翌日二十時二十分。 彩が駅に到着すると、既に蓮は到着していた。「ごめん、二十時半って言ったけど、案外今日は掃除とかもすぐ終わっちゃってさ」「いいよ別に」「すぐそこにさ、安くて個室ある店があるんだよ。予約してあるけど……大丈夫か ? 和食だし、野菜はあると思うよ」「ああ。構わない。 気を使わせてしまったな。偏食は良くないって分かってはいるんだけど」 二人雑踏の中を歩く。 蓮は流石に目立つが一応、申し訳程度にサングラスを着用。 彩は白い服に白い肌。脱色し過ぎにし過ぎた白銀の髪に幸薄い顔に隈。元々存在感はない。 誰にも気付かれず無事到着。個室は座敷で、注文はタッチパネル。サーブはノックと共に襖が開き、最低限の人員で手早く配膳される。 野菜多めの鍋とサラダ、ドリンク、蓮はグラスワインを注文。 しばらく鍋をつつく。 彩がホームレスの時の霧香の子守りがキツかったとか、血はどうしてたかで盛り上がり、真理と和解して楽団とは良い別れ方が出来た事など……色々だ。 アイテールの生配信と、ディー · ニグラムというヒールのおかげか、メンバーが纏まって来たような気がする。特に恵也と希星が潤滑油になっている。 だがしかし。 個人的に見れば、それは違う。 今日だって、彩と蓮。二人きりで外食と言うのは初めてな訳で。全く全員フレンドリーとは言いきれない。やっとプライベートで行動するようになった……という訳だ。「でも男同士の関係性ってこんなもんだよな」 蓮が何の脈絡もなく呟く。「え ? 俺に何か期待してた ? 」「いいや。と、言うか。大人な対応ってのは、時に邪魔になることもあるなって。 始めからガッツリ意見を言うべき事も多々あるよなって思ったりしたんだよね」「なんの事か、話が見えないんだけど ? 」 蓮は三杯目のワインを飲み干すと、鍋の火を少し弱める。
Last Updated : 2026-01-23 Read more