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All Chapters of 蒼い華が咲く: Chapter 41 - Chapter 50

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41 別れの決心

うぜぇ、まったくもって非常にうぜぇ…さすがに2週間以上も続くとブチ切れる。「翔太、いつものメンバー15人招集かけて」 いい加減、本気で頭に来てた俺は翔太に告げる。 「はっ? なんで?」 俺の突然の言葉に驚き聞いてくるから 「いい加減にうぜぇ」 携帯の画面を見せた。翔太の眉間に皺が寄る。 「お前これいつからだよ」 ん~? 「3週間ぐらい前? から?」 俺が答えると同時にベシッてデコピンが炸裂した。 「いってぇ~!!」 翔太のデコピンはマジでいてぇんだよ。 「なんでもっと早く言わねぇんだよお前は!!」 翔太に怒られた。まぁ、これは俺が悪い。翔太は怒りながら自分の携帯を取り出しメールを打ち出す。 「ん~? 基本的に俺は平和主義者。本気でいいからぶっ潰す」 俺をここまで怒らせたんだ。ただで済むわけがない。叩きのめしてぶっ潰す。 「了解」 翔太は俺の言葉を聞きながらメールを送信する。まぁ、大概のメンバーは決まってるんだけどさ。メンバーからの返事はすぐに返ってくる。 「こっちはOKだぞ」 メールを見て翔太が返事をくれる。 「ん~。じゃぁ、10時に決行ってことで…めんどくせぇ…」 俺は溜め息をつき、今まで無視し続けてたメールに返事をする。俺からのお誘いメール。時間と場所を指定して送信した。俺を怒らせなきゃ平和に過ごせれたのにねぇ~。俺をここまで怒らせた罰は受けてもらうぜ。「あ~、だから最近ずっとお前の機嫌が悪かったんだな。早く言えよバカが。で? マジで別れたんだって?」 翔太が俺の方を見ていう。 「ん? あぁ、俺が帰ったらもう届けを出してきたんだってさ。その日のうちに2人とも出てったよ」 ホントにこういう情報は翔太に入るのが早い。まぁ、隠しとくつもりはなかったからいいけどさ。担任の吉田にもちゃんと伝えてはあるし。メッチャ心配されたけどね。面倒だけど、伝えとかないと後々困るからさ。「で? 大丈夫なのか?」 ホントに翔太の心配性。子供の頃から俺と一緒だったからしょうがないんだけどね。俺がこんなになった理由を一番知ってるのは翔太なんだし。 「大丈夫だって。ただ病気は治らないんじゃねぇ? まぁ一人になって楽だよ。余計なことをあれこれと考えずにすむからさ」 俺はポケットの中の薬を探る。 「ムリ、するなよ」 ホントに心配性な
last updateLast Updated : 2026-01-12
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帰り道、突然、雨が降り出してきた。おねい…俺を洗い流して…すべてなくなるまで…俺が消えてしまうまで洗い流して…俺を洗い流して…俺の闇が消えてしまうまで…洗い流して…すべてを…お願いだから…俺が公園のいつもの場所で目を閉じて空を見上げていたら、急に雨が当たらなくなって、ふと目を開ければそこには俺に傘を差している拓ちゃんがいた。「何してんの?」俺はそのままの体勢で聞いてみる。「それはこっちのセリフだ。何してるんだお前?」反対に聞き返されちゃった。「ふふふ。雨に当たってたんだ…ねぇ…拓ちゃん…何も聞かずに抱いてくんない?」笑って聞いてみる。無理だろうけど…「いいのか? 蒼華は同じ相手には二度も抱かれないんだろ?」拓ちゃんが反対に聞いてきた。やっぱり夜の掟の事は知ってるんだね。「そうだね。でも、拓ちゃんは特別。嫌じゃなかったら抱いて?」ふふふと笑う。その途端、返事の代わりにグイッて腕を掴まれて引きずるように公園から連れ出された。もう、あなたに甘えるのはこれで最後にするから…だから最後にもう一度、俺を抱いて…拓ちゃんは近くのホテルに入った。部屋に入ると俺たちは抱き合いついばむようなキスを繰り返し、そのままベッドに倒れこみ深いキスを繰り返した。「んっ、ふぅ、ぁ、っ、ん」舌が入り込み絡めとっていく。キスを繰り返す間に拓ちゃんは俺から服を剥ぎ取っていく。俺も彼の服を脱がしていく。今はただ素肌を感じたい。拓ちゃんの温もりを感じたいんだ。「ぁ、ふぅ、ぁぁ、ん、ぁ」拓ちゃんの指が俺の身体を這いまわり愛撫し始める。「んぁ、ねぇ、ぁ、今、すぐ、ん、ぁ、いれ、て? ん、ぁ、ぁぁ、拓ちゃんが、すぐ、ぁ、ほしぃ、ぁ、」俺はそう言ってみる。無理かもしれないけど…ねぇ…今は何も考えずに俺だけを愛して…今だけは俺だけを愛して…だから…すぐ一つにつながりたい…拓ちゃんは一瞬、躊躇ったけど俺の言うとおりにしてくれた。優しいよね…「んっ、っ、はっ、ぁ」さすがにキツイよね? 俺は平気だけどさ…「大丈夫か?」拓ちゃんが俺の頭を撫でながら聞いてくる。その顔は少し心配気だ。「だいじょぉ、ぶ、ぁ、動いて、いいよぉ、ぁ、」俺は拓ちゃんの首に腕を回し自分からキスをした。触れるだけのキス。俺からせがむのはあなただけだよ? 気が付いてる?拓ちゃんはゆっくりと動
last updateLast Updated : 2026-01-27
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43 彷徨う華

あの日を境に俺は夜の街を彷徨うようになった。元に戻っただけなんだけどさ…「あ…あの…蒼華さん…」 ふらっと街に出て少し歩いていたら声を掛けられた。 「ん?なに?」 俺は振り返って聞いてみる。まぁ大体察しはつくけどさ… 「あ…あの…よかったら…私と…」 彼女はしどろもどろに言ってくる。 「俺は二度と同じやつは相手しない。関係を持つのは一度っきり。それわかってる?それでもいいわけ?」 俺は確認の意味で聞いてみる。だってさ…遊ぶにはいかにも『初めてです』って感じの子だったから…。「は…はい。噂は聞いてます。それでもいいんです」 彼女はそう答えてくる。 「まぁ、君がそれでいいなら俺はいいけどさ」 俺は彼女の肩を抱く。彼女は小さく頷いた。本当は面倒なんだけどさ…俺は彼女を近場にあるホテルに連れて行った。彼女が望むべき行為をするために―俺は彷徨う華。蒼い蒼い彷徨い華。誰にも媚を売らない蒼い華。一度抱いた相手は二度と抱かない。 一度抱かれた相手は二度と抱かれない。俺は彷徨う蒼い華…今宵も彷徨い続ける…永遠に一人淋しく彷徨い続ける蒼い華…「俺になんか用?」 俺は振り返り訊いてみる。彼女と別れてからなんか面倒なのが後を着いてきてるなぁって… 「人の女に手を出しやがってよく言うぜ」 なんて言葉が飛んでくる。 「はぁ?人違いじゃねぇの?」 記憶にねぇし。思い当たることもねぇんだけど? 「やっちまえ!」 そのまま男たちが俺に向かって突進してくる。はぁ面倒くせぇ。流石に大通りじゃ邪魔になるから俺はちょっと先の路地裏に走り込む。そこは路地裏にしては少し広い場所。ここなら誰にも邪魔はされない。そう思う存分できる。「逃がさねぇぜ」 男がニヤリと笑う。 「別に逃げねぇけど?」 俺はため息をつく。今更逃げねぇし逃げる気もねぇよ。 「るっせぇ。やっちまえ!」 その言葉と共に男たちが殴りかかってくる。ドカ、バキ、ドサッ、あっけな…ほんとあっけな…なんでこんなやつばっかりなんだろう―ものの5分で片付いちゃったよ。 「つまんねぇやつ」 俺は最初に因縁をつけてきたリーダー格の男の腹を蹴る。 「ガハッ」 つまんねぇんだよ… 「俺にケンカ売ってくんの早かったんじゃねぇの?」 俺はそのまま男の手を踏みつける。あぁ。心が闇に呑みこま
last updateLast Updated : 2026-02-02
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ポツポツと…あの日の夜と同じ雨が降る。雨足はどんどん激しさを増していく。公園に着くころには土砂降りになっていた。俺は一人、空を見上げ公園のど真ん中で佇んでいた。俺を洗い流して…闇に染まった俺を…なにもかも洗い流して…全て忘れられるように…全部洗い流して…俺の醜い心も…なにもかも…洗い流して…俺の全てを…俺はじっと空を見上げていた。 涙を流してもわからないほど雨が顔を濡らして流れていく…不意に後ろから抱きしめられる。ふわりと香るコロンの香り。拓ちゃんだ。 「どうしたの?」 俺はそのままの体勢で聞いた。その途端クルッと身体を反転させられギュッと抱きしめられる。 「お前はいつもそうやって一人で我慢して泣く」ダメだよ拓ちゃん…俺を甘やかさないで…俺は貴方に甘えられない…甘える資格なんてないんだ…「大丈夫だから…だから離して?」 俺は掠れ声で言った。だからお願い俺を離して… 「大丈夫じゃないだろ。いつもそうやってはぐらかして一人で我慢して」 拓ちゃんの腕に力が込められる。 「…っ…だい…じょ…ぶ…だか…ら…」 言葉とは裏腹にボロボロと涙が流れ落ちる。止まらない…いつもあなたは俺が泣きたい時にいつもいてくれる…俺が泣きそうな時にいてくれる…あなたはいつも俺の傍にいてくれる…なんであなたはいつも俺の傍にいてくれるんだろう…だから止まらない…俺の瞳から流れた涙は止まらない…「もぉ…大丈夫…だから…ありが…と…」 一頻り泣いた後で俺はそう告げる。拓ちゃんの腕が緩む。長い長い沈黙。欲を出してもいいのかな…ほんの少しだけ…今だけでいいから…欲を出してもいいのかな…「拓ちゃん…迷惑じゃないなら…俺を抱いて…どんなに酷くしてもいいから…犯してもいいから…俺を抱いて…」 俺は彼を見上げて言う。拓ちゃんは驚いた顔で俺を見る。わかってる。俺が拒絶したんだもん。虫がいいこと言ってるのはわかってる。でも…抱かれたい…拓ち
last updateLast Updated : 2026-02-02
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でもね、一番触れてほしい場所は一度も触れてはくれない。まるでそこだけ避けるように周辺だけを愛撫していく。 「ぁ、はっ、ぁ、ん」 自分でもわかるけど俺のものは膨れ上がり先走りの液を垂れ流してる。その量が半端じゃないのもわかってる。だって拓ちゃんに抱かれるの好きだから…すごく感じちゃうから… 「んぁ、ぁぁ、ん」 拓ちゃんの指が蕾を撫で上げる。撫でるだけでそれ以上のことはしてこない。 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 拓ちゃんの舌が襞を一枚一枚広げるように舐めていく。ツップリと指が入ってくる。そこは拓ちゃんの唾液と俺の先走りの液で濡れすんなりと受け入れていく。 「あぁ、ん、ぁっ」 指は一本また一本と増やされ中を掻き回す。 「ぁ、ぁぁ、ん、ぁぁ」 拓ちゃんの舌が胸を舐めはじめる。 「ひゃぁ、ぁぁぁ、ん、ぁぁ」 胸を舐められ中をちぐはぐに掻き回されイイトコをぐちゃぐちゃに攻められ 「ぁ、ぁぁ、ん、やぁ、い、くぅ、ぁぁぁぁ」 俺はあっけなくいっちゃった。だって拓ちゃんに抱かれるの気持ちがいいんだもん。拓ちゃんの重みが退いていく。俺はその様子を見ていた。拓ちゃんは自分の着てる服を脱ぎ捨てた。それだけなのにカッコいい。拓ちゃんはベッドに腰掛けると俺の身体を抱き起こし自分の上に跨がせ 「自分でしてみな」 なんて言う。 「意地悪だね」 俺は拓ちゃんの言葉に小さく笑う。 「酷くしてもよかったんだろ?それともやめるか?」 拓ちゃんがニヤリと笑う。その顔もカッコいいね。 「んふふ、やめないよ」 俺は拓ちゃんの上で体勢を整えると拓ちゃんの固くなったものをあてがいゆっくりと腰を落としていく。 「ん、ぁ、はっ、ぁ」 拓ちゃんの首に腕を回した。 「自分で動けよ」 なんて言われちゃう。 「ぁ、ほんと、いじわ、ひゃぁ、ぁぁ」 俺が反論しかけたら胸を弄られた。ほんと胸は弱いんだってば。俺はゆっくりと腰を動かし始める。拓ちゃんのキスが俺の顔中に降りてくる。それがくすぐったくてそれでいて気持ちがいい。
last updateLast Updated : 2026-02-02
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「さてと、朝飯でも作る。なんかリクエストあるか?」 突然、俺を離して拓ちゃんが聞いてくる。 「えっ?作ってくれるの?じゃ…じゃぁ…オムライス~!!あの味が忘れられません!!」 俺は身体を起こし答える。 「了解。キッチン借りるからな」 拓ちゃんはベッドから降り部屋を出ていった。俺も取り敢えず着替えるためにベッドから降りパジャマのボタンをはずしていく。そこにはキレイに手当された傷跡。 「やっさしぃなぁ~」 俺はポツリ呟きクローゼットを開け中の衣装ケースの中からTシャツを取出し着る。パジャマのズボンもジーンズに穿きかえる。 「ありゃ?痩せた?緩い」 ジーンズが緩い。俺はため息をつきベルトを嵌める。予想外だ。痩せてるとは… 「まぁ当たり前か」 俺はクローゼットの扉を閉めると部屋を出てキッチンへと向かった。漂う美味しそうな香り。 「わぁ~い。オムライス~!」 なんていいながら俺は椅子に座った。今だけ…今だけでいいからこの幸せな瞬間を俺に満喫させて…それ以上は望まなから…「ほら、できたぞ」 拓ちゃんが俺の前に出来立てのオムライスの乗った皿を置いてくれる。 「いやっほ~う。いっただきま~す!」 俺はいそいそと食べ始める。 「ん~おいひ~!」 ん、やっぱり拓ちゃんの作るオムライスは美味しい。向かい側の席で拓ちゃんが苦笑を浮かべてる。 「喜んでもらえて嬉しいけどな」 拓ちゃんがいう。違うよ拓ちゃん。拓ちゃんが一緒にいるから余計に美味しんだよ?拓ちゃんが傍にいるからすごく美味しんだよ?一人じゃなにを食べても惜しくないんだ…「手が止まってる。また何か考えてだろ?」 うっ、最近なんだか拓ちゃんが鋭いです。 「そんなことないで~す。この美味しさに浸ってたんで~す」 俺はそう誤魔化した。でも本当のことだもん。拓ちゃんの作ってくれたオムレツの美味しさに浸ってんだもん。俺は適当な会話をしながら拓ちゃんと一緒にオムライスを食べた。片付けも全部拓ちゃんがやってくれた。優しいよね。 「拓ちゃん、拓ちゃん」 俺はリビングのソファに座り自分の隣を叩き拓ちゃんを呼ぶ。 「なんだ?」 拓ちゃんは不思議そうな顔をしながらやってきて隣に座る。俺はそんな拓ちゃんの脚にゴロッと頭を乗せる。ん、所謂膝枕。そんな俺の頭を優しく撫でてくれる。この瞬間が好
last updateLast Updated : 2026-02-03
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俺は22時半ごろ躊躇いながら携帯のボタンを押した。『もしもし』 数回のコールの後で拓ちゃんが出た。 「今晩は…あのさ…拓ちゃん…」 俺は言いかけて止めてしまう。 『どうした?』 拓ちゃんは不思議そうに聞き返してくる。 「あのさ…俺さ…空気読むの下手だからさ…わかんないんだけどさ…迷惑ならちゃんと言ってほしんだ…じゃないと…わからないから…あなたを傷付けちゃうから…」 俺は深呼吸をして告げる。だってこれ以上は甘えられないよ?拓ちゃんの優しさは嬉しいけどさ…拓ちゃんを傷つけたくないもん…長い長い沈黙。沈黙が重たいよ。『バカだなお前は…』 溜め息混じりに言われる。 「えっ?どういうこと?」 俺は意味がわからず聞き返した。 『迷惑じゃないって言ってるんだ。迷惑だったら最初っから相手になんかしてない。俺もそこまで暇人じゃないし酔狂で付き合ってるわけでもない』 拓ちゃんははっきりと言い切る。その言葉に、俺は思わず息を呑んだ。う…そ…じゃぁ… 「迷惑…じゃ…ないの?お…俺…勝手なこと…ばっかり…してる…のに…」だって…嫌われるようなことばっかりしてるんだよ?だって…あなたを拒絶したんだよ?あなたの優しさを踏み躙ったんだよ?あなたに迷惑ばかりかけてるんだよ?なんであなたはそんなに優しいの?『俺が相手をしてるのは警戒心が強くていつも威嚇ばかりしてる猫だからな』 溜め息交じりに拓ちゃんが告げてくる。 「よっぽどその猫のことが大切なんだね…」 俺は壁に凭れ座り直す。 『そうだな。どうしようもないぐらい好きだ。でも危なっかしくて大変だけどな』…っ…あまりにも突然の言葉。ドキリと心臓が飛び跳ねる。 「そんなに猫のことが大切なんだ」 俺はまた同じことを聞いてた。 『そうだな。すごく大切だ。早く気が付いてくれればいんだけどな。中々警戒心が強くて、それでいて臆病すぎるから気が付いてくれないんだ。俺の言葉もどこまで信じてもらえてるかわからないしな』 溜め息交じりの言葉。ねぇ拓ちゃん…俺のことだって思ってもいいのかな?拓ちゃんの大切な人が俺だって思ってもいいのかな? 猫が俺だって…そう信じてもいいのかな?「ふふふ。拓ちゃんはその猫が相手になると弱いんだ」 俺は爪を見ながら呟く。 『あぁ、そうだな。自分のペースを乱されっぱなしだ。それ
last updateLast Updated : 2026-02-04
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48 生徒会室でイケナイお遊び

ピピピピッ俺はいつものように携帯のアラームで目を覚ます。やっぱりあんまり寝れないのは変わらないらしい。 「ん~。月曜日か…どうすっかなぁ」 俺は携帯で曜日を確認して溜め息をつく。月曜日はいやでも朝会がある。さてどうしたものか…朝会に出れば間違いなく貧血を起こすだろうな。俺は取り敢えず起き上がり制服に着替えるだけ着替えた。そのまま、ほとんど空のカバンと必要なものをポケットにしまい1階に降りキッチに入る。 冷蔵庫を開け食材を取出し朝食を作る。ほんとは食べる気なんてないけど食べないと翔太に怒られそうだし…。 また痩せたって知ったら怒るんだろうなぁ翔ちゃん…。なんて思いながら作った朝食をいやいや食べる。ほんと食べたくないんだけどさ。だけど朝食だけはちゃんと食べないと不味いんだろうな。3食まともに食べてるわけじゃないし、昼は確実に食べられない状態なんだから…。薬もまともに飲んでないしなぁ。 朝食を食べ終え食器類を全部片付けて溜め息をつく。「ふむ。さぁ、どうするかな?」 本来なら1時限目にギリギリ間に合う時間に行くところだが… 「朝から拓ちゃんに会いたいから行こうかなぁ」 我ながら不純な動機だなとか思うけどカバンを持ち家を出た。いつものようにのんびりとバスに揺られ学園に着く。バスを降りて学園の敷地内に入る前にいつものように溜め息をつく。俺が俺でなくなる瞬間。不真面目な俺になる瞬間。本当の俺じゃなくなる瞬間。偽りの織田蒼樹になる瞬間。クラスメイトとバカをやっている俺になる瞬間。いつものようにのんびりと歩いていたら…ムッ!殺気!!俺は思いっきり振り返る。そこには俺の背中を殴ろうと手を振り上げていた翔太と目が合った。 「は…ははは…」 翔太は笑って誤魔化しながら俺を殴ろうとしていた手を下す。 「それって俺に対する新たな虐め?」 なんて聞いてみる。ほんとはダダの挨拶だってわかってるけどさ。 「いや虐めじゃねぇし。お前さ曜日ちゃんとわかってるのか?」 なんて反対に聞きかえされちゃった。 「ん。わかってるよ~ん。わかってて出てきたんだもん」 俺は翔太のブレザーの裾を掴み答える。 「はっ?珍しいじゃん。なんかあんのか?」 俺の言葉に翔太が驚く。 「うんにゃ、なんにもないよ。ただ気分的な問題」 そうただ気分的な問題だけ。拓ち
last updateLast Updated : 2026-02-05
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俺は翔太のブレザーを掴んだまま、二人で下駄箱まで来て靴を履き替え階段を上がって自分たちの教室に向かう途中で発見!「拓ちゃ~ん。おっはよ~」 俺はすすっと寄っていて肩にちょこんと顎を乗せる。 「サボるんじゃなかったのか?」 俺の顔を見て聞いてくる。この声はどことなく笑みを含んでいる。むー。 「ん、拓ちゃんに会いたくて出てきちゃった」 ゴロニャンっとばかりに拓ちゃんに後ろから抱き着く。 それを見たやつらが驚く。まぁ、当たり前なんだけどさ。拓ちゃんは堅物で有名な生徒会長様だもん。 でもさ俺がスキンシップが多いのは大半が知ってるから、またやってるよって目で見られて終わりなんだけどね。 「そりゃどうも。で?貧血起こすのか?」 クスって笑われちゃう。でもさ笑ってるくせに拓ちゃんの手は俺の手に添えられてるの。ちょっと嬉しい。でもさこうやって肩に顎のっけたままなのは拓ちゃんの優しさだよね?俺を振り解いたりしないのは拓ちゃんの優しさだよね?このままの体勢で会話してくれるのは拓ちゃんの優しさだよね?「う~。虐めっ子。じゃぁサボるもん」 俺はわざと拗ねたふりしてみた。 「サボるな。折角ちゃんと来たんだから出ろよ。あっ、そうだ」 拓ちゃんは俺の頭を撫でてくる。でもなにかを思い出したのか俺の手を掴むとポケットの中からチョコレートと飴玉を取り出しコロンと乗せてくる。 「これ食べて我慢して出ろ」 なんて言われちゃった。これはもしかして餌付け? 「ゴロニャァ~ン。ほいじゃぁねぇ」 俺は拓ちゃんから離れて貰ったチョコと飴をポッケの中にしまう。 「俺からの連絡はすぐに終わるから頑張れよ」 拓ちゃんはもう一度、俺の頭を撫でて自分の教室に入っていった。「お前…相変わらず大胆だな」 終始ずっと見ていた翔太が呟く。 「ゴロニャァ~ン」 俺は翔太の腕に自分の腕を絡ませ肩にすり寄る。 「はいはい。わかったから邪魔」 翔太にはすぐに引っぺがされちゃうんだけどさ。 「翔ちゃんのケチ~!!」 なんて文句言いつつ俺は翔太と一緒に自分の教室に入った。「んふふ~♪」 俺は鼻歌を歌いながら自分の席に着く。 「急に機嫌がいいし。目的は金城だったんだなお前?」 なんて翔太も自分の席に座り聞いてくる。 「んふふ~。それは秘密です!」 俺はポケットからチョコを取り
last updateLast Updated : 2026-02-06
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50

俺が体育館に入るとやっぱりどよめきが起こった。はいはい、俺が来るのがそんなに珍しいのね。今更でしょ。好きにしてちょーだい!!吉田も驚いた顔で俺を見ている。俺は素知らぬ顔で翔太と一緒に列に並んだ。「で、あるからしてわが学園は…」『ふわぁぁ。眠い。ウザい、狸爺さっさと降りろ』 俺は相変わらず心の中で悪態をつきつつ欠伸をして拓ちゃんにもらった飴の包みを開けて口の中にほおりこんだ。 「次は生徒会からの連絡です」 なんて言葉が聞こえる。 ボーっとしながら教壇を見たら丁度、上がってきた拓ちゃんと目が合った。うわぁ~!!!ヤバっ!!メチャカッコいい…なんてよそごと考えてるけど実は既に限界点きてます。俺は翔太のブレザーの裾を掴み 「…しょ~た~…げんか~い…」 その場にしゃがみ込む。立ってるのも辛い。 「だぁ、お前は。ってかる!!!」 文句を言いつつも翔太は俺を抱き上げ保健室へと連れて行ってくれる。優しいよね翔太ってさ。「あざ~した~」 俺が目を覚ましたのはお昼の休憩も半ば終わったころだった。教室に戻るのも面倒だったのでお茶を買って屋上に向かった。扉を開けて見つけたのはいつもの人物。 「拓ちゃんはっけ~ん」 なんていいながら彼の横にちょこんとしゃがみ込む。 「もう大丈夫なのか?」 拓ちゃんは俺を見て聞いてくる。 「ん、今まで寝てました。隣いい?」 今更だけど俺は缶のプルタブを開けながら聞いてみる。 「あぁ。ってか寝すぎだろ?」 拓ちゃんはクスリと笑う。俺はポケットの中から薬を取り出し 「あれ?今日は吸ってないんだ?」 拓ちゃんがタバコを吸ってないのに気が付く。 「あぁ。最近ここでは吸ってない。どっか悪いのか?」 俺の取り出した薬を見て拓ちゃんが聞いてくる。 「えっ?あぁ、これね。前に話したでしょ?俺がお昼は食べられないって。その代わりに飲むやつ。強制的じゃないから飲まなくてもいいやつなんだけどね」 俺はそう説明をして飲む。強制的ではないけれど栄養的には飲んだ方がいい代物。 「そうか」 拓ちゃんはそれ以上、深くは追及してこなかった。そういう所は優しいよね。だから余計に好きになっていく。「ん~。拓ちゃん膝貸して?」 俺は空になった缶を置き聞いてみる。 「お前ほんと好きだな」 なんていいながらも拓ちゃんは俺の
last updateLast Updated : 2026-02-07
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