潤一は一切否定しなかった。伏し目がちにしばらく沈黙した後、自嘲気味に苦く笑う。「ええ、心から。でも……何の意味もありませんけどね」世界的にも名を馳せる傭兵部隊の最年少幹部という地位。さらに恵まれた家柄と誰もが目を惹く容姿を持ち合わせ、潤一の人生はこれまで文字通り順風満帆だった。景凪に出会うまでは、恋愛においても常に主導権を握っていた。気が向いた時に適当に火遊びを楽しむだけで、相手にはそれなりの見返りを与え、いつも後腐れなく別れてきた。なのに、なぜ景凪に出会って、これまでの遊びの「報い」を受けるかのように、どうしようもなく深く溺れてしまったのか。潤一自身にも、その理由はまったく分からなかった。「子供の頃、祖父から聞いたことがあります。若い頃に愛した女性とは結ばれる縁がなかったからと、厚かましくも孫同士の許婚の約束を取り付けてきたのだと……」 潤一は俊介を見つめ、低く少し掠れた声でゆっくりと語り始めた。「当時の俺は、その話をまったく気に留めていませんでした。もし少しでも真面目に受け取っていたら、すべては違っていたかもしれないのに」言い終えると、病室のベッドで眠る景凪へ視線を向ける。その瞳には痛ましいほどの愛情が満ちていた。もっと早く景凪の前に現れていれば。自分がこれほど人を愛するようになると最初から知っていれば。黒瀬渡はおろか、あの鷹野深雲にすら出会わせなかったはずだ。一生穏やかで幸せな日々を与えてやれたのに。だが、運命というやつはひどく悪趣味だ。ようやく景凪に出会えた時、この人はすでに傷だらけだったのだから。「おじさん」潤一は声を落とした。「俺は長い間、景凪とすれ違ってきました。どうかチャンスをください。俺の『婚約者』を取り戻すための」俊介は黙って潤一の肩を叩いた。「父親である私は、あの子の人生からずっと逃げていた。あの子が受けてきた苦痛の責任は、私にもある。だから、親として君の願いに頷くことも、退けることもできないよ。あの子は一番愛する人を失ったばかりだ。本気で想ってくれているのなら、どうかそばにいてやってほしい。結果がどうなるかは……」「おじさん、俺の最大の長所は、潔く負けを認められるところなんです」あっさりと返したその言葉には、たとえ景凪の心が最終的に自分を向かずとも、すべてを受け入れる覚悟が滲んでいた。俊介は
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