十二月も終わりに近づき、いよいよセンター試験が迫ってきた。「あと二週間か……」神崎研究所のリビングで、総一がカレンダーを見つめる。「早いわね」リリムも緊張した面持ちだ。「総一、準備はできてる?」「できてると思う」総一が答える。「でも、不安は残ってる」「当然よ。みんな同じ」「そうだな」その時、玄関のチャイムが鳴った。「誰だろう?」ヴェルダが出ると、カイと美優が立っていた。「こんばんは」「いらっしゃい」「今日は、みんなで最後の追い込みをしようと思って」カイが提案する。「いいわね」リリムが賛成する。「じゃあ、勉強会しましょう」四人でテーブルを囲む。「まずは過去問を解こう」総一が提案する。「賛成」それぞれが過去問に取り組む。静かな時間が流れる。「できた」カイが最初に終わる。「答え合わせしよう」結果を見ると、カイの正答率は八割。「すごいじゃないか」総一が驚く。「ああ」カイが嬉しそうに笑う。「美優ちゃんのおかげだ」「私は何もしてませんよ」美優が謙遜する。「してるよ」カイが真剣な顔で言う。「美優ちゃんがいなかったら、俺ここまで頑張れなかった」「カイ君……」「だから、ありがとう」「どういたしまして」二人が見つめ合う。総一も過去問を終えた。「九割か……」ま
Last Updated : 2025-10-16 Read more