Lahat ng Kabanata ng 断罪された悪妻、回帰したので今度は生き残りを画策する(Web版): Kabanata 201 - Kabanata 210

243 Kabanata

第2章 74 1つ目の町『ソリス』

「アルベルト様、今から向かう領地はどのような場所なのでしょうか?」「『ソリス』という町だ。人口約5千人程の中規模都市に当たる。町には用水路が流れているのだが水を引いているため池の水が殆ど枯渇してしまったのだ」余程切羽詰まっているのだろう。アルベルトの顔が歪む。「町の人達は今どうしているのですか?」「とりあえず、町の至るところに井戸があるので、何とかそれでまかなえているが………そろそろ限界が近いかもしれない」「そうですか……」人々は大丈夫なのだろうか……。私は手をギュッと握りしめた―――**** 『ソリス』という町は王都から馬車で小一時間程の場所にあった。 馬車が時計台の大きな広場に到着すると、国王自らが視察に訪れたということで町を管理する領主が多くの町民たちを引き連れて既に待っていた。「陛下、本日はわざわざ『ソリス』へお越し頂き誠にありがとうございます」私達の前に挨拶に現れた領主は、年の頃は50代半ばの男性だった。彼の着衣には豪華な金糸の刺繍が施されており、かなり贅沢な衣服に見える。「この国を収める国王としては当然の努めだからな」アルベルトが答えると、次に領主は私の方をチラリと見た。「あの……そちらのお方は……?」「彼女は私の妻となる女性だ。いずれは王妃となる、クラウディア・シューマッハだ」「え!? お、王妃となられるお方ですか……?」 領主は驚きの顔で私を見る。しかし、驚かれるのも無理はない。私は平民にしか見えない服を着ているのだから」「クラウディア・シューマッハと申します」 まだアルベルトとは婚姻していない身。ましてや私は敗戦国の姫である為、丁寧に頭を下げて挨拶をした。「私はカルロス・マーフィーと申します。この領地を管理する伯爵です。どうぞ宜しくお願い致します」 カルロスと名乗る伯爵は挨拶こそ丁寧だったが、その目には侮蔑の色が宿っていることにすぐ気づいた。 何しろ、私は過去に置いて散々周囲から見下された目で見られていたからだ。そしてアルベルトは黙認し……ますます私の立場は悪化していったのだ。「それでは早速御案内させていただきます」こうして伯爵の案内の下、私はアルベルト達と一緒に街の様子を視察することになった――****「こちらが用水路になります」伯爵が案内した場所は町の沿道に張り巡らされた用水路だった。
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第2章 75 現れた2人

「それにしても、率先的に近隣の町や村に水を分け与えているとは大したものだな? 伯爵」アルベルトはマーフィー伯爵に声をかけた。「ええ、勿論です。困ったときはお互い様ですから……そうだよな? お前たち」伯爵は後ろに控えていた町人達を振り返る。「え、ええ。そうですね……」「はい、当然のことですから」数人の人々が返事をした。彼らは皆、何処か疲れた様子に見えた。「よし、では伯爵。次に井戸を案内してもらえるか?」「はい、勿論でございます。では一番大きな井戸のある場所へ御案内致します。すぐそこなので歩いて参りましょう」私達は再び伯爵に案内されて、この町で一番大きな井戸があるという場所へ案内してもらった。****「こちらが一番大きな井戸になります」 案内された井戸は町の中心部にあった。石畳が綺麗に敷かれた広場の中に設置されている井戸は確かに伯爵の言う通りかなり大きな物だった。「ほう……かなり大きな井戸だな。深さもありそうだ」アルベルトが感心したように頷く。「はい、そうです。この井戸は直径が約1m、深さは約15m程です。どうぞ中を御覧下さい」伯爵に勧められ、アルベルトは井戸を覗き込み……眉をしかめた。「これは……殆ど水が無いではないか」「はい。ここ最近の日照り続きの上、先程御覧になった通りため池も枯渇してしまいました。更に近隣の町や村に水を分けてあげたものですから……今ではこのありさまです」「そうか……何とかしないとな……」アルベルトが考え込んだ時、突然背後から声が聞こえた。「陛下、我々が何とかいたしましょうか?」聞き覚えのある声に振り向くと、そこに現れたのはリシュリー宰相とカチュア、それに護衛と思しき3人の騎士たちだった。「リシュリー……何故ここにいる?」「陛下が朝から外出されるお姿を見かけたからです。そこでどちらへ行かれたのかを使用人たちに尋ねたところ、クラウディア様と水不足で困っている領地の視察に行かれたというではありませんか」アルベルトはまるで苦虫を潰したかのような目で宰相を見ている。「それにしても陛下、酷いではありませんか。私はこの国の宰相ですぞ? 先代の頃から宰相を務めてきた私に行き先を告げずに出かけられるとは」「何故いちいちお前に報告せねばならないのだ?」アルベルトの声には苛立ちが混じっている。「それは私なら解
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第2章 76 アルベルトの叱責 

「陛下、私は水を降らせる方法を知っています。それにリシュリー様の話では私が発見された神殿は『水の神殿』と呼ばれているそうですね?」「……」 にこやかに話をするカチュアとは対象的に、アルベルトは険しい顔で無言のまま彼女を見つめている。「私は水と相性が良いのです。なのでどうか私にお任せいただけますか?」「それでは一応尋ねよう。一体どんな方法で雨を降らせるつもりだ」「はい、雨乞いの儀式を行いたいと思います」 「雨乞い?」 アルベルトが顔をしかめた。「はい。まず高い山に登り大きなヤグラを高く積み上げて火を燃やします。そして祈りを捧げる為に楽器を演奏するのです。そうすれば雨は降ります」やはりそうだ。この流れは回帰前と同じだ。カチュアは火を沢山燃やして煙で上昇気流を巻き起こし、更に音楽で空気を震わせて雨雲を作るつもりなのだ。だけど、この方法では……。「駄目だ、却下する」アルベルトが即座に答えた。「「「え!?」」カチュアと宰相、そして私まで思わず声を揃えてしまった。「な、何故ですか? この方法なら必ずうまくいきます! あの山に登って私の言う通りにすれば必ず雨を降らすことが出来ます!」カチュアが指さした先には山がそびえている。山頂付近にはうっすら雲がかかっているのも見える。恐らくあの雲の下で火を燃やすのだろう。 「こんなに日照りが続いた状態で山で火を起こせば山火事が起こるかもしれない。今、城では水を作り出せる王宮魔術師たちを水不足で苦しんでいる領地に送り込んでいるが、ギリギリの状況だ。もしここで火事が起これば鎮火させることなど出来ない。その場合、お前は責任が取れるのか!?」アルベルトがカチュアと宰相に激昂した。確かに回帰前、カチュアが雨を降らせたという話は国中に広まった。そして彼女は『聖なる巫女』として、ますます人々から慕われるようになった。けれどその反面、酷い山火事が起こったという話も耳にしていた。でも、何故アルベルトは山火事の話を……?カチュアはすっかり怯えてしまい、震えている。すると宰相が訴えてきた。「山火事が起こるかどうかなどまだ分からないではありませんか! なら、一体どうするおつもりですか? 陛下に何か良い考えがあるならお聞かせ下さい」宰相は興奮の為か顔を赤く染めている。「その対策を考える為に私はここまで出向いたのだ」
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第2章 77  私に対する言いがかり

「クラウディア、何か良い案があるのか?」アルベルトが尋ねてきた。その瞳には期待が込められているように見えるのは何故だろう?すると宰相が鼻で笑った。「は? クラウディア様。貴女に一体何が出来るというのです? 所詮敵国に嫁いできた貴女にとっては、この国がどうなろうと知ったことではないのですか? それともよもや呪いでも掛けるおつもりですかな?」え? 呪いですって……? この言葉は流石に頂けない。  その時――「リシュリー! クラウディアに対して何という口の聞き方をする!? 身の程をわきまえよ!」 突如、アルベルトが声を荒らげた。 「で、ですが陛下、国民たちの声を聞いていないのですか? 皆がクラウディア様を后に迎えることに不満を持っていることに。中にはこの日照りはクラウディア様のせいではないかと言われているのですよ?敵国で敗戦国の王女を娶るなど……縁起でもないことをするからだと。そうですよね? マーフィー伯爵」宰相は伯爵に目を向けると、伯爵は狼狽えながらも頷いた。「ええ、そうですね……確かにそのような噂が出回っております……」その言葉に衝撃を受けた。確かに城の人々の様子から自分が歓迎されていないのは知っていた。けれど、そんな目で私が見られていたなんて……。「黙れ!!」 アルベルトが激しく叱責した。それは物凄い迫力で私を含め、周囲の者たちをも驚かせた。「へ、陛下……わ、私は陛下の為を思って……」 宰相は顔を青ざめさせながらも、まだ何か言おうとしている。「それを言うなら、宰相。お前はどうなのだ? そこに立っているカチュアとやらは本当に『聖なる乙女』なのか? 大体日照りがクラウディアのせいだとすると、そこにいる女だって同樣だ。何しろ2人は同じ日に、我が国へやってきたのだからな!」「「!!」」 アルベルトの言葉に宰相とカチュアの顔が青ざめる。「お前たちは帰れ。ここの視察は我等だけで十分だ」「へ、陛下……」尚も声をかけようとする宰相。その図太さに私は半ば呆れてしまった。「まだいるのか? 帰れと言っているだろう」「わ、分かりました……。帰りますが……」宰相は私に視線を移した。「とてもクラウディア様に解決できるとは思いませんがね。我々でしたらいつでも陛下のお役に立ちますので。では失礼いたします。行こう、カチュア」まるで捨て台詞のよ
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第2章 78 バレた嘘

 宰相とカチュアが護衛の騎士達を連れて立ち去ると、私はすぐにマーフィー伯爵の方を向いた。「伯爵。まずは水不足の問題の前に少しお話をお聞きしたいのですけど」「え? 私にですか?」「はい、そうです。日照り続きで困っている近隣の町や村に水を分けてあげているのですよね?」「ええ、勿論そうです。困ったときはお互い様ですからね」 伯爵は当然のように頷く。「本当に無償で分けてあげているのですか? 日照り続きで大変だという最中に随分羽振りが良さそうですね。それに町の人々は体調が悪そうな人が多いのに、伯爵は随分元気があるように見えますが?」伯爵は私は元より、アルベルトよりも豪華な服を身につけている。「え!? い、一体何を言い出すのですか!」「確かに……言われてみればそうだな。町はすっかり活気もなくなリ、随分寂れた様子だ。それに……町民たちはクラウディアの言う通り、皆具合が悪そうだぞ?」すると、町民たちの中で一番年若い男性が突然口を開いた。「へ、陛下……お、お願いがあります……」「何だ! 貴様は! 陛下に直に話しかけようとするとは……この身の程知らずめ! 黙っていろ!」伯爵がアルベルトの前で青年を叱責した。すると……。「いや、黙るのはむしろ伯爵。お前の方だ。彼は今私に話をしようとしている。彼らの話を聞くのが先だ」「で、ですが……あ、相手はただの平民ですよ!? そんな取るに足らない存在の者の話を聞くのですか!」 なんて酷いことを……! 伯爵の言葉は聞くに耐え難いものだった。「この者たち大切な我が国の国民だ! そのようなことを言うな!」そしてすっかり恐縮している青年にアルベルトは話しかける。「さぁ、話すがいい」「は、はい……伯爵は……この町の水路や井戸水の独占所有権を持っていて……金持ちにばかり水を売っているのです。お陰で我々は……水を配給制にされて……満足いく水を貰えないのです……」青年の言葉に周囲にいた町民たちは力なさげに頷く。やはりそうだったのだ……! 彼らが皆一様にして元気のないのは脱水症状による疲労だ。「どういうことだ……? 伯爵。水はこの町に住む人々全員の物。いつから独占所有権を有するようになったのだ?」 アルベルトは伯爵を物凄い目で睨みつけた。「ヒッ! そ、それは……お、おい! 貴様ら……よくも陛下の前で……!」 伯爵は町
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第2章 79 生命の水

 私達は伯爵と共に先程のため池へと戻ってきた。先程ついて来ていた町の人達は疲れている様子だったので、彼らには広場で待っていてもらっている。ため池に到着すると伯爵が振り返った。「と、到着いたしましたが……これからどうされるのですか……?」アルベルトに先程叱責されたことから、伯爵はすっかりビクビクしている。けれど彼が怯えるのも無理はない。何しろ相手は国王、そして背後にいる4人の護衛騎士達は両脇に大振りの剣をさしているのだから。「では、皆さん少し下がっていただけますか?」あまり錬金術で作り出したアイテムを見られたくはなかった。本来は1人でため池に来たかったのだが、それでは意味が無い。何故なら私は『エデル』の人々から信頼を得なければならないからだ。「何故下がらなければならないのです?」尋ねてきたのは伯爵だった。彼はアルベルトのことは恐れていても、やはり私のことは見下しているようだ。「それは……」何と答えようか考えていると、アルベルトがすぐに返事をした。「分かった、全員クラウディアの言う通り下がれ」え……?その言葉に思わず私はアルベルトを見た。てっきり彼にも理由を問われると思っていたのに?「どうした? クラウディア」 アルベルトが首を傾げて私を見た。「い、いえ。何でもありません。それでは皆さん、お願いします」 全員がため池から少し離れたところで、ポケットに忍ばせておいたガラスの小瓶を取り出した。瓶の中には水色に光り輝く液体が入っている。このガラス瓶の中の液体は曾祖母の日記帳に記載されていた『生命の水』が入っいる。私はあの後、日記帳を何度も読み返し……これならすぐに作れると判断し、とりあえず1瓶だけ作ってみたのだ。この『生命の水』は元々水のあった場所で使うことにより、そこから新たな水を生み出すことが出来ると記述されていた。「お願い……どうか、うまくいって……」祈るような気持ちで瓶の蓋を外すと、すっかり枯渇してしまった溜池の中に数滴垂らしてみた。干からびた大地に垂らされた『生命の水』はあっという間に乾いた土の中に吸い込まれるように失われていく有様だ。「これでは……足りないのかしら……」それとも私の錬金術がうまくいかなかったのだろうか?どうしよう……。もうすこし『生命の水』を垂らしてみようか……。そう考えていた矢先――「
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第2章 80 抱擁と歓喜の声に包まれて

「クラウディア……お前がこの溜池に水を満たしたのか……?」アルベルトは信じられないと言わんばかりの目で私を見る。「はい。そうです」 頷く私に、その場にいる全員が目を見開いて私を見ている。アルベルトのみならず、水を独占していた伯爵に護衛の騎士たちまで。「信じられない……一体どうやって……い、いや。そんな話はどうだっていい! でかしたぞ、クラウディア! 流石は未来の王妃だ!」アルベルトは満面の笑みを浮かべると、私を強く抱きしめてきた。「!!」その行動に驚いて固まる私。何しろ回帰前、私とアルベルトと手を触れ合うことすら無かったのだから。それが今、彼は私を胸に埋め込まんばかりに強く抱きしめてくる。 そしてアルベルトの抱擁が嫌ではない自分に戸惑いを感じていた。何故なら、不思議と懐かしく……心穏やかな気持ちがこみあげてきたからだ。これは……一体、どういうことなのだろう……?「でかしたぞ、クラウディア。本当にお前をここに連れてきて良かった」アルベルトは抱擁を解くと、私の両肩に手を置いて優しげな瞳で見つめてきた。「アルベルト様……」「そんなバカな……み、水が……」伯爵は驚きとも落胆とも取れる様子で、溜池を見つめていた。その場に居合わせた騎士たちも呆然とした様子で水が完全に満たされた溜池と私を交互に見ている。「よし! すぐに町の広場へ戻ろう! 水路に水が満たされているか確認に行くのだ!」もはやアルベルトは伯爵を無視して、騎士たちに呼びかけた。「「「「はい!!」」」」 彼らは声を揃えて返事をした――****町の中心部の広場に戻ると、大騒ぎになっていた。立派な街だけれども、人の姿が殆ど見えなかったので寂れているのかと思っていただけに驚いた。誰もが水路の水に喚起している。噴水からは勢いよく水が噴き出しており、中には手ですくってその水を飲んでいる人達までいたのだ。 「これは凄い騒ぎだな……」アルベルトが隣に立つ私に話しかける。「はい、そうですね」すると、先程アルベルトに訴えてきた青年が私達の姿に気付いて駆け寄ってきた。「陛下!」「ああ、お前だな?」「はい、そうです! ご覧下さい。先ほど突然噴水から水が湧き出し、水路に水が流れ込んできたのですよ?」青年はとても嬉しそうだった。その言葉に人々が一斉に反応した。「何!? 国王
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第2章 81 アルベルトの決断

 人々が喉の乾きを癒やし、それぞれの帰路についた後……アルベルトは伯爵を振り向いた。「マーフィー伯爵」「は、はい!」ガタガタ震えながら返事をする伯爵。「お前はこの町共有の財産である貴重な水を独占し、日照り続きで困っている者達に高値で水を売っていた。そして私腹を肥やすだけでなく、自分だけは喉の乾きを癒やしていた。その罪は非常に重い」「そ、その通りでございます……」「よって、お前の伯爵家の爵位を剥奪することにする!」「ええ!? そ、そんな! 陛下! それだけはお許しを!」伯爵は必死になって懇願している。確かに少し重すぎる罪だと思ったが、この町の人々から見れば妥当な判断なのかもしれない。その証拠に、先程伯爵と一緒にいた町人達はうなずき合っている。「いや、許すわけにはいかない。お前のように欲深い人間にはこの町を収める資格など無い!」「そ、そんな……」伯爵は顔面蒼白になり、その場に座り込んでしまった。「近日中に知らせを出すので、その際は必ず城に来るのだ。さもなくば所有する財産を全て差し押さえるからな」「つ、謹んで……承ります……」伯爵はガックリと頭を垂れた――**** 『ソリス』の町を出た私達は次の目的地『ポルタ』という農村を目指していた。「……」 アルベルトは馬車に乗ると持参していた書類に目を通し始めたので、私は外の景色を眺めていた。 それにしても……先程の伯爵の処罰は少し重すぎたのでは無いだろうか……?そんなことを考えていると、不意に名前を呼ばれた。 「クラウディア」「はい、アルベルト様」「どうかしたのか? 何だか元気が無いように見えるが?」「え? そ、そうでしょうか?」「ああ。『ソリス』を出てから何だか様子がおかしい。ひょっとすると先程の件で何か思い悩んでいるのか?」まさかアルベルトに私の考えを見透かされているとは思わなかった。「はい。あの……流石に爵位の剥奪は罰としては重すぎるのではありませんか?」「何を言う? あの伯爵は勝手に町の共有物である大切な水資源を私物化したのだぞ? しかも水不足で人々が苦しんでいる最中に勝手に高値で水を売買していた。情状酌量の余地はあるまい?」アルベルトの言うことは尤もだ。けれど、あまり厳しい締付けを行えば周囲から反感を買うのでは無いだろうか? 私が黙っていると再びアルベ
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第2章 82 アルベルトからの相談

 次の目指す農村『ポルタ』までの道は以外にも悪路だった。ガタガタと揺れる馬車の中でアルベルトは窓の外に目を向けながらため息をついた。「相変わらずこの道は揺れが激しいな……」「そうですね。確かに道の高低差があったり、デコボコしていたり状況が悪そうです。農村地帯の道がこれでは仕事や日常生活に影響が出てきそうですね」私が返事をするとアルベルトは身を乗り出してきた。「やはりクラウディアもそう思うか? このような悪路では大きな荷車での運搬作業も難航してしまう。以前から王都から他の領地へ向かう道が悪路なので改善して欲しいと嘆願書が寄せられていたので改革をしようとしているのだが……」そこでアルベルトが忌々しげに顔をしかめた。「王政の財源管理は宰相に一任されている。宰相が首を縦に振らないせいで、中々改革に乗り出せないでいるのだ……。俺はまだ年若いし、王位に就いてから1年足らずだから尚更だ」確かにアルベルトはまだ22歳。親子以上に年の離れた宰相に甘く見られてしまうのも無理はないかしれない。ましてや先代から宰相を務め、更には神殿との結びつきが強ければ尚更アルベルトを軽んじているのだろう。だけど……。 膝の上に乗せた手に力を込めた。回帰前、確かに私はアルベルトによって処刑されてしまったけれども恐らくその背景には宰相の力が働いていたはずだ。彼は私を敵視し、自分が連れてきたカチュアを『聖なる乙女』としてアルベルトに引き合わせたのだから。 でも、今回はそうはいかない。相の思うツボになってはまた前回の二の舞いを踏んでしまいかねない。「アルベルト様」そこで私はアルベルトに提案することにした。「何だ?」「アルベルト様は国王です。ですが、宰相は陛下を補佐する立場であり、実権を握ることが出来るのはアルベルト様ただお一人です。まずは王政の改革をするのを優先するべきだと思います。宰相に権力が集中するのを防がなくては、領地改革をするのは難しい問題だと思います」「……」アルベルトは無言のまま、私の話を聞いている。ひょっとすると、何も分かっていないのに生意気な口を利いていると思われてしまっただろうか?「あ、申し訳ございません。つい、意見を申してしまいました」しかし、アルベルトは笑みを浮かべた。「そうか、やはりクラウディアも俺と同じ考えを持っていたのだな?やはり
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第2章 83 帰路につく馬車の中で

 その後も、私達はいくつかの村や町を訪れた。 どこも日照り続きで苦しい生活をしていた。しかし、私が用意した『生命の水』によって水が蘇り……その度にアルベルトは私に感謝するように人々に告げた。そして、私の評価はあちこちの領地でまたたく間に上昇したのだった――**** 本日、予定していた領地を全て回り……私達は帰宅の途に就いていた。空はすっかり薄暗くなり、空には一番星が輝いている。 「大丈夫か? クラウディア。今日は1日、領地めぐりをしたので疲れたりしていないか?」向かい側に座るアルベルトが気遣うように声をかけてきた。「いいえ、これくらい大丈夫です。お気遣いありがとうございます」「お前を気遣うのは当然だろう?」「アルベルト様……」優しい目で私をじっと見つめてくるアルベルト。それは回帰前にはどんなに望んでも得られなかったことであった。彼の優しい眼差しも、声も……全てカチュアのものだったのだから。 あの頃は、それがどれだけ羨ましかったか計り知れない。それが今は特に望んだわけではないのに、当たり前のように私に向けられる。本当に……皮肉なものだ。「今夜は城に戻ったらゆっくり休むといい。色々疲れているだろうからな」「はい、ありがとうございます。ところで……本当によろしかったのでしょうか?」「何がだ?」「いえ、水不足を解消させてきた村や町でのアルベルト様の発言についてです。人々に仰っておりましたよね?ここが救われたのは私のお陰だと」「それは当然だ。全てはクラウディアが行ったことなのだからな」 アルベルトは頷く。「ですが……アルベルト様がご自身で行ったことにしても良かったのではありませんか?」国王となってまだ日が浅いアルベルトに国民はまだ絶対的な信頼を寄せていない可能性もある。だとしたら自分の名声を上げる為に私の名前を出すべきではなかったのではないだろうか?するとアルベルトが眉を顰めた。「クラウディア……本気で言ってるのか? 今回の立役者は全てお前だ。なのにどうして俺が自分の手柄に出来るのだ? それに……」アルベルトが不意に私の手を握りしめてきた。「アルベルト様……?」「お前は俺の后になるのだ。后の評判が上がれば、良い女性を娶ったということで俺の評判も一緒に上がるとは思わないか?」そしてアルベルトは握りしめた私の手をすくい
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