朝10時半、私の最寄り駅で待つよう専務から言われた。 この前、タクシーで送ってもらった場所だ。 役員専用車が来た。 「おはようございます」 「おはよう」 運転手さんにもご挨拶する。 「おはようございます。お休みのところ申し訳ありません」と言うと、 「いえ、本日はお仕事だとお伺いしておりますので」とおっしゃる。 ──ん? まあ、そうだけど…… と専務の方を見ると、 「うん」と頷いておられる。 「さ、乗って」 と、私にも後部座席に乗るよう言われる。 「失礼します」 「じゃあ、お願いします」と、すでに運転手さんには、場所をお伝えされているようだ。 「お願いします」 ──どこへ行くのだろう…… 前回とは違うが、また高級ホテルに到着した。 「ありがとうございます。では、連絡するまで休憩していてください。あっ、ゆっくりお食事でもされていてください」と運転手さんにチップを渡す専務。 ──日本では、チップという習慣ではなく、心付けだな 私も、 「ありがとうございました」と言って車を降りた。 私が渡すのは、失礼かなと思ったのでやめた。 そして、専務に続いてフロントへ 今日は、魚崎さんにとって、久しぶりの日本と言うこともあり、和食レストランの個室でお食事をするようだ。 ──うわぁ〜こんな高級店、自分では勿体なくて入れない。楽しみ〜 スタッフさんに、部屋へと案内される。 まだ、魚崎さんは、来られていないようだ。 ──えっ? 3人なのに、この広さ? と思うほど、広かった。 そして、ついに…… 「コンコンコン、失礼致します。お連れ様がいらっしゃいました」と女性スタッフさんの声がした。 それに続いて、入って来られたのが、 魚崎 涼さんだ! 「Hay! Shuto,how are you?」 「I was fine,Ryo! How I've missed you!」 「I missed you too」 ──また、英語だ…… と、思っていると、突然私の方を見た魚崎涼さん。 ──!! 思わず…… 「Nice to meet you. My name is Nene Igarashi……」と言うと、 「ネネさん! はじめまして、魚崎涼と申します」と言われた。 ──日本語かい! す〜ん…… 「あ、はじめ
Huling Na-update : 2025-08-27 Magbasa pa