第七十一話 娘のような息子 吉原に朝がやってくる。 梅乃が誘拐されて一ヶ月が過ぎていた。季節は初夏を迎え、朝の気温も高くなってきた。 「はぁ…… なかなか眠れなくなったな」 お歯黒ドブを眺め、息を落としているのが定彦である。 「お おはようございます……」 定彦に声を掛けてきたのは古峰だった。「古峰ちゃん…… どうしたんだい? こんなに朝早く……」 「お お願いがあって来ました」 古峰は真面目な顔で頭を下げると「お願い?」 定彦がキョトンとする。 「わ 私を吉原から出してください」 古峰がお願いを始める。 「古峰ちゃん、足抜は重罪だよ? 本気で言っているのかい?」 定彦は、本気を感じながらも古峰に確認していると 「で 出来ることは、私は何でもします…… お願いします……」 「う~ん……」 定彦は頬を指で掻きながら悩んでいる。 「お願いします」 古峰は外にもかかわらず、膝をついて頭を下げると「ちょっと…… 止めておくれよ」 慌てて止めに入る定彦。 「そうだ! 古峰ちゃんは、何でもするって言ったね?」 定彦が微笑む。 「は はい。お姉ちゃんを助けられるなら…&helli
Last Updated : 2026-02-17 Read more