こんなの、私は知らない。そういった映像を見た事がないわけではないけれど、その当時はピンと来なかった。元彼との行為も本音を言えばあまり乗り気ではなく、求められたから応えている感じになっていて。 だから、今のこの状況は自分にとって異常な状態でどうして良いのか焦ってしまっている。 それなのに、朝陽《あさひ》さんは……「残念だが、待ってやるつもりはない。そんな風に戸惑う表情も、鈴凪《すずな》のもっと乱れた姿も全部見たいから」「な、んっ……でぇ……!?」 こんな姿を見られたくない、変な声も聞かれたくない。そう思っているのに、朝陽さんは逆にそれを見たいという。私の両手首を片手で一括りにし、頭の上に固定した朝陽さんはそのまま服を脱がしにかかる。 必死に腕を動かそうとするのに、朝陽さんの力が強くてびくともしないままあっという間に素肌を彼に晒すこととなった。 常夜灯の灯りでもそれなりに見えているのが恥ずかしくて、彼の視線から逃れるように顔を背けたのだけれど……朝陽さんの大きな手が私の身体のあちこちに触れるたび、自分の中心が熱くなり頭がクラクラしてくる。 とてもじゃないけれど平静ではいられない、こんな身体の奥からズクズクと疼くような感覚は初めてで。訳がわからなくなって朝陽さんを見つめれると、彼は何故か小さく舌打ちをする。「鈴凪がそういう顔するの、狡過ぎるだろう? クソ、ヤバいくらい煽られる……」「そんなの、私の……所為にしないでっ!」 もしかしたら朝陽さんは、自分で思っていたよりも私に欲情してくれているのだろうか? あの人のような完璧な美しさと魅力的なボディーラインは無いけれど、それでも今だけは私を見てくれてるって思っていいの? そんな私の気持ちが彼に伝わったのか……「だから、そういう可愛い顔ばっかすんなって……歯止めが効かなくなるだろ」「な、に……変なことを言わないで……っ」 朝陽さんの言葉で、私の方が理性も何もかもが吹き飛んでしまいそうなのに。私が悪いみたいに言われても、こんな風にしているのは貴方じゃないですか! って、言いたくても言葉に出来ないままで。「お前を可愛いと思って、それの何が悪いんだよ? それならば鈴凪が素直になるまで、俺の腕の中から出さないでおこうか?」「む、無理! 無理です、無理っ!」 普段の朝陽さんなら絶対に言わない様な言葉
최신 업데이트 : 2025-09-10 더 보기