手術の途中で、正修は人に頼んで軽食を届けさせた。皆あまり食べる気分ではなかったが、長時間何も口にしないままでは体力がもたず、奈穂が手術室から出てくるのを最後まで待てなくなるかもしれないと思い、休憩室で少しだけ口にした。簡単に腹ごしらえを済ませると、彼らはすぐに再び手術室の前へ戻った。本当のところ、手術室の前で待ち続けていても何かができるわけではない。それでも彼らはここで待っていたかった。奈穂が手術室から出てくる瞬間を、誰よりも早く迎えたかったからだ。ここにいれば、少しでも彼女のそばにいられる気がした。まるで、手術に臨む彼女に寄り添っているかのように。手術が終わるのを待つ間は、一分一秒がひどく長く感じられた。外はすでに、ゆっくりと日が暮れ始めていた。それでも手術は、まだ終わらない。君江は両手を合わせ、絶えず祈り続けていた。その隣で恭子は厳しい表情のまま、服の裾をぎゅっと握りしめていた。健司と正修の表情は、一見すると落ち着いているように見えた。だがよく見ると、二人の手はすでに強く握りしめられている。大きな問題は起きないはずだと分かってはいる。それでも、こんな時にはどうしても不安がよぎる。もしも――誰も、その先を考えようとはしなかった。どれほどの時間が過ぎただろうか。ようやく【手術中】のランプが消えた。君江は椅子から跳ね上がるように立ち上がり、恭子は君江の手をしっかり握ったまま、震える足で立ち上がる。健司も立ち上がったが、その両手はかすかに震えていた。正修は最初から座らずにいた。ずっとその場に立ち、固く閉ざされた手術室の扉を、ただじっと見つめ続けていた。やがて扉が開き、最初に姿を現したのは安芸だった。「中島先生」正修は安芸を呼んだ。だが、この瞬間になって、声を出すことすらひどく難しく感じられた。安芸は微笑みながら頷き、皆の緊張した面持ちを見て、すぐに口を開いた。「ご安心ください。手術は成功しました」少し考えてから、さらに言葉を添える。「大成功です。奈穂の右脚は、完全に回復できます」その言葉が告げられたあと、安芸を見つめていた四人は、しばし言葉を失った。そして最初に声を上げたのは、君江だった。「よかった……本当によかった……」その言葉を何度も繰り返しながら、君
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