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Todos los capítulos de 君にだけは言えない言葉: Capítulo 131 - Capítulo 133

133 Capítulos

たまにはそんな日も04

「待ち合わせにまだ誰も来ていないって分かったとき、英理、ちょっとどきどきしたよね……?」 中空に取り残された自分の手をさみしげに見詰めながら、見城がちらりと河原を見る。河原が「う、うん」と小さく頷けば、その視線はまた俺へと戻ってくる。「ほら。俺がいて良かっただろ……?」 かと思うと、次にはにっこり微笑んで、ぱちりとウィンクまで寄越してきた。  その瞬間、俺の手の中から、改めて構え直していたライターが滑り落ちる。カツンと硬質な音を響かせ、天板の上で小さく跳ねたそれを尻目に、見城はおもむろに手を下ろし、「冗談だよ。別に感謝してほしくてやったことじゃない」 言いながら、目の前のワイングラスをゆっくり傾けた。 ――やられたと思った。そうだ。こいつはこんなやつだった。  それにまんまと振り回されてしまった自分に心底辟易する。「暮科、ライター」 そこに横から手が伸びてくる。河原が足下まで落ちたライターを拾って、俺に差し出してきたのだ。  もう一方の手には、残り少なくなっていた自分のグラスが握られている。続けざま、それを目の前で一気に空にして、河原はぷはっと嬉しそうに息を吐いた。「二人が楽しそうで俺も嬉しい」 お前の目はどうなってんだ。  口をつきそうになった言葉を飲み込み、俺は口端をかすかに引き攣らせる。  河原はあくまでもふわふわとした笑みを浮かべて、勝手にうんうんと頷いていた。 ライターを受け取り、咥えていた煙草も一旦手元に戻した俺は、遅ればせながらも自分もグラスを手に取った。 ……マジで仲良くしてほしいんだな、見城と……。 そう思い知らされたところで、苦笑するしかない。  いや、ここはもう飲むしかないのかと思った俺は、無言でそれ――河原と同じ生ビール――に口を付け、そのまま一気に中身を飲み干した。「あー、いい飲みっぷりだね。――次こそはもっとゆっくり飲みたいな」 「……次?」「ああ、残念だけど、そろそろ時間なんだ。沙耶たちにも伝え
last updateÚltima actualización : 2025-12-10
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たまにはそんな日も05

「なんだったんだよ。木崎のメッセージもわけわかんねぇし……」 「あっ! あ、そうだ、ほんとすみません! 俺のせいなんです、こんな時間になってしまったの……っ」 するとぱちりと瞬いた木崎の横で、透が弾かれたように背筋を伸ばし、天板に頭突きしそうな勢いで頭を下げた。「別に透くんが悪いわけじゃないでしょ。仕方ないよ、学校の用事が急に入ったんだから」 木崎はそんな透の背中にぽんと触れ、身体を起こさせると、にっこり笑ってそう続けた。「で、でも、やっぱり俺のせいで」 「大丈夫大丈夫。そういう理由で遅れたことを責めるような二人じゃないよ。――ね、河原。暮科?」 透を宥めるように言ったあと、向けられた笑顔にはなんとも言えない圧を感じた。  それに気付かない河原は、ただうんうんと頷き、「お疲れ様」と素直に労う。 マジどんだけお人好しなのか。  違うだろ。どう考えても木崎のこの笑顔は何か隠してるだろ。「別に怒ってるわけじゃねぇよ」 運ばれてきた飲み物がテーブルに並べられ、店員が去った後、俺は引き寄せた灰皿に灰を弾きながらため息をついた。「あーもう、その態度が怖いんじゃん。顔も怖い。透くんだって何も好きで遅れたわけじゃ――」 「悪かったな。顔は生まれつきだよ」 被せるように言うと、隣で河原が笑い出した。「いやお前もそこ笑うとこじゃねぇだろ」 自分のグラスに手を添えながら、なおも肩を揺らしている河原に思わず力が抜ける。  自然と空気が和み、透の表情からも強張りが解けていく。そこで仕切り直しのように軽く乾杯をして、三人が同時にグラスを呷る。それに遅れること数秒、俺も諦めたようにグラスに口をつけた。「ていうか、透くん、結局午後も学校だったんだな。何時までいたんだ?」 おそらくもう、木崎からしてみればその話には触れて欲しくなかったのではないかと思う。  だけど相手は河原だ。河原はまるで気にするふうもなく、不意にできた一瞬の隙を穏やかに突いてくる。 そしてそ
last updateÚltima actualización : 2025-12-11
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たまにはそんな日も06

「学校の用事だから仕方ない……? 何が透が悪いわけじゃないだ……?」 反芻するように独りごちると、ややして木崎が開き直ったように「えへへ」と笑った。「や、だってさ……ここんとこ透くん、ほんと学校忙しくて……なかなかそう言う時間が……」 「何がそう言う時間だ」 被せるように言えば、気恥ずかしいみたいにあざとく自分の頬に触れ、ぺろりと舌を覗かせてくる。「だからって、ちゃんと時間には間に合うように出るつもりだったんだよ?」 20分あればいけるかなって思ってたし。  と、早口で添えられた言葉も俺は聞き逃さなかった。(何が20分あればだ……) そのあまりの反応に、俺は無意識にこめかみを押さえる。短くなった煙草を灰皿に押し付け、当て付けるようにため息をついた。  お前のその身勝手な遅刻のせいで、こっちがどれだけ面倒な事態になっていたと……。その詳細をぶちまけられない分余計に腹が立つ。「それならそれで最初から家で大人しくしてろよ」 「それとこれとは話が別だよ!」 聞くも半ばに、俺はビールを呷る。張り合うみたいに、木崎も自分のカクテルを飲み干した。  そんな俺と木崎の横で、少々ぽかんとしながらも、河原と透もグラスを傾ける。二人が意外と平然としているのは、もしかしたらまたいつものことだとでも思っているからかもしれない。「こんなふうに四人そろうのって久々だしさ? 俺だってほんと楽しみにしてたんだから――ね、河原?」 空にしたグラスを天板に置いた木崎が、突然河原に水を向ける。ちょうどビールを口に含んだところだったらしい河原は、飲み込むタイミングを逸して一瞬息を詰まらせた。  数回咳き込み、それから「うん、俺も楽しみにしてたよ」と涙目で答えた河原の背中を、俺は「大丈夫かよ」と何度かさすってやる。 木崎が「ごめんね」と若干気まずそうに手を合わせる横で、透が慌てて紙ナプキンを差し出した。河原はそれを受け取り、口元を拭いながら「平気平気」と笑った。ややして俺が背中に添えていた手を下ろすと、各々ほっとしたように息をつく。
last updateÚltima actualización : 2025-12-12
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