Semua Bab 君にだけは言えない言葉: Bab 111 - Bab 120

125 Bab

気持ちが知りたい 03

 河原が、妬い……てる?  いつかのそれより、明確に。 付き合い始めて間もない頃、河原の元彼女である塔子さんに言われた言葉を思い出す。  河原は、妬かない――。  それに対し、俺は知ってますと答えながらも、その実ちょっとだけ優越感を覚えていた。  だって河原は、俺にはそれらしい態度を見せたことがあったからだ。付き合う前に一度だけとは言え、「見城に、俺をとられたくないと思った」というようなことを口にしたことがある。  本人にその自覚があるかどうかは怪しかったが、あれは確かに嫉妬だったはずだ。 いまだ俺との付き合いにどこか慣れない河原が、色々と迷いを見せるのは珍しいことではなかった。おそらくは、まだどこか相手が男なら大丈夫だという気持ちがあるのだろう。かえって相手が女である方が――俺は女には興味ねぇって言ってんのに――真剣に心配してくれそうな気がするくらいだ。 ――と、まぁ、そんな状況で、「暮科……や、ったの? ――将人さんと」 まさか河原の口から、そんな言葉が出てくるなんて、夢にも思わない。 ……妬いてるどころの話じゃねぇじゃねぇか。 その瞬間、俺はバカみたいに浮かれていた自分を消し去りたくなった。 妬いてくれているのは確かだった。それは本人も自覚しているらしい。  だけど、どうした。なんでいきなりそんな突き抜けた――。「……なんでいまそんな話になるんだよ」 束の間閉口した俺は、辛うじてそれだけ言うと、逃げるように傍らの缶ビールへと手を伸ばす。  けれども、そのまま数口嚥下してみたそれは――いつも好んで飲んでいるものなのに――味なんてほとんどしなかった。 ギシ、と再びベッドの軋む音がする。  かと思うと、視界に河原の手が伸びてきた。その手は俺が持っていた缶ビールを取り上げて、無言のままテーブルに戻す。「かわは――」 今までにない空気感に、少しだけ鼓動が逸る。  探るようにゆっくり振り返ると、次の瞬間、目の前の景色が反転した。「……っ」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-20
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気持ちが知りたい 04

「河原」 再度名を呼び、そのまま起き上がろうとする。 けれども、それは河原が許してくれなかった。「暮科……」 呼気だけのような声で名を呼びながら、河原は片手で俺の肩を押さえ、ベッドの上へと縫い止める。 河原は俺をまっすぐ見下ろしたまま、一度ゆっくり瞬くと、やがて誘われるように顔を近づけてきた。「かわは――」 今にもキスしそうな距離になり、俺はとっさに息を詰めた。詰めたものの――。「……木崎が」「は……?」 結果として唇が触れ合うことはなく、次の瞬間、河原は俺の胸へと顔を伏せていた。 なん、なんだよ……。 拍子抜けした俺は、ややして密やかに息をつき、仕方ないように河原の頭をそっと撫でた。「……で、木崎がなんだって?」 促すと、河原は顔を横向け、俺の胸に耳を当てるようにしながら僅かに頷く。「木崎が……。木崎が、自分も男と寝れるって言った」 ややして落とされたその言葉に、俺はまたしても絶句した。 そこに追い打ちをかけるように、河原は呟いた。「暮科、心臓の音、はやい……」 ――誰のせいだよ。 俺は目眩のようなものを感じて、一旦目を閉じた。 木崎のヤツ、よりによって、なんでこのタイミングで……。 思いながらも、ひとまず今は河原への言葉を探す。どう言うべきか迷ったが、結局浮かんだままを口にした。「木崎が誰と寝れようが……俺は木崎とは寝れねぇよ」「……将人さん、とも?」「当たり前だろ。つか、あいつが一番ねぇよ」 河原の頭を、宥めるように何度も撫でる。ふわふわとした髪質を確かめるように指で梳かしながら、そっと目を開け、様子を
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-21
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お前に触れたい 01

「……っわ!」 不意を突くようにして体勢を入れ替え、待ちかねたように河原をシーツの上に押し倒す。驚いた河原は目を瞠り、戸惑いもあらわに俺を見上げてきたけれど、構わず俺はその唇をふさいだ。 風邪、うつすかもしれねぇし。今夜はマジでなしかなと、思ったりもしたけれど、やっぱさっきの今で、一緒のベッドの上にいて、それでも何もしねぇとかは無理な話で、「暮、し……っ、んん……!」 もし体調崩したらそうなったで今度は俺が看病してやると心の中で思いながら、俺は一方的に口付けを深めた。  歯列を割って舌先を挿し入れ、反射的に逃げようとする河原のそれを柔らかく絡め取る。側面を擦り合わせつつ緩急を付けて甘噛みし、不意打ちのように唾液ごと啜《すす》り上げれば、「ん、――っ……!」 河原は切羽詰まったように呼気を震わせ、俺の服をぎゅっと掴んできた。  戸惑いもあらわなその様子に、「ちょっと待って」という声が聞こえてくるようだった。それに気付かないふりをして、俺はなおも口付ける。  片手を顎に添え、逃げられないよう固定して、呼吸すら阻むように何度も何度も唇を食んだ。河原の睫毛が震えるのを間近に見ながら、舌の根にできた水たまりをあえて音を立てて撹拌する。  飲み込み損ねた雫が隙間から伝い落ちれば、それを辿るように首筋へと指を這わせる。「は……っぁ……」 そうして、ようやく唇を離した頃には、河原の息はすっかり上がりきっていた。俺の服を握っていた手にも、もうほとんど力が入っていない。俺はその手を、その指先を絡めると、そっとシーツの上へと縫い止めた。「――…っ」 片手を頭の脇で押さえられたまま、河原は忙しなく胸を上下させる。茫洋と見つめてくる眼差しが、揺蕩《たゆた》うように揺れていた。熱を帯びて蕩けるように滲んだそれは、ただゆっくりと瞬くだけで、いっそう俺を高揚させた。「え……っ、待って。暮科、これ……」 河原に着せたばかりの俺の服を、俺の手で脱がしていく。それが思いの外俺を昂ぶらせ、だからというわけではないが、今日はそこに少しだけ悪戯を――。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-22
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お前に触れたい 02

「は、ぁ……待っ……」 不規則に漏らされる吐息を聞きながら、中心の尖りには触れず、じらすように周囲に何度も円を描く。  そのくせ、もう一方には不意打ちのように舌を這わせた。「んぁっ……!」 びくんと河原の上体が跳ねる。言われるまま頭上に置かれている手がぎゅっと握り込まれる。  それを上目に見遣りながら、口付けた突起の先端をざらりと舐める。舌先で転がし、擽るように弾くと、たちまち応えるように育っていく。つんと凝ったそれを埋めるように押し潰し、かと思うとじゅっと音を立てて吸い上げる。「あぁっ、ぁ、んん……っ」 河原はびくびくと身体を震わせ、上擦った嬌声を響かせた。  目隠しされているせいなのか、河原のその反応はいつもより顕著な気がして、俺は試すようにいっそう突起を躙る。もったい付けるように触れないでいたもう一方も、隙を突くようにしてきゅっと摘み上げた。「ぃ、んっ――、んぁ、あ……!」 声を堪えようと唇を引き結ぶのに、結局堪えきれずにあふれる声が俺の耳を衝く。  河原がどうしてもと言うから、腰から下は上掛けに隠れている。けれども、例え見なくともそれがどうなっていかはわかる。河原のそれはすでにしっかり張り詰めている。「河原……これ」 「ん……ぁっ」 囁きながら、示唆するように重ねた腰をより密着させる。試すように軽く揺さぶってみれば、嫌でも俺の反応も伝わったのか、とっさに河原が息を詰めたのがわかった。「いつもより……感じてるよな、お前――」 一方の突起をゆるゆると撫でつけながら、目隠しされた顔の傍でそっと囁く。  その声にすら河原はかすかに肩を震わせて、小さく喉を鳴らす。それからおずおずと口を開く。「かっ……感じ、ない、とは……言わない、けど……っ」 「けど……?」 そこは素直なんだな、と密やかに笑みを滲ませつつ、俺は一旦手を止める。  下半身は相変わらず不自然に押し付けたままで、それが河原の言葉を揺らしているのは分かっていた。分かっていて俺はそれをやめない。「
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-23
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お前に触れたい 03

「わ……っ、あ……!」 片足だけとは言え、折るように持ち上げ、そのまま横へと倒せばその中心は完全に露出する。 それがどうにも恥ずかしいらしく、布団の中に在ってなお、河原はとっさに脚を閉じようする。 ――別にこれが初めてってわけでもねぇのに。初めて肌を重ねた時なんて、夜でもなければ、ベッドの上ですらなかったのに。 ……まぁ、あれは勢いもあったからかもしれねぇが。 数年かかって、ようやく気持ちが通じ合って、そのせいかこれ以上ないくらいテンションが上がってて。  そりゃ河原は男は初めてだったから、よく分からないままにって感じもあったのかもしれないけど、それにしたってつべこべいわずに受け入れてくれた記憶がある。  俺がいいように覚えてるだけかもしれねぇけど。 思いながらも、俺は一切手を緩めなかった。 河原の膝を押さえたまま、覆い被さるように身体を重ねる。顔を寄せると鼻先が触れ合いそうな距離で河原の顔を見下ろして、「ごちゃごちゃ言ってると布団取るからな。電気も全部つける」 間近となった唇に、吐息が掠めるままにそう落とす。河原は瞠目し、ふるふると首を振った。「っそ、れはだめ、いやだ、無理」  そこそんなはっきり言うのかよ。 つーかこっちはもう、お前の身体なんてどこもかしこも見まくってんのに。残念ながら見てねぇとこなんか一つもねぇよ。「往生際の悪いやつだな」 思わず苦笑混じりに嘆息した俺に、河原は念を押すように何度も頭を振った。そこはどうしても譲れないらしい。「仕方ねぇな……」 譲歩してやる感をあえて隠さずため息をついても、河原はただ素直にほっとしたような表情を浮かべるだけだった。 まぁ、ある意味仕方ないとも思うのだ。  なんせ相手がこの天然ストレート――もともと普通の恋愛……どころか、人付き合いすら苦手なこいつが、いきなり色々とすっとばして全てを俺に合わせるなんて、できるわけないんだから。 だから、いまはまだゆっくりでいい。  ゆっくりでいい
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-24
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お前に触れたい 04

 俺は一旦胸から顔を浮かせると、身体の位置を下へとずらした。臍から下腹部へと辿り、刹那にはなんの前置きもなく、手の中に収めていたその先端へと唇を被せた。「ひぁ、ん……っ、――!」 河原の口から、悲鳴染みた嬌声が漏れる。  僅かに散った飛沫に白濁が混ざる。構わず舌先で先端を躙ればますますそれが溢れてくる。「あぁっ、ぁ……!」 ひときわ嵩を増したそれを喉奥へとこわえこむ。ゆるゆると頭を上下させながら、他方の手を頭上へと伸ばす。指先が触れた胸の突起をぴんと爪弾き、いたずらに摘み上げる。「っ! ぅ、んんっ、ん……!」 河原の身体が、シーツの上で大きく波打つ。  けれども、そのわりに聞こえてくる声が小さくなっていた。 怪訝に思って上目に見遣れば、河原は自分で自分の口を塞いでいた。俺が半ば布団に潜るような格好になっているのをいいことに、いつの間にか掻き寄せた枕の端を口元に押し当て、それで声を抑えていたのだ。「お前……」 顔を上げると、唇から伸びた銀糸がふつりと途切れる。  塗れた口元を舐めながら、河原のそんな姿に目を細めた。 まだ分からないんだろうか。そう言う態度は俺を煽るだけだって。  そのたび、まんまと煽られている俺も俺ではあるけれど。「……分かった」 「――えっ……あ! わ……!」 一拍後、俺はばさりと布団を払いのけた。  次には河原の身体をうつ伏せにさせて、そのまま背中に覆い被さる。抗議する暇なんて与えない。  河原は何が起こったのかわからないという表情で固まっていた。「これならいいだろ」 その耳元に、息を吹きかけるようにしながら囁いた。  河原ははっとしたように枕に顔を埋め、ふるふると僅かに首を横に振った。「だってお前が見せたくないのって……」 十中八九、身体――主にアレのの反応と、その表情だろ。「……ぜ、全部、……やだ」 「……やだって」 それはそれで反則だっての。  
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-25
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お前に触れたい 05

 河原の口端から苦しげな吐息が漏れる。溢れて滴り落ちた唾液が、シーツにいくつもの染みを作る。それでもすぐには解放してやらず――どころか、俺はより即物的に手のひらを動かし、河原を追い上げていく。「っん、ぅ……っ、んん――っ!」 河原の身体がびくびくと強張り、堪えきれないとばかりに指へと歯が立てられる。痛みはあるが、それはそれで悪くない。  一拍後、河原は俺の手の中で吐精する。「……っ、……!!」 「河原……」 早くお前の中に挿りたい――。  沸き上がる気持ちをどうにか押しとどめ、俺は残滓を絞り出すように緩やかに手を動かした。  小刻みに腰を震わせる河原を見下ろしながら、ようやくその口内から指を抜く。口元から伸びた銀糸がふつりと途切れ、河原の唇をいっそう艶めかせた。「は、ぁ……っ」 無意識に呼吸を整えようとする河原は、忙しなく肩を上下させていた。  まるで一仕事終えたかのようなその様相に、俺は無言で目を眇める。 束の間の休憩――。 なんて。  ――させてやらねぇよ?「あっ、待……っ」 俺は重ねていた身体を浮かせると、河原の腰を無言で引き上げた。  達した余韻の中、戸惑う河原をよそに再び屹立に指を絡めると、敏感な先端をめくるようにしながらその反応を確かめる。開かせた先から新たな雫が溢れれば、それを掻き出すように亀裂を爪先で弾く。そのくせ、他方の手は焦らすように、ただ膝裏から太腿へと淡く粟立つ肌を撫で上げていくだけだ。「ぃっ……ん、あぁ……っ」 河原の腰が不規則に揺れる。一方でくすぐったいように下肢が震えている。漏らしそうになる声を隠すように、河原はまた枕へと顔を伏せる。「ん……っぅ、――っ」 だから、声、聞かせろっての。 押し殺される声に目を眇めながら、俺は一旦下腹部から手を退いた。その指を今度は谷間へと滑らせる。濡れた指先はするりと奥まで入り込み、ゆるゆると往復させる動きの中で、まもなくひくつく窪みを探り当てた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-26
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お前に触れたい 06

 続けざまに達したせいで、その量は少ない。それがまた可愛いと思いながら、俺はずるりと指を引き抜いた。「……、ぁ……」 河原は幾分ほっとしたように脱力する。  けれども、そこで待ってはやらない。俺は濡れた谷間を開くなり、自身の先端をそこに宛がった。「え……っあ、あぁっ……!」 そのまま一気に貫いていくと、河原はしなやかに仰け反った。逃げるように身動ぐ腰を追って体を密着させる。  ほとんど俯せ寝のまま開いていくそこは、いつもよりずっと狭く感じられた。「河原、……」 痛いくらいに締め付けてくる隘路を割り開きながら、着実に繋がりを深くしていく。  そうして、一度も止まることなく最奥を突き上げると、「ぃ、んっ――!」 その瞬間、河原は息を詰めるようにして、びくびくと腰を震わせた。内壁がきゅうっと引き絞られる。いっそう奥へと引き込むみたいに、蠢く襞が絡みついてきた。 ややして、ふっと弛緩した河原の身体がシーツに沈む。その肩が、背中が、俺の下で余韻に苛まれるように小さく戦慄いていた。「挿れただけで達ったの、お前――…」 確かめるよう、河原の下腹部に触れる。ちゃんと吐精している。伴って濡れたシーツも河原の腹もどろどろになっていた。 あぁもう……、マジ無理。 残滓まで絞り出すように、絡めた指を上下させる。するとたまらないみたいにを河原は首を振る。「待……っいま、あ……!」 制止を無視して、俺は不意打ちのように腰を揺らす。埋め込んでいたそれをゆっくり引いては、それが抜けるか抜けないかのところで、胎内へと押し戻す。  一息に最奥まで貫けば、拒むみたいに内壁が締まる。達した直後で過敏になっている身体ががくがくと震えていた。 わかるぜ。このままされるの辛いよな。辛いけど……悪くはねぇよな。 俺は追い討ちをかけるように胎内をかき混ぜる。浅く深く抽挿し、一方的にその身体を揺さぶった。「あ、ぁ、くれし……っ待……
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-27
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話をしようか 01

 触れ合う全ての場所から、河原の鼓動が伝わってくるような気がする。同じように、俺の鼓動も伝わっているのだろうか。  だとしたらそれはそれで恥ずかしい――と思いながら、そのくせどこか擽ったいようにも感じている自分がなんだか滑稽だった。 俺は軽く意識を飛ばした河原の髪にキスを落とすと、名残惜しくも身体を起こし、下着一枚の姿でベッドサイドへと足を下ろす。  ベッドが軋むのに合わせて、河原の呼気がかすかに揺れた。ややして伏せられていた睫毛がぴくりと震え、気怠げに瞼が引き上げ足られる。「そのまま寝てろよ」 俺は横目に笑みを滲ませながら、サイドテーブルへと手を伸ばす。そこには俺の愛煙する煙草と、百円ライターが置いてあった。  けれども、河原はそのまま目を閉じることはせず、思い出したように下半身のみ覆っていた――俺が被せておいた――布団に手をかけた。「……なにやってんだよ」 俺の声など聞こえないみたいに、ずるずるとそれが引き上げられていく。「河原」 そうして、まるで俺から隠れたいみたいに、顔――どころか、終には頭まですっぽりと上掛けで覆ってしまった河原は、そこでようやくもごもごと答えた。「は……恥ずかしいって言っただろ……っ」    俺は咥え煙草の先にライターを構えた。構えたものの、「お前な……」と思わずその手を下ろし、布団の上から顔を寄せた。「それ……誘ってんの」 からかうように囁くと、ふるふると見え隠れする毛先が左右に揺れた。「なんでそうなるんだよ――…」というくぐもった声と共に。 ――まぁ、分かってたけど。  ただその反応が見たくて言ってみただけで。「あのな……いままで何回ヤったと思ってんだよ。俺と」 姿勢を戻し、堪えきれず小さく肩を揺らすと、振動が伝わったのか少しだけ不服そうな目元をちらと布団から覗かせて、「だってお前……する側ならともかく、される側なんて……」 「……は?」「だからっ……、す、する側ならともかく、される側なんて、
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-28
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話をしようか 02

「ってぇな……なんだよ、いったい」 「なんだよじゃないだろ。なんで無視するんだよ、俺のこと」 「無視?」 俺が? 河原を?「無視なんてしてねぇよ」 心外とばかりに言い返すと、河原は仕方ないように息を吐いた。「何一人で考えてんだよ」 ややしてそう告げた河原の声は柔らかい。  どこか軽口めいたそれに、けれども俺はきわめて真面目に答える。「いや、だから……。もしお前が、どうしてもって言うなら、って……」 「なんの話?」 「なんの話って……」 すると河原は不意に破顔した。「誰もそんなこと言ってないだろ」 そして俺の足下の煙草を拾い上げながら、更に小さく肩を揺らす。「あー、でも、もし逆に……暮科が俺にって望むなら……」 独り言のように呟きながら、河原は改めて俺を見る。  窺うように向けられる視線を遮るように、俺は「いや」と食い気味に被せ、誤魔化すように口元に手を当てた。くわえている煙草に指を添えるつもりで。そこにはいま何もないのに。 というか、そもそもそれが河原の手の中にあるのははっきり見えているのに、なのにそんな行動をとるなんて――。「マジねぇわ、俺……」 恥ずかしすぎて死にそうだ。穴があったら入りたい――どころか、もはやその穴ごと生き埋めにしてほしい。  声にならない声でこぼした俺に、河原はなんでもないように笑う。それがまた居た堪れなかった。「別にさ、俺、いけると思うんだよ。暮科のこと……可愛いって思うこともよくあるし」 河原は持っていた煙草の端を軽く拭うと、凍り付いたように固まっていた俺の口元にそれを寄せた。条件反射的にそれをくわえはしたものの、俺はますます動けなくなる。河原の方がよほど平然として見える分、よけいに気恥ずかしさが増した。「でも、気持ちはそうでも、実際にってなると、まだ――」 「い……っや、いい。大丈夫。俺は全然、現状で十分満足してるし」 とは言え、これ以上変な空気になるのは堪
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-29
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