指が、唇が、肌に刻むように伝えてくる。 ここにいる、お前は俺のものだ、と言っているかのように。 朔夜の舌先が、冬馬の鎖骨をなぞった瞬間――「……ぁ……っ……」 短く震えた吐息が、思わず唇から漏れる。 それは拒絶でも、困惑でもない。 むしろ、堪えようとしても溢れてしまった、無垢な反応だった。 肌を撫でる手が、まるで見えない縄のように冬馬の身体を縛っていく。 押しつぶされそうなほどの熱に包まれて、思考も感覚も朧になっていく。「さく、や……っ……」 その名を呼ぶ声さえ、吐息にまぎれて震える。 まるで誰にも聞かせたくないように、けれどどうしても抑えきれないように。 朔夜の指先が、腰に触れる。「や……っ、そこ……だめ……っ」 甘く途切れた声に、朔夜の目が細められる。 それはどこか愉しげで、けれど真剣な熱を孕んでいた。「言っただろ。もう、逃がさないって……」 そして彼は、躊躇なく冬馬の奥へと踏み込んだ。 声にならない声が、夜の静けさの中に溶けていく。 ――ふたりだけの、ひそやかな再契り。 鼓動と吐息、肌と肌が何度も何度も重なって、まるで過去の欠片までも溶かすように。 冬馬は、目を閉じたまま感じていた。 朔夜に刻まれていく痛みと快さ、それがまるで「生きている証」のように思えて。「……朔夜……っ……」 声が、泣きそうに震えた。 それは悦びであり、許しであり、心の奥からあふれ出た、愛の名残だった。 吐息の熱が肌をなぞり、指先が、胸元からゆっくりと下へ滑っていく。 触れられるたび、冬馬の身体が小さく震え、目元が赤く染まっていった。「朔夜……そんな、触れ方……っ」 震える声に、朔夜はわずかに口角を上げる。 けれどその目には、余裕よりも深く沈んだ熱情が揺れていた。 いつもは無表情に近いその顔が、今は獣のように飢えて見える。 けれどそれは、ただの欲ではない――喪ったものを取り戻そうとする、切実な飢えだった。「痛くしない……だから、力を抜け」 囁きとともに、そっと太腿を押し開かれる。 羞恥よりも先に、冬馬の奥底で何かが疼いた。 深く、満たされたい――そんな感情が、自分の中にあることに気づき、息が詰まる。 準備を整えられたその瞬間、朔夜が腰を落とす。 熱を孕んだものが、冬馬の奥へとゆっくり沈んでいく。「……ぁ、く…
Zuletzt aktualisiert : 2026-02-02 Mehr lesen