さっき同じことを鵜野宮《うのみや》さんにも言われたけれど、この人たちは朝陽《あさひ》さんを神楽《かぐら》グループの御曹司としか見れないのでしょうね。 いつだって私と誠実に向き合ってくれる、そんな本当の彼を知っていればこんな風には考えたりしないはずだもの。 だからといって、それで全てが上手くいくわけではなけれど。「ええ……それはそうね、私だって朝陽さんとの価値観のズレを感じる事が無いわけじゃない」「なっ、そうだろう! だから鈴凪《すずな》には俺が一番合うと思うんだ!」 私が彼の言葉に納得したと思ったのか、流《ながれ》はすぐに上機嫌になり話を進めようとする。私は今までこの人に、こんなに単純な人間だと思われていたのだろうか? だからこそ、あんな酷い裏切りも平気ですることが出来たのかもしれないが……「確かにそうだけど、それをお互いに擦り合わせていくのも愛情でしょう? 私に合わせてもらうだけだった流は、それに気付かなかったのでしょうけど」「それも鈴凪が俺を想っていてくれたからだろう!? これからはお前のことを想って大事にしていくんだし、いつまでもそんな意地を張らずに戻って来いよ」 どうしてそこまで自分の都合が良いように、話の内容を勘違いすることが出来るのだろう。もう過去の事として伝えてるのに、今でも自身が想われているとでも? 付き合っている頃は、ここまで話が噛み合わない相手ではなかったのに。「そんな必要はないわ、そこに戻るつもりなんてないもの。流のことを好きだったのも、もう過去の事でしかないから」「……俺がこんなにも頼んでいるのに? 鈴凪は本当に変わったんだな、俺が以前のお前に戻してやらなきゃいけない」 これが頼んでいる態度って言えるの? こんな場所に監禁して強引に言う事を聞かせようとしてる、これは一方的な意見の押し付けでしかない。 それを、流は私が変わったと何度も責めてくる。戻すも何も……私はずっと前からこういう性格だったのに、この人は何も分かってなかったんだ。「ふざけたことを言ってないで、さっさとこれを外してくれないかしら? 私はこんな場所で、いつまでも大人しくしてるつもりはないの」「鈴凪がそんな風に相手を想っていても、肝心の神楽 朝陽が同じ気持ちとは限らない。もしも、アイツから手酷く裏切られてもそう言えるのか?」 よくもまあ、そんな
Last Updated : 2026-02-19 Read more