顔立ちは、まず間違いなく美しいだろう。女がフロアへと歩みを進めるにつれ、体にフィットした赤いドレスが描き出す完璧なボディラインが、深雲の眼前に露わになる。極上のスタイルだった。腕は細いが、胸は豊か。そして、腰からヒップにかけてのラインは、まさに芸術品だ。ぱっちりとした深雲の瞳が、すっと細められる。骨張った指が、ひやりと冷たい手すりの上に置かれた。その瞳に宿る興味の色が、二割ほど濃くなる。これほどの極上の女なら、男なら誰もが二度見するだろう。深雲は堂々とその姿を鑑賞し続けた。やがて彼の視線は、赤いフリンジのミニスカートの下から伸びる、白く艶やかでまっすぐな長い脚へと滑り落ちる。その瞬間、白いレーザー光が女の体を照らし出した。右の太ももにある、十数センチに及ぶ傷痕が、白い肌の上で、いやというほどくっきりと浮かび上がる。深雲の目に浮かんでいた、品定めするような愉悦の色が、一瞬にして消え失せた。彼の茶色い瞳が激しく揺れ、薄い唇が鋭い弧を描く。その瞳には、見る者を凍りつかせるほどの怒りの炎が燃え盛っていた。――穂坂景凪!そうだ、仮面の下から覗く顔の半分も、確かに彼女によく似ている!まったく、ふざけた真似を……!あの女、こんな場所へ来るとは。それも、こんなに尻軽で、男を誘うような格好をして!深雲は、彼女の体にねっとりと絡みつく、このクラブにいる全ての男たちの目をくり抜いてやりたい衝動に駆られた。彼は怒りを必死に押し殺し、鬼のような形相で階段を駆け下りる。トレーを持って上がってこようとしたウェイトレスと、危うくぶつかりそうになった。「お客様、どうぞお気をつけて……」深雲の耳には、そんな声など全く届いていなかった。だが、一階のフロアは人でごった返していた。入り乱れる人影が視界を遮り、彼は一瞬にして景凪の姿を見失ってしまう。赤いドレスの女の後ろ姿が目の前をよぎった。深雲は人混みをかき分け、その腕を乱暴に掴む。歯を食いしばって唸った。「景凪!」しかし、振り返った女が仮面を外すと、現れたのはけばけばしい、下品な顔だった。女は目を爛々と輝かせ、深雲をじっと見つめる。「うわ、超イケメン。あたし、そのケーナ?とかいう子じゃないけど……あなたと一緒に行ってもいいわよ」「失せろ!」深雲は、しなだれかかってくる女
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