自分で自分が、分からなくなりそうだ。「……暮、科」 俺は縋るように暮科の名を呼んだ。 すると暮科の動きが一瞬止まり、けれどもその直後にはまた手が動き、今度は両腕が胸の前で交差される。俺の身体を強く抱き込むように、その腕に力を込めながら、指先が双方の突起に触れてくる。 それに合わせて必然と深くなっていく繋がりが、相乗して痛みだけではない感覚を内側から引き出してきて、「あぁ、や、ぁ、ああ……っ」 ゆっくりと貫かれ、最奥を探るように抽挿されると、抑えきれない嬌声があふれてしまう。 堪えきれない嬌声がどこか他人事のように耳に響く。上気した肌は汗ばんで、窓ガラスは俺の前だけ曇っていた。 少し前まで、自分が誰かに抱かれるなんて考えたこともなかったのに、今ではそれが当たり前みたいになっている。それがちょっと恥ずかしい。 まだ慣れないというのもあるけれど、特にその、あまり人に見せたことのない場所をさらしてしまうことや、この、思いがけず口をついてしまう、高い声、が……やっぱり、もう少しどうにかならないのかなと、思ってしまうのだ。「河原……なぁ、お前さ」 と、襟足にかかる髪を掻き分けるようにして項に口付けていた暮科が、呟くように口を開く。知らず閉じていた目を開け、俺は背中に感じるその温もりに意識を向ける。 不意に止められた律動に、身体が勝手に小さく震えた。「あ……ぁ、な、に……?」 掠れた声で、辛うじてそう返すと、暮科はひときわぎゅっと俺を抱きしめてきた。「俺だから、なのか……?」 「え……?」 「……お前、相手が俺だから……そうやって流されんの……?」 それは思いがけない言葉だった。 問うようでありながら、そのくせどこか独り言めいた不安そうな声。更には答えは欲しくないとでも言うように頭が左右に小さく振られる。「どういう……意味、だよ……?」 俺は僅かに瞠目する。暮科は俺の肩に顔を伏せ、そのままじっと動かなくなった。「暮科……?」 振り返ろうに
Last Updated : 2025-10-21 Read more