【なあ、お前ら、俺がさっき誰を見たと思う?】【星乃と、白石家の律人だよ!】そのすぐあとに、一枚の写真が送られてきた。悠真は、このグループにいつ入ったのかすら覚えていなかった。普段はほとんど見もしない。けれどそのとき、彼は星乃の名前を見つけ、無意識のままタップして開いた。写真は鮮明だった。よくある、ありふれたキス写真。それでも、悠真の心臓が一瞬跳ねた。二人は人目も気にせず抱き合い、唇を重ねている。星乃の瞳は笑みを含み、きらきらと輝いていた。まるで夜空の星をそのまま映したように、全身で愛情を伝えていた。その眼差しが、妙に懐かしくもあり、同時に遠いものにも感じた。かつて、彼は何度もその瞳を見てきた。けれど、いつからだっただろう。彼女の目が、痛みに、怒りに、絶望に染まるようになったのは。悠真の胸が、どくんと一拍止まり、息が乱れた。わけの分からない怒りと苦しさが、静かに心の奥を蝕んでいく。彼は深く息を吐き出した。どれくらい時間が経っただろう。気持ちをようやく落ち着け、グループを抜けようとした、そのとき。メッセージの通知がまた光った。【おかしいな。律人って遊び人で有名だろ?付き合った女は、どれも二週間ももたないって聞いたけど。星乃とはもう結構長く続いてるよな?】【まさか本気じゃないよな?】すぐに、別の誰かが反論した。【冗談だろ、ありえねえって。あの女、悠真に捨てられた中古だぞ。離婚してからまだ日も浅いのに、律人が本気になるわけない。遊ぶだけ遊んで捨てるに決まってる】悠真は、そのメッセージを見つめ、眉をひそめた。そのとき、怜司がコメントを送った。【やめろ。もうその話題はやめろよ】【悠真はもう彼女と離婚した。それに結婚だって、もともと仕方なくしたことだ】【今は何の関係もないんだから、話すなら勝手に話せばいいけど、悠真の名前は出すな】【それに悠真は、もうすぐ結衣と婚約する。過去のことはもう終わったんだ、蒸し返すな】怜司がそう書き込んで間もなく、悠真から個別メッセージが届いた。【さっきのやつは、誰だ?】まさか悠真がグループを見ていたとは思わず、怜司は少し驚きながらも、その人物の情報を送った。【瑞原市の神崎家の涼真だよ。前に一緒にレースやってた】【気にすんなよ。あいつ、口が
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