All Chapters of R18 転生して森で暮らしていたら王女様を拾いました2章: Chapter 91

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第91話 第二章 最終話——託す未来

 ユウは国王から辺境伯の爵位を授かり、エドウィンの領地と森を与えられて新たな生活を始めた。 ユウとエリー、そして幼い嫁たちは町の屋敷で賑やかに暮らし、忙しくも幸福な日々を送っている。ユウの当初の目標――森で静かに過ごすこと――からは、少しどころか大きくかけ離れてしまった。しかし、それでも幸せに過ごせているため、彼の表情は満足げだった。 エリーとユナにレイと決めていた家を大きくするならば、各自の部屋は作らずにという思いも心変わりし個人の部屋を作ることになった。 暮らしは一変し、戸惑うことも多かった。だが、俺の強み——それは、優秀な嫁たち、それに俺を慕い共に生きることを誓ってくれた者たちだ。そのお陰で何とか楽しくやっていけそうだ。 エドウィンは今もなお、過去の誓いを律儀に守り、俺の世話をしながら手伝ってくれている。魔法による契約の影響もあるのだろうが、それだけではない。忙しい中でも時間を作り、訪ねてきてくれるのだから。 屋敷の敷地は広大で、その一角にユナとノアが趣味で畑を育て、競い合っている。 もともとは肉ばかりの食生活に健康面の不安を感じ、町へ行く回数を減らすために始めた家庭菜園だった。しかし、いつしか販売を目的とするようになった。 もっとも、今では金銭的にも困ることはなく、栄養面の問題もない。すっかり趣味として楽しんでいる。 ノアの能力には本当に助けられている。彼には魔石の純度を上げる力がある。 純度を高めることで魔力が増幅し、魔道具の性能が向上するだけでなく、魔石そのものの価値も格段に上昇する。 もっとも、悪用されては困るため、市場で販売することはしていない。 ノアは普段は真面目だが、素の彼女は――少しいたずらっ子だ。ユナに隠れて、こっそりとずるをしていることもある。 俺が頼んだ魔石の純度を上げる作業をお願いした時、ノアは「野菜の生育が向上する魔石を少し分けてくれるかー?」とお願いしてきたので、渡した。 しかし、後になって分かったのは――その魔石を使った理由だった。ノアはユナと勝負をしていたらし
last updateLast Updated : 2025-11-26
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