ひんやりとした外気を纏った澪士の長い指が、無防備になった腰の隙間から滑り込んでくる。冷たい指先が滑らかな肌に密着し、下腹部を這うようにゆっくりと撫で上げられた瞬間、ミキの背筋を強烈な悪寒と戦慄が突き抜けた。だめ……っ!恐怖と焦燥に駆られ、ミキの身体は本能的に防御態勢をとった。男を突き飛ばそうと、思い切り膝を蹴り上げる。狙うのは腹部だ。しかし、澪士はあまりにも大きすぎた。モデルとして長身を誇るミキでさえ、192センチという圧倒的な体格を持つ彼を前にしては、ひどく華奢で小柄に感じてしまう。その絶望的な身長差のせいで、ミキの渾身の一撃は彼の腹部ではなく――あろうことか、男の急所へと見事にクリーンヒットしてしまった。「……ッ!」鎖骨に噛み付いていた澪士が、くぐもった短い呻き声を漏らす。ガクン、と大きな身体が沈み込み、荒々しい息遣いがミキの耳元に降りかかった。それでもなお、彼を支える太い腕はドア枠を掴んで離さず、ミキを自らの腕の中にきつく閉じ込めたままだ。襲いかかる鋭い痛みが引くのを待ってから、澪士はゆっくりと顔を上げた。端整な顔立ちにはまだ僅かに苦痛の色が残っていたが、その眼差しには――どこか背徳的で歪んだ悦びすらギラギラと蠢いていた。彼は荒い息を吐きながら、低く掠れた声で笑う。「……っ、随分と威勢がいいな。俺を不能にする気か?」こんな状況で、まだ笑うなんて!怒りで頭が沸騰しそうになったミキは、はだけた胸元を片手で必死に掻き合わせながら、もう片方の手で彼の分厚い胸板を力いっぱい押し返した。「何がおかしいのよ!?あなた、一体どうしちゃったのよ!」だが、澪士の身体は岩のようにびくともしない。ミキの力では押し退けることなど到底不可能だった。「……さっき、白彦が来ていただろう。あいつと、部屋で何をしていた?」嫉妬で理性を焼き尽くされていた男は、強烈な痛みによって、ようやくほんの少しだけ正気を取り戻したらしい。だが、その声に滲むねっとりとした執着と独占欲は、少しも薄れてなどいなかった。「まるまる二時間だぞ……!」密室での二時間。男と女が過ごすには、あまりにも長すぎる時間だ。しかも、目の前にいるミキはシャワーを浴びたばかりで、濡れた髪から水滴を落とし、火照った肌から甘い匂いを漂わせて
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