その後やって来た警察に簡単な事情は説明したが、それでこの件がすんなりと終るはずもなく。私は朝陽《あさひ》さんや白澤《しらさわ》さん達と一緒に近くの警察署まで向かうこととなった。 鵜野宮《うのみや》社長は静かに娘が連れて行かれるのを見守ってから私に丁寧な謝罪を済ませると、タクシーに乗り込み運転手に警察署までと指示を出してから車を発進させた。 先程までとは打って変わって静かになった現場に残された私達だったが、すぐに朝陽さんは申し訳なさそうな表情をして……「すぐにマンションに帰って休ませたいが、このまま事情徴収を行いたいらしい。大丈夫か、鈴凪《すずな》」 「はい、私は大丈夫です。この件に関しては自分も早いうちに、お話しできればと思うので」 ここで一度マンションに戻ってしまえば、私も今のように毅然としていられる自信が無くて。この気持ちが緩んでしまわないうちに、今回の事を警察に伝えるべきだと思ったのだ。 流《ながれ》や鵜野宮さんの事を許せないとかいうマイナスな感情ではなく、二人に罪を認めてしっかり償って欲しいという気持ちで。「……そうか。だが思い出すのが辛くなったり、もしも気分がすぐれないような事があればすぐに教えてくれ」 「ええ、ありがとうございます。ですが朝陽さんがこうして傍にいてくれるだけで、私は凄く助かってるので」 朝陽さんは私の事を第一に考えてくれて、優しく寄り添い支えてくれる。こうしているだけで十分過ぎるほどの愛情を感じることが出来るし、あと少しだけ頑張ろうと思えるのだ。 そうして私達が警察署に着くと、担当らしき警察官からそのままある一室へと案内された。「雨宮《あまみや》さん、ではこちらでお話を伺ってもよろしいですか?」 「……はい」******「やはり時間がかかってしまったな、かなり疲れただろう?」 事情徴収とはこんなに大変なものなのかと、疲れた体をソファーで伸ばしてみる。私が被害者だという事もあって色々と質問されたが、ちゃんと答えられただろうかという不安もあって。 でもこうして朝陽さんが優しく労わりの言葉をかけてくれる、それが何よりも嬉しいと思う。「そうですね、身体がしんどくないと言えば嘘になりますけど。ですが今回の事で、鵜野宮さんが考えを改めてくれる可能性って少しくらいはありますかね?」 彼女は最後まで自分が
Last Updated : 2026-02-28 Read more