこっそりと自分の顔を撫で、額に優しくキスをしたこと、そして自分が寝たふり
Read more