壁のランプが一つだけ点された薄暗い部屋の中。佑介の言葉にまだ呆然としていた小夜だったが、突然、肩を強く押された。次の瞬間、視界が大きく揺れ、柔らかいベッドの上に仰向けに倒れ込んでいた。長い髪が真っ白な枕の上に散らばる。完全に頭が真っ白になった。体も強張る。上に覆いかぶさってきた佑介は、彼女の顔の横に両手をついた。前髪から滴る水滴が小夜の顔に落ち、その冷たさにビクッと体を震わせる。ハッとして上にいる彼を突き飛ばそうとしたその時、濡れた頭が不意に彼女の首元へとうなだれ込んできた。その動きに、小夜は思わず手を止める。佑介のくぐもった声が、熱を帯びて耳元に響いた。「お姉さん、僕、もう何日も寝てないんです。すごく眠いから、話は明日、父さんに会ってからにしてくれませんか?」ひどく眠たげで、甘く絡みつくような声だった。「それとも、お姉さん、別のことがしたいんですか?いいですよ。すごく眠いですけど……痛っ!」佑介が痛みに声を上げた。小夜は無表情のまま、彼の頭に振り下ろした拳を引っ込めた。そしてチャリンと銀の鎖の音を響かせながら、彼をベッドから蹴り落とし、怒鳴りつけた。「このクソガキ、お姉ちゃんに向かってなんて口の利き方してんのよ!」姉をからかうなんて、いい度胸ね!あんなにいい子だったのに、あの実の父親と知り合ってどれくらい経つっていうのよ。すっかりグレちゃって、全部コルシオのせいだわ!良いことを身につけるのはあんなに大変なのに、悪いことに染まるのはあっという間なんだから!一体どうなってるのよ!考えれば考えるほど腹が立ってきた。ベッドの下からガサゴソと身じろぎする音が聞こえ、小夜は怒気を含んだ声で言い放った。「上がってこないで!」実際のところ、コルシオに自分の動きがバレたことへの恐怖は別として、自分を縛り付けた佑介に対する恐怖心はそれほど湧いてこなかった。普段の素直で従順な彼を見慣れていたし、すっかり姉としての立場が板についていたせいで、どうしても彼が自分に危害を加えるとは思えなかったのだ。何しろ、この義理の弟だけではない。いつも自分を騙そうと企んでいたあのどうしようもない実の弟でさえ、彼女は力ずくでねじ伏せてきたのだ。「弟」という生き物を恐ろしいと思ったことなど一度もない。彼女の怒気を感じ取ったのか、ベッド
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