All Chapters of 君が抉った心の傷に、まだ宿る名はない〜性奴隷は泣かない〜: Chapter 61 - Chapter 70

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第61話 速水のメッセージカード

 (伍代 視点) 『かさぶらんか』周辺の見回りを終えて店内に戻ると、花に囲まれた弟分の速水が“尻”の話に夢中になっていた。 中々に倒錯的な光景に、若干の興奮を覚えた。だが護衛としては、従業員の三原と秋山の様子が気になる。『ムカデ男』の災難を共に経験して仲間意識が高まったのだろうが、速水に構いすぎだ。 三原は速水と二人きりになると、俺の弟分に馴れ馴れしい態度を取る。秋山に至っては、無意識に速水の尻を目で追っている。速水の護衛としては、早々に奴らを始末したいところだ。 「ねえ、伍代さん……顔が凶悪になってるけど、どうしたの?」 「えー、凶悪な顔だなんて酷いなぁ。それより、速水さんは俺に相談があるんでしょ?」 「うーん……あのね、清二さんは今忙しいのかな?」 「青山組の組長ですから、そりゃいつだって忙しいでしょうね。でもまあ、竜一さんが組長代理をすることも多くなったので、少しはプライベートな時間を取りやすくなったんじゃないですか?」 そう答えると、速水は少し俯いて、ぐずぐずと考え始めた。……イライラする。 「速水さん、俺は護衛ではなく兄貴分として相談に乗ります。ですが、気が短いので一秒以内に相談内容を述べてください」 「清二さんと、セックスしていません!!」 「……ん?」 「だから……竜二さんとセックスして以来、清二さんが僕の元を訪れなくなったの! これって“愛人”の座の危機だと思う、伍代さん?」 「そんなこと、俺に分か
last updateLast Updated : 2025-11-15
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第62話 アナルとペニス?

 (清二 視点)  速水から俺宛に、メッセージカード入りの花束が届いた。慎ましくも愛らしい花束は俺好みだ。速水がその繊細な手でこの花束を整えたと思うと、年甲斐もなく唇を寄せたくなる。まあ……しないが。 「さて、メッセージカードには何が書かれているかな……えっ!?」 メッセージカードを握ったまま手を震わせてしまった。これは、速水からの誘いなのか?そういう事なのか? 繊細な花束に添えられた大胆過ぎるメッセージカード。 このイラストは、『アナルとペニス』だよな?つまり、そういう事なのか?速水、そうなのか?いいのか?俺はお前に会いに行ってもいいのか?抱いていいのか? 「いや待て、落ち着け……」 速水に会いたい。会いたいが、問題がある。 兄貴より俺の方が、愛を込めて速水を抱いている自信はある。だが、あいつは竜二とのセックスを経験した。速水はセックスドラッグを盛られ、竜二と抱き合った。その興奮と快感は尋常ではなかったはず。 「そのセックスと比べられるのは……耐え難い」 今でも、その辺りの中年男性よりは均整の取れた体つきをしているとは思う。顔も、まあ……そう悪くは無い。だが、若い男のあそこに勝るかと問われると否定せざるを得ないだろう。若い頃の自分を思い出せ。一晩中腰をふって獣の様に女と交わった。 ……だが、今はそんな無茶はできない。 速水への情の偏りを解消するために愛人を増やしているが……そのために、俺のあそこはかなり疲
last updateLast Updated : 2025-11-16
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第63-1話 マトリ

 (署長 視点) 速水を花屋『かさぶらんか』から喫茶店『ムラサキ』へ連れ出すまで、予想以上に骨が折れた。 素直そうな面構えだが、あれで相当な頑固者だ。『かさぶらんか』の“オーナー”であることに異様な執着を見せ、「店番がいない以上、店を離れられない」と、ごね続けたのである。 仕方なく、小林刑事に店番を頼むことにした。悲壮な表情で花屋のエプロンを身に付けた小林は、明らかに職務内容に不服の面持ちだった。 だが、それで速水は満足したらしい。あれほど渋っていたくせに、あっさり『かさぶらんか』を後にし、素直に『ムラサキ』へと同行した。 ――どうにも掴みどころがない。 『かさぶらんか』は地下に“性奴隷”を囲う風俗店だ。その真上の花屋に刑事をひとり置いていくなど、普通なら不安で仕方がないだろう。だが速水は気にも留めていないようだった。 長く“性奴隷”として囲われていたせいで、大人になることをどこかで失ったのかもしれない。二十歳を過ぎてなお、子どものように振る舞う速水は、見ていて不気味ですらある。 それを青山組の組長・清二が“愛人”にしているというのだから、呆れるほかない。私なら――ごめんだ。  ◇◇◇◇  「速水さん。先ほども申し上げた通り、“組長が速水を捨てた”という噂が急速に広まっています。そして――その噂の真偽は問題ではないのです。噂を信じ、あなたを拉致監禁しようとした者が実際にいた。まずは、その事実を受け止めてください」 「はぁ…&hellip
last updateLast Updated : 2025-11-17
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第64話 清二さんがやる気だ

 (速水 視点)  「あ、あの、清二さん」 「どうした、速水?」 ……清二さんが全裸だ!! マンション最上階の住居に戻ると、清二は僕の手を引き、そのまま寝室に突入した。扉を開けたまま、いきなり衣服を脱ぎ始める。慌てた僕は、寝室の扉を閉めた。……だって、伍代まで寝室に入ってこようとしていたから。怖すぎる。 清二のペニスは隆々と立ち上がり、自己主張がすごかった。目が離せない。怖いような、胸が高鳴るような。 「や、やる気満々ですね、清二さん」 「当たり前だ。速水から花束と一緒に、あの愛のこもったメッセージカードを貰っては――お前を抱くしかないだろ?」 「あ、気に入ってくれたんだ! 向日葵とトウモロコシのイラスト。嬉しい、清二さん」 「……」 返事がない。僕は首を傾げる。 「清二さん?」 「いや、待て、速水。少し待ってくれ……メッセージカードを再確認したい」 そう言うと、全裸のまま上着のポケットをまさぐり、カードを取り出して真剣に見つめ始めた。 その広い背中をぼんやり眺めていると、身体の内側がじんわり熱くなってくる。 (清二さんは裸だし……僕も脱いでも、いいよね) そう思っていると、清二が低い声で呟いた。 「…&hel
last updateLast Updated : 2025-11-19
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第65話 清二お父さん

 (清二 視点)  ――ん? おとうさん? え、清二お父さんって呼ばれたのか? 快感のあまり腰をふりまくってしまった。……う、速水が泣きながらベッドで腰を捻ってる。ペニスを体内から抜こうとしているのか? 「……速水」 しかし――なぜ速水は気づかないんだ。その動きは、俺の情欲を煽るだけだということに。 落ち着かせようとするつもりで、俺はそっと覆いかぶさった。けれど、速水は余計に怯え、逃げようともがく。その反応に胸がざわつき、ショックを受けながらも……気づけば夢中になって、速水の首筋へ何度も唇を落としていた。何度も、何度も。 速水の呼吸は浅く、過呼吸になりかけていた。荒い息づかいが耳に触れる。だが不思議と、その息は少しずつ落ち着きを取り戻していく――。 「はぁはぁ、はぁ……はぁ……はぁ……」 そろそろ声を掛けても大丈夫だろうか? 「……速水、悪かった。大丈夫か?」 「怖い……やだ、許して」 「速水、すまなかった。怖くして悪かった。速水、落ち着け。一度ペニス抜くぞ?」 「駄目、入れたままにして! 大丈夫、もう怖くない!」 「俺に嘘をつくな、速水」 「違う、うそじゃない…
last updateLast Updated : 2025-11-20
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第66話 清一の遺言

 (速水 視点) ベッドに寝転がったまま、僕は清二さんの顔を覗き込み、思い切ってお願いを切り出すことにした。『内縁の妻』になったばかりで図々しいとは思う。でも、言わなきゃ仕方ない。 「あの、清二さん。少し、いいですか?」 「なんだ?」 僕は一呼吸おいて、口を開いた。 「伍代さんのことです。僕の護衛と世話係を兼務してくれていますが……彼、働きすぎではないでしょうか?」 そこでいったん清二さんの反応を見る。案の定、彼は眉ひとつ動かさない。 「伍代が働きすぎ? いや、それはないだろ。あいつに限ってそれはない」 本気でそう思ってる顔だ。でも――最近、明らかにおかしい。 「でも、最近の伍代さん、本当に様子がおかしいんです」 僕は身を起こし、声を潜める。 「女好きの伍代さんが、『かさぶらんか』のモニタールームで……男の人の喘ぎ声でオナニーしているんですよ」 言っていて、こちらが恥ずかしい。だけど、事実だ。 「たぶん、忙しくて風俗店に通う時間がないんだと思います。従業員からも苦情が出ていて……正直、困っています」 「伍代が──男の喘ぎ声でオナニー」 清二さんの顔が、みるみるうちに凶悪なものへ変わっていった。あまりの変化に、思わず体が震える。 「ひっ……そ、その……っ」&nb
last updateLast Updated : 2025-11-21
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第67話 モグラ

(伍代 視点)遅い。おそい。おそいーーー!!寝室に入ったきり、組長と速水が出てこねぇじゃねーか。悪い想像だけがぐるぐると頭を占める。まさか、あのヘタレ組長。張り切りすぎて、速水に無理な体位を強要したんじゃないだろうな?無茶ぶりされて速水が気絶、なんて展開……ありえそうで怖い。で、無防備にベッドに倒れた速水を――嫌な絵面が浮かぶ。「くそ、無防備な速水の色々可愛いところを、触りまくってるに違いない。『へなちょこペニス』のくせに。ああ、なるほど。『へなちょこ』だから無防備な速水に色々するしかないのか。まあ、中年オヤジだしなーーーうごっ!」背後から股間を思いきり蹴られ、声にならない悲鳴が漏れた。床が近い。視界がぐらつく。痛みで息が止まる。情けないが、すぐに立てねえ。ただ、この蹴りをかます奴は一人しかいない。床にうずくまりながらも、印象を良くするために無理やり口を開いた。「く、組長。ご苦労様です。うぐっ……今から、速水の世話係として、寝室に、ぐっ……向かいましゅっ!」「伍代……やはりお前に、速水の世話係は任せられん。今回から、世話係は『モグラ』だ。お前は、速水の護衛に専念しろ。それとな、性欲が溜まってるならさっさと風俗行くか彼女作れ。『かさぶらんか』のモニタールームで男の声でオナニーするなど以ての外だ。従業員から苦情が出ていると速水が困っていた。あいつを困らせるな」……え、え?オナニーの話、組長にバラしたのか?弟分のくせに兄貴を売るとは……失望したぞ、速水。俺は歯を食いしばって立ち上がる。蹴られた箇所がズキズキ疼くが、怒りの勢いで身体が動いた。くそ、速水に文句を言わなきゃ気が済まねぇ。だが視界に入ったのは、着物姿の組長だけ。「あれ、速水さんはどうしました?まだ寝室ですか?」「ああ、もう少し寝室にいたいそうだ」寝室の扉に視線が吸い寄せられる。胸がざわつく。――うまくいかなかったのか?速水は竜二にセックスドラッグを盛られてレイプされて以来、ロクに抱かれてない。トラウマがある。それを考えれば、上手くいかなくても不思議じゃねぇ。嫌な可能性をいくつも思い浮かべる。速水は組長を気絶して、組長が困って……無理やり。だから寝室から出られない――?「速水さんを寝室に一人にして大丈夫ですか?」「問題ない」組長はそれ以上何も
last updateLast Updated : 2025-11-21
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第68話 伍代と速水と性奴隷①

(速水 視点)伍代と寝室に飛び込んだ僕は、堪えきれず吹き出してしまった。さっきまで涙目で抱きついていた自分が嘘みたいで、我ながら役者だと思う。僕の肩を抱いていた伍代は、ぽかんと目を丸くしていたが、すぐ意地悪く笑ってスッと身を離した。「あー、速水さんは人が悪い。僕に抱きついて泣いていたのは演技ですか?」「まあね。『内縁の妻』になったからには最初が肝心でしょ? 浮気防止になったと思う、伍代さん?」にっこり笑ってみせる。さっきの組長の絶望顔は一生モノの思い出になりそうだ。「青山組の組長とは思えぬ、あの情けない声と表情! 当分、浮気はしないと思いますよ。ですが、組長の女の好みは大人しい女性だから、あまり我儘が過ぎると捨てられますよ、速水さん」また核心突くことを、笑顔で言う。胸に刺さるじゃないか。僕は苦笑して寝室のソファに腰を下ろし、軽く指で合図する。伍代は素直に近づいてくるが、座る時に絶妙な距離を空けた。伍代らしい。「何でしょう、『姐さん』?」「伍代さんは、本当に意地悪だなぁーと思って」「はい、俺のおちゃらけは無視と。まあいいですけど。でも、我儘が過ぎると捨てられる可能性があることは心に留めておいてください。兄貴分としてのアドバイスです」「うん、ありがとう伍代さん。後で、清二さんにはちゃんと尽くすつもり」“尽くす”と口にして途端に恥ずかしくなる。顔が熱い。「尽くすねー? ところで、今日のセックスはいかがでした? 上手くいきましたか?」「それ聞くの? もう、伍代さんは世話係じゃないですよね?」「まあ、そうですが。さっきモグラを見たでしょ? あいつは俺より医療の知識もあるし、速水さんの世話係専用に調教されてますから不便はないと思います。ですが、精神面のサポートはちょっと期待できないとは思います」“精神面のサポート”がまだ僕には必要ってことか……。不意にモグラの腫れた顔を思い出す。あの淡々とした“輪姦されました”報告。ふわっと胃が重くなる。表に出てしまったのか、伍代が覗きこんだ。「どうしました、速水さん?」「僕は、竜一さんや竜二さんが気に掛けてくれて、清二さんの愛人にもなれたから大丈夫だった。もしそうでなければ、モグラさんと同じ扱いを受けていたんだろうなって思って……ちょっと怖くなった」伍代が少し視線を落とす。「清一さんが死んでから
last updateLast Updated : 2025-11-22
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第69話 伍代と速水と性奴隷②

(速水 視点)「伍代さん?」怪訝に返すと、伍代は噛みつくように言葉をぶつけてきた。「お前はもう『性奴隷』じゃないんだ。クスリを盛ってセックスする必要なんてない。組長だってそんなこと、お前に望んでいなかったんだろ? なのに、お前はクスリが欲しいと言った。速水……次にクスリを盛られたら、抜け出せなくなるぞ」「セックス中に少し怖くなって、セックスドラック゚が欲しいなって思っただけだよ? 大袈裟だな、伍代さんは」軽く返したつもりだったのに、伍代は顔色を変えた。「大袈裟じゃない!俺の『性奴隷』仲間は、MDMA盛られた次の日に自殺した。いいか、速水。絶対に薬物はやるな。『性奴隷』時代に、俺は廃人になった奴を何人も見てきた。あれは……悲惨だ」その声音があまりに重くて、胸の奥が冷えた。けれど、ふと口が勝手に動いた。「伍代さんは、矛盾している」「何が?」「薬物を憎んでいるのに、その薬物をばらまくやくざの構成員をやっている」言った瞬間、伍代は唇を噛んだ。次いで、ふっと肩を落とし、苦笑いを浮かべながら僕を見る。「やっぱ、速水さんは人が悪い。まあ、確かにその指摘は当たっているな。俺は、やくざは嫌いだ。だけど、『性奴隷』でいる事はもっと嫌だった。だから、今の組長に声を掛けられたとき、俺は即座にやくざになるって決めた。もう俺は、二度と『性奴隷』には戻らない」その言葉に、胸がひりついた。自然と、声が強くなっていた。「僕も囲われの『性奴隷』には二度と戻らない……絶対に!」思っていた以上に激しい口調だったらしい。伍代が真剣な目で僕を見る。その視線が強くて、息を飲んでしまった。目を逸らそうとしても、視線が離れない。伍代はそっと手を伸ばし、僕の頬に触れた。その温度がじんわり染みる。「大丈夫だ、速水。お前は二度と『性奴隷』に戻ることはない」「……ありがとう、伍代さん」思わず、触れている手に重ね返そうとした。けれど、伍代はするりと手を引いてしまう。指先の余韻だけが残り、空気がわずかに冷えた。――もう少し触れていてほしかった。でも、それはただのわがままだ。気まずさを隠すように、僕は話題を変えた。「ねえ、伍代さん?」「ん、なんだ?」「前から聞きたかったんだけれど、伍代さんはどうして『性奴隷』になっちゃったの?」伍代は一瞬眉を跳ねさせ、わざとら
last updateLast Updated : 2025-11-23
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