撮影現場で、亜夕美はB班の金子と喧嘩になった。金子は若い男で、頭に血が上ると、亜夕美を突き飛ばし、軽蔑するように言った。「お前は自分が社長夫人だとでも思ってるのか、それともまだ女優賞を取った女優だとでも思ってるのか?いい気になりやがって!」亜夕美は相手に突き飛ばされてよろめいたが、体勢を立て直すと、手近にあった折りたたみ椅子を掴んで投げつけた!金子は全くの無防備で、まともに椅子を食らい、怒鳴り散らした。「くそっ!てめえ、よくも俺を殴りやがったな……」亜夕美は全く彼を恐れていなかった。小さい頃から喧嘩ばかりしており、その後映画を撮るために山中のお寺に籠って半年以上護身術を学んだ。手を出
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