「明日からテストだからな。しっかり勉強しろよお前ら」 帰りのHRの時に吉田が言ってくる。それを聞きうえぇとか、やだぁとか、色んな声が上がるが、それ以外の連絡事項などはなくて、そのままHRが終わりみんなが好き勝手に帰っていった。俺はとりあえず、明日のテストでやる教科の教科書だけロッカーの中から取り出しカバンにしまった。俺ね、テストん時以外は教科書は学校に置きっぱなしなのさ。宿題も大概が朝、学校に来てから授業が始まる前にやっちゃうからね。本当に俺って不真面目だねぇ。でもさ、俺っていつもこんな感じだから。真面目になんてやってやらない。やっても意味がないもん。「今日から出ねぇんだろ?」 2人で下駄箱に向かう途中で翔太が聞いてきた。 「うぃ、3日間ぐらいは大人しく家にいますよ。でも翔ちゃんは違うでしょ?」 少しだけ重くなったカバンを持ち直し聞き返せば 「おう。俺は遊ぶぜ」 ハッキリと言われた。この人はこういう人よ。遊ぶくせにちゃんと勉強するんだもん。真面目なのか不真面目なのかよくわかんないよ翔ちゃん。 俺はね、遊んでもいいけどテストん時は気分じゃなくなるんだよね。だから遊ばないのよ。かと言って勉強をするわけじゃない。ただ、外に出たくなくなるってだけ。 「ほいじゃぁねぇ~」 2人で会話しながら門の外へ出ればナイスタイミングでバスが来て、俺はそれに乗り込んだ。 「また明日な」 そんな俺に翔太が手を上げて言ってくる。俺は軽く手を振りそれに応えて、空いてる席へと座った。ゆっくりとバスが動き始めた。一人だけの時間が動き始める。心が闇に染まっていく…。「逢いてぇ…」 ポツリと出た言葉。自分がここまで本気になってるなんて思わなかった。 「でもさ…逢えないよね…」 必要以上に逢えない。俺が我慢をすればいい。我がままを言って迷惑かけたくないから…。だから我慢すればいい。いつもそうだったじゃないか。だから俺自身が我慢をすればいい…。俺はボーっと外の景色を見ながら心の中で決心していた。俺は家に帰ると部屋に直行した。そのままの勢いでベッドに倒れこむ。ギシリと悲鳴を上げるけど関係ないね。 「飯作るのめんどぉ~」 ベッドに倒れて携帯の時間を確認して呟いた。一人の時は食べたくない。作りたくないのだ。冷蔵庫の中に入ってる食材を思い浮かべてあれこれ考えるがまった
Last Updated : 2025-10-28 Read more