小春は付け加えた。「松木家も久米川家も、どちらも瑠々の訃報は公表していないみたい。まったく噂も出ていない。業界の人から聞いた話だと、瑠々は東地区の霊園に埋葬されたらしいよ。あそこは久米川家の先祖が多く眠ってる場所で、葬儀も大々的にはやらず、参列者も少なかったみたい。騒ぎ立てなかったのは、たぶん瑠々と丹羽憲治の件を外に知られたくなかったからだと思う。それに葬儀の最中、瑠々のお母さん、二度も泣いて気を失ったって聞いた......」蒼空はそれを聞いても表情を変えず、静かにうなずいた。「分かった」遥樹は彼女の様子を見て言った。「やっぱり、まだ引っかかってる?」蒼空は少し黙ってから答えた。「全部推測だけどね。証拠はないもの」それ以上は誰も口を開かなかった。蒼空が言う。「先に帰りましょう」数件の交通事故に関わった運転手や誘拐犯について調べているのは警察だけではなかった。蒼空と遥樹も独自に動いていた。蒼空の体調はまだ万全ではなかったが、普段通り出社はしていた。ただ残業はせず、毎日定時で帰宅して静養に充てていた。三日が過ぎたころ、警察署から電話が入った。それは蒼空が会議中のタイミングだった。最初、蒼空は特に気に留めなかった。ここ数日は警察から細かな確認の電話が続いており、この電話も同じだろうと思ったのだ。その会議は非常に重要だった。「ウサギ団」のゲームがリリースされて以降、想定を大きく超える数のプレイヤーが流入し、目標を大幅に上回る成果を出していた。オンライン人数は急増し、課金額も右肩上がりだった。一方で、テスト期間中には見つからなかった一部のバグが、実際のプレイ中に次々と露呈し、ほかにも細かな問題が発生していた。これらはプレイヤーの体験を大きく損ね、一部のユーザーはすでに公式アカウントの下で抗議を始めていた。蒼空が立て続けに会議を開いていたのも、すべてこの対応のためだった。会社の対応は迅速で、補償も手厚かったことから、プレイヤーの熱は再び高まった。現在、「ウサギ団」は各種スマホゲームのダウンロードランキングでトップ3に入っている。ところが、昨日になって突然、「ウサギ団」が、少し前にリリースされたゲーム「旅行ウサギ」の盗作だという指摘が出た。「旅行ウサギ」は瑛
Read more