よもや信行が浜野市までやって来るとは、そして自分の目の前に姿を現すとは、夢にも思っていなかった。真琴の足が止まったのを見て、信行は車のドアに腕を乗せ、ふっと笑って言った。「驚きすぎて腰が抜けたか?」真琴が反応する前に、信行は少し気だるげな声で続けた。「あれだけ何度も電話したのに、どうして一回も折り返してこないんだ?」再会してからの信行は、ひどくストレートだった。何もかも包み隠さずに言葉にし、以前のように互いの腹を探り合って無駄に勘繰るようなことはしなくなった。その問いかけに、真琴はふうっと息を吐き出し、両手をスラックスのポケットに突っ込んだ。その瞬間、泣きたいような、笑い出したいような、何とも言えない気分になった。わざわざこんな遠くまでやって来たのが、まさか電話を返さなかった理由を問い詰めるためではないだろう、と内心呆れていた。信行をしばらく見つめた後、真琴は口を開いた。「別に必要ないと思ったから、返さなかっただけよ」「……」信行は言葉を失った。真っ直ぐに見つめ返してくる真琴を見て、こんなことを聞くべきではなかったと後悔した。何しろ、あの再会以来、彼女の口から自分を喜ばせるような言葉など、一度も聞いたことがないのだ。真琴をじっと見つめたまま、信行はゆっくりと歩み寄り、身をかがめて彼女の顔の近くで言った。「お前は、どう言えば俺が怒るか、どうすれば俺が困るか、本当によく分かってるな」信行の胸を軽く押して少し距離を取ると、真琴は表情を変えずに注意した。「ここは会社の正面よ。少しは自重しなさい」真琴に突き放されると、信行は右手をポケットに戻し、話題を変えた。「朝早くから飛行機に乗ってきて、丸一日何も食ってないんだ。飯、奢ってくれ」真琴に要求を突きつけることに関しては、随分と図々しくなっていた。ただ……本当にどうしようもなく彼女に会いたくて、仕事も放り出して飛んできたのは事実だった。顔を上げて信行を見ると、その目には疲労が滲み、微かに隈もできていた。真琴はあからさまに嫌そうな顔をしたが、無下に断ることもできなかった。何しろ、二社は提携関係にあり、彼は東都からわざわざやって来たのだ。たとえビジネスの付き合いがなかったとしても、これほど長い付き合いなのだ。信行が浜野まで
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