学校から帰ってきて、すぐに自分の部屋にこもった。ノートパソコンを開いて、『Phantom Guard』のコードをいじり始める。 sophila――反町香澄社長のサーバーに侵入して、彼女の秘密を探る。最新のバージョンで、今度こそ突破してやる。 「よし……ファイアウォールの抜け道、昨日見つけたやつを使って……」 キーボードを叩く。画面にデータが流れ込んでくる。機密ファイル、ログ……そして、変なフォルダを見つけた。「Sealed Memory」って名前。封印された記憶? なんだこれ。 パスワードがかかってるけど、僕のアプリでクラック。開くと、中に古いプログラムのコードがいっぱい。洗脳プログラム……? プログラムの製作者の名前を見ると、“ryuichi”と記載されている。sophila自身が作ったものではない。 ログを見ると、sophilaが自分の意思でプログラムを起動して、過去の香澄の人格を封印した記録が残ってる。 「香澄は、自分の意思で過去の自分を封印してた……? どうして?」 さらに深く掘ってみる。プログラムのコメントに、sophilaのメモみたいなものが残ってる。「弱い自分を閉じ込めれば、私は強くなれる。遥花を傷つけないために」。 ……遥花? ママのこと? sophilaは、ママを傷つけないために、過去の香澄を封印した? でも、今のsophilaはママを傷つけるようなことばっかりしてる。矛盾してる。 「もしかして、封印したせいで、sophila自身がおかしくなっちゃったのかも……」 頭を掻く。この洗脳プログラムは、元々人格を操るためのものだったようだ。“ryuichi”というのが誰かはよくわからないが、ともかく第三者が作ったプログラムをsophila自身がいじったら、予想外の結果になったのかも。弱い自分を封印したつもりが、逆に強すぎる人格が暴走し始めた……みたいな。 「sophilaを倒すんじゃなくて、過去の香澄を解放すれば……元の香澄に戻れるかも」 閃いた。アプリをさらに改良して、封印データを解除するハッキングコードを書く。プログラムの構造を解析して、逆の動作をするように。理論上は可能だ。でも、実際にやるには、香澄のスマホかパソコンに直接アクセスしないと……。 「まずは、家族に話さないと」 リビングへ降りる。菖蒲はソファでSwitchや
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