All Chapters of 悪魔ちゃんは契約違反で罰ゲーム中!: Chapter 71 - Chapter 80

83 Chapters

センター試験直前!愛の力で掴む合格への道

十二月も終わりに近づき、いよいよセンター試験が迫ってきた。「あと二週間か……」神崎研究所のリビングで、総一がカレンダーを見つめる。「早いわね」リリムも緊張した面持ちだ。「総一、準備はできてる?」「できてると思う」総一が答える。「でも、不安は残ってる」「当然よ。みんな同じ」「そうだな」その時、玄関のチャイムが鳴った。「誰だろう?」ヴェルダが出ると、カイと美優が立っていた。「こんばんは」「いらっしゃい」「今日は、みんなで最後の追い込みをしようと思って」カイが提案する。「いいわね」リリムが賛成する。「じゃあ、勉強会しましょう」四人でテーブルを囲む。「まずは過去問を解こう」総一が提案する。「賛成」それぞれが過去問に取り組む。静かな時間が流れる。「できた」カイが最初に終わる。「答え合わせしよう」結果を見ると、カイの正答率は八割。「すごいじゃないか」総一が驚く。「ああ」カイが嬉しそうに笑う。「美優ちゃんのおかげだ」「私は何もしてませんよ」美優が謙遜する。「してるよ」カイが真剣な顔で言う。「美優ちゃんがいなかったら、俺ここまで頑張れなかった」「カイ君……」「だから、ありがとう」「どういたしまして」二人が見つめ合う。総一も過去問を終えた。「九割か……」ま
last updateLast Updated : 2025-10-16
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二次試験と運命の発表日♡夢への扉が開く時

センター試験から二週間。二次試験の日がやってきた。「今日だな……」朝、総一は緊張で手が震えていた。「大丈夫?」リリムが心配そうに聞く。「ああ、何とか」「緊張してる?」「すごく」総一が正直に答える。「でも、やるしかない」「そうね」リリムが総一の手を握る。「わたしは信じてるわ」「ありがとう」「行ってらっしゃい」「行ってきます」大学の試験会場。多くの受験生が集まっていた。「すごい人だな……」緊張が高まる。カイも同じ大学を受験していた。「総一」「カイ」「お互い、頑張ろうな」「ああ」試験開始。小論文と面接が課されていた。「よし……」総一は全力で小論文を書いた。心理学についての課題。これまで学んできたことを、すべて出し切る。「終わった……」次は面接。「霧島総一さん、どうぞ」面接室に入る。三人の面接官が座っていた。「志望動機を聞かせてください」「はい」総一が答える。「私は、人を助ける仕事がしたいと思っています」「人を助ける?」「はい。高校時代、様々な人の悩みに触れる機会がありました」総一が経験を語る。「その中で、心理学の重要性を感じました」「なるほど」「人の心を理解し、支えることができる専門家になりたいです」面接官が頷く。「分かりました」面接は二十分ほどで終わった。「お疲れ様でした」「ありがとうございました」会場を出ると、カイが待っていた。「どうだった?」「まあまあかな」「俺も」「お互い、やるだけのことはやったな」「ああ」二人で研究所に戻る。「お帰りなさい」リリムたちが出迎えてくれる。「お疲れ様」「どうだった?」「全力は出し切った」総一が答える。「あとは結果を待つだけ」「そう」リリムが微笑む。「じゃあ、今日はゆっくり休んで」「ああ」それから、発表までの一週間。長く感じる日々だった。「そわそわするわね」リリムも落ち着かない。「ああ」「大丈夫よ」「どうして、そんなに自信があるんだ?」「だって、あなたは頑張ったもの」リリムが総一の手を握る。「結果は必ずついてくるわ」「そうだといいけど」そして、運命の発表日。三月一日。「今日だ……」朝から、総一は落ち着かなかった。「発表は十時よね」「ああ」「まだ時間あるわね」「そ
last updateLast Updated : 2025-10-17
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卒業式と新たな旅立ち♡永遠の愛を誓って

三月中旬。卒業式の日がやってきた。「ついに、この日が来たのね」朝、制服を着ながら、リリムが感慨深げに言う。「ああ」総一も同じ気持ちだった。「三年間、あっという間だったな」「そうね」二人で学校に向かう。桜が咲き始めた校門をくぐる。「綺麗ね……」「ああ」体育館に入ると、既に多くの生徒と保護者が集まっていた。「すごい人だな」「卒業式だもの」指定された席に座る。カイと美優も近くにいた。「おはよう」「おはよう」「ついに卒業だな」「ああ」麗奈の姿も見える。今日は在校生として、卒業生を見送る側だ。「麗奈ちゃん、元気そうね」「そうね」開式の言葉とともに、卒業式が始まった。「卒業証書授与」一人ずつ、名前が呼ばれる。「霧島総一」「はい」総一が壇上に上がり、校長から卒業証書を受け取る。「おめでとうございます」「ありがとうございます」席に戻ると、リリムが微笑んでいた。「おめでとう」「ありがとう」次々と卒業証書が授与されていく。「星川カイ」「はい」カイも証書を受け取る。そして、リリムの番。「リリム=アズ=ナイトメア」「はい」リリムが壇上に上がる。悪魔だが、人間として高校生活を送ってきた。その証として、卒業証書を受け取る。「おめでとうございます」「ありがとうございま
last updateLast Updated : 2025-10-18
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大学生活スタート!新しい出会いとキャンパスライフ

四月上旬。桜が満開の大学キャンパス。「ついに来たな……」正門の前で、総一が感慨深げに呟く。「大学生か……」「感動してる?」リリムが隣で微笑む。「ああ、なんだか実感が湧いてきた」受験を乗り越え、合格を勝ち取り、そして今日から新しい人生が始まる。「行こうか」「うん」二人で門をくぐる。キャンパスには新入生で溢れていた。「すごい人だな」「本当ね」案内板を見ながら、まずは入学式の会場へ向かう。「心理学部の会場は……あっちか」広い講堂に入ると、既に多くの新入生が座っていた。「席、空いてるかな」「あ、あそこ」リリムが指差す方向に空席を見つけ、二人で座る。「緊張するな……」「大丈夫よ」リリムが総一の手を握る。「わたしがいるもの」「ありがとう」やがて、入学式が始まった。学長の祝辞、来賓の挨拶、新入生代表の言葉……。すべてが新鮮で、心に響いた。「これから、心理学を学ぶんだ……」総一が決意を新たにする。式が終わり、各学部ごとのオリエンテーション。「心理学部の皆さん、こちらです」教授に案内されて移動する。「わあ、心理学部の校舎だ」リリムが興奮する。「どんな勉強するのか楽しみね」「そうだな」教室に入ると、心理学部の新入生が集まっていた。約八十名ほど。「結構いるんだな」「そうね」「みなさん、ご入学おめでとうございます」教授が挨拶する。「私は心理学部長の田村です」「よろしくお願いします」「これから四年間、一緒に心理学を学んでいきましょう」田村教授が続ける。「まずは自己紹介から始めましょう。前の席から順番にお願いします」「え、自己紹介……」総一が少し緊張する。「大丈夫よ」リリムが励ます。順番に自己紹介が進んでいく。「霧島総一です。心理学に興味があって、この学部を選びました。よろしくお願いします」「リリム=アズ=ナイトメアです。人の心に興味があります。よろしく♡」リリムの自己紹介に、教室がざわつく。「外国人?」「名前が珍しいね」「すごい美人……」オリエンテーションが終わり、休憩時間。「総一、見て」リリムがパンフレットを広げる。「サークル紹介があるわ」「本当だ」様々なサークルの案内が載っている。テニス、サッカー、演劇、軽音楽……。「何か入る?」「うーん」総一が考え
last updateLast Updated : 2025-10-20
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心理学研究会見学!新しい仲間との出会い

金曜日の放課後。「今日は心理学研究会の見学だね」授業が終わると、さくらが声をかけてきた。「ああ、楽しみだな」総一が答える。「リリムさんも来るんですよね?」「もちろんよ」リリムが微笑む。「心理学、興味あるもの」三人で心理学部の棟へ向かう。「ここが活動場所か」研究会の部屋は、三階の奥にあった。ドアをノックすると、中から声がする。「どうぞ」入ると、既に数人の学生が集まっていた。「あ、新入生の皆さんですね」笑顔で迎えてくれたのは、三年生の先輩だった。「私は心理学研究会の会長、三浦愛美です」「霧島総一です」「リリムです」「桜井さくらです」「よろしくお願いします」愛美先輩が他のメンバーを紹介する。「こちらは副会長の田中健太」「よろしく」爽やかな笑顔の男子学生が手を振る。「それから、二年生の木村美咲と佐藤大輔」「よろしくね」「よろしく」全員で十名ほどの小さなサークルだった。「今日は見学に来てくれてありがとうございます」愛美先輩が続ける。「まずは活動内容を説明しますね」心理学研究会では、週に一回のディスカッションを中心に活動しているという。「今週のテーマは『記憶と感情の関係』です」「記憶と感情……」総一が興味深そうに聞く。「具体的には、どんなことを話すんですか?」「例えば、なぜ楽しい思い出はよく覚えているのか、とか」健太先輩が答える。「逆に、嫌な記憶はなぜ忘れにくいのか、とか」
last updateLast Updated : 2025-10-21
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ちょっとエッチな温泉旅行♡二人だけの甘い時間

五月の連休。大学が休みになり、総一とリリムは温泉旅行に出かけることにした。「温泉か……」朝、準備をしながら総一が呟く。「楽しみね♡」リリムが嬉しそうにスーツケースに服を詰めている。「二人きりの旅行なんて、初めてだもの」「そうだな」これまで、デートは何度もしてきたが、泊まりの旅行は初めてだった。「ちゃんと別々の部屋取ったよな?」「えー、つまんない」リリムが不満そうな顔をする。「一緒の部屋の方が楽しいのに」「お前な……」「冗談よ♡」リリムがクスクス笑う。「でも、夜は総一の部屋に遊びに行くかもね」「やめろ」二人で神崎研究所を出発する。「行ってきます」「行ってらっしゃい」ヴェルダが見送ってくれる。「二人とも、楽しんできてください」「はい」「でも、羽目を外しすぎないように」「分かってます」新幹線に乗って、二時間。山あいの温泉街に到着した。「わあ、景色が綺麗……」リリムが窓の外を眺める。「本当だな」緑豊かな山々に囲まれた、静かな温泉街。旅館は古風な日本建築で、風情があった。「いらっしゃいませ」女将さんが出迎えてくれる。「霧島様、お部屋にご案内いたします」案内されたのは、隣り合った二つの部屋。「こちらが霧島様のお部屋」「ありがとうございます」「そして、こちらがリリム様のお部屋です」「ありがとう」「お食事は六時から、大広間でご用意しております」
last updateLast Updated : 2025-10-22
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カイと美優の大学デート♡二人の距離がさらに縮まる日

六月の日曜日。カイは美優とのデートの約束をしていた。「緊張するなあ……」朝から、カイは部屋でそわそわしていた。「大学生になっても、デートは緊張するものね」リリムがからかうように言う。「当たり前だろ」カイが反論する。「美優ちゃんとのデートは、毎回特別なんだ」「可愛いこと言うわね」「茶化すなよ」「服装は大丈夫?」総一が確認する。「ああ、昨日から準備してる」カイが着替えを見せる。爽やかなブルーのシャツに、ベージュのチノパン。「いい感じじゃないか」「本当?」「ああ。美優ちゃんも喜ぶと思うぞ」「良かった……」一時間後、待ち合わせ場所の駅前。「お待たせしました」美優が現れた。白いブラウスにデニムのスカート。髪は軽くカールして、とても可愛らしい。「美優ちゃん……」カイが見惚れる。「すごく可愛い」「ありがとうございます」美優が頬を染める。「カイ君も素敵です」二人は映画館に向かうことにしていた。「今日の映画、楽しみですね」「ああ。話題の恋愛映画だよな」「はい。原作も読んだんですが、すごく良かったです」「そうなんだ」映画館に着くと、チケットを購入して中に入る。「ポップコーン買いますか?」「うん、お願い」二人でポップコーンとドリンクを買って、スクリーンに入る。「良い席取れたな」「本当ですね」映画が始まると、二人は画面に集中した。感動的なシーンでは、美優の目に涙が浮かぶ。「美優ちゃん……」カイがそっとハンカチを渡す。「ありがとうございます」映画が終わって、外に出る。「良い映画でしたね」美優が目を輝かせて言う。「ああ」カイも頷く。「最後のシーン、感動したな」「私も泣いちゃいました」「可愛かったよ」「カイ君……」二人は近くのカフェに入った。「何注文する?」「私、カフェラテにします」「俺はアイスコーヒーで」注文を済ませて、席に座る。「ねえ、カイ君」美優が真剣な顔で言う。「はい?」「大学生活、どうですか?」「楽しいよ。美優ちゃんと同じ大学に来れて良かった」「私もです」美優が微笑む。「カイ君がいると、毎日が楽しくて」「俺もだよ」カイが美優の手を握る。「これからも、ずっと一緒にいたい」「はい」美優が頷く。「私も、カイ君とずっと一緒にいたいです」二人は見つ
last updateLast Updated : 2025-10-22
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総一とリリムの特別な夜♡愛が深まる二人だけの時間

六月の金曜日。大学の授業が終わり、週末を迎えた。「今週も疲れたわね」リリムが伸びをする。「そうだな」総一も頷く。「心理学の課題、結構大変だった」「でも、楽しいわよね」「ああ」二人で神崎研究所に帰る道を歩く。「ねえ、総一」「ん?」「今夜、特別な夜にしない?」リリムが意味深に微笑む。「特別な夜?」「そうよ。二人だけの時間」「……何を企んでるんだ」「企んでないわよ」リリムが総一の腕に抱きつく。「ただ、たまには二人でゆっくり過ごしたいなって」「まあ、確かに最近忙しかったからな」「でしょ?」神崎研究所に着くと、ヴェルダが出迎えてくれた。「お帰りなさい」「ただいま」「今夜は特別なディナーを用意しました」「特別なディナー?」総一が驚く。「はい。リリムさんからのリクエストです」「リリム……」「ふふふ♡」リリムが得意げに笑う。「今夜は二人きりで、特別なディナーなの」「二人きり?」「そうよ。ヴェルダさんたちも外出するって」「え?」ヴェルダが微笑む。「今夜は神崎さんとエリスさんと、映画を見に行くことにしました」「そうなんですか……」「二人でゆっくり過ごしてください」「ありがとうございます」夕方、研究所の住人たちが次々と外出していった。「じゃあ、行ってきます」「楽しんできてください」静かになった研究所。
last updateLast Updated : 2025-10-23
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新たな脅威!契約システムを揺るがす存在の出現

大学四年の秋。総一とリリムは、もうすぐ卒業を迎えようとしていた。「あと半年で卒業か……」朝、神崎研究所で総一が呟く。「早いわね」リリムも感慨深げだ。「大学生活、楽しかったわ」「ああ」「卒業したら、本当に結婚するのよね?」「当然だ」総一がリリムの手を握る。「約束しただろ」「うん♡」幸せな朝のひととき。でも、その平和は長くは続かなかった。「緊急事態です」ヴェルダが慌てて入ってくる。「地獄から連絡が」「地獄から?」「はい。契約システムに異常が発生しているとのことです」「契約システムに異常?」リリムが驚く。「どういうこと?」「詳細は不明ですが、すぐに来てほしいとのことです」神崎研究所のリビングに、メンバーが集まった。総一、リリム、ヴェルダ、神崎、セラフィーネ、エリス。「状況を説明します」ヴェルダがモニターを起動する。画面には、地獄の契約システムの図が表示されている。「現在、契約システム全体に不具合が発生しています」「不具合?」「はい。契約が勝手に解除されたり、逆に強制的に成立したり……」「それって、すごく危険じゃない」リリムが心配そうに言う。「ええ。このままでは、人間界にも影響が出ます」その時、突然空間が歪んだ。「何?」黒い裂け目から、一人の人物が現れた。黒いローブに身を包み、顔は仮面で隠されている。「久しぶりだな、リリム」低い声が響く。「あなたは……」リリムが驚愕する。「まさか、イストリア?」「正解だ」仮面の男が笑う。「イストリアって誰だ?」総一が聞く。「かつて地獄と天界の両方で最高位契約者と呼ばれた存在よ」リリムが震える声で答える。「でも、千年前に死んだはず……」「死んだ? いや、ただ次元の狭間に隠れていただけだ」イストリアが続ける。「そして今、戻ってきた。この世界を変えるために」「世界を変える?」「そうだ。既存の契約システムは欠陥だらけだ」イストリアが手を広げる。「感情に左右され、不公平で、非効率的だ」「だから?」「だから、私が新しいシステムを構築する」「新しいシステム?」「すべての願いが自動的に叶う世界だ」イストリアの言葉に、全員が息を呑む。「すべての願いが叶うって……」「そうだ。願いさえあれば、契約も代償も必要ない」「そんなこと、でき
last updateLast Updated : 2025-10-24
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最終決戦前夜!仲間たちとの絆と愛の誓い

イストリアの宣戦布告から六日。明日、ついに決戦の日を迎える。「みんな、集まってくれてありがとう」夜、神崎研究所のリビングに全員が集まっていた。総一、リリム、カイ、美優、麗奈、高橋、ヴェルダ、神崎、セラフィーネ、エリス。この数年間、共に戦ってきた仲間たちだ。「明日、イストリアとの最終決戦が始まる」総一が真剣な顔で言う。「正直、勝てる保証はない」「でも……」リリムが続ける。「わたしたちは負けるわけにはいかない」「そうだな」カイが頷く。「この街の人たち、みんなを守らなきゃ」「俺たちにできることは?」高橋が聞く。「戦闘は総一とリリムに任せる」ヴェルダが答える。「あなたたちには、街の人々を避難させてほしい」「避難?」「ええ。戦いが始まれば、街は戦場になる」「分かりました」麗奈が決意を固める。「私たちにできることをやります」「ありがとう」総一が感謝する。「みんながいてくれて、本当に心強い」「当たり前だろ」カイが笑う。「俺たち、仲間じゃないか」「そうね」美優も微笑む。「ずっと一緒に戦ってきたんですから」「一緒に……」総一が呟く。「そうだな。一人じゃない」「もちろんよ」リリムが総一の手を握る。「わたしたちには、こんなに素敵な仲間がいるんだから」その夜、総一は一人で屋上にいた。「明日か……」星空を見上げながら、これまでのことを思い返す。リリムとの出会い。様々な敵との戦い。仲間たちとの絆。そして、リリムへの愛。「絶対に守ってみせる」総一が決意を新たにする。「この世界も、リリムも」「総一」背後から声がする。振り返ると、リリムが立っていた。「どうした?」「一人で考え込んでるでしょ」リリムが隣に座る。「分かるのよ、あなたのこと」「そうか」「心配してるんでしょ?」「ああ」総一が正直に答える。「明日、本当に勝てるのかって」「大丈夫よ」リリムが総一を抱きしめる。「わたしたちには、愛があるもの」「愛……」「そうよ。愛は何よりも強い力なの」「でも、イストリアは強すぎる」「強くても、わたしたちの愛には敵わないわ」リリムが総一を見つめる。「信じて。わたしたちの絆を」「ああ」総一がリリムを抱き返す。「信じるよ。お前となら、何でもできる」「ありがとう」二人は静
last updateLast Updated : 2025-10-25
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