Semua Bab 誰が悪女だから幸せになれないって?〜契約結婚でスパダリを溺愛してみせる〜: Bab 131 - Bab 140

157 Bab

131.秘密

律side「律くん……今のって。」「瑠理香さん……」改札を抜けていった凜の背中を見て呆然といてると、柱の影から瑠理香さんが驚いた顔で口を少し開いたまま俺の顔をじっと見ている。「ごめん、聞いちゃった。凜ちゃんが言っていた"契約"のこと。律くんが結婚したのって、本当に家のためだったの?」「それは……」「香澄には言わないから心配しないで。それと、私が律くんの相手になるわ。律くんの心配事がなくなるなら私、協力するから」瑠理香さんは、俺の手を両手でギュッと握りしめて上目づかいで俺を見つめている。切れ長でクールな瞳が潤んでいてとてもセクシーだった。「いや、それは……瑠理香さんを巻き込むことはできません」「それなら気にしないで。私は巻き込まれたなんて思わないから。だから、もう迷うこともないわ」改札前にいる俺たちを通りすがりの人たちが興味本位の視線を投げかけながら通り過ぎていく。(こんなところを誰か知り合いにでも会って誤解されたら、俺は終わる……とりあえず人目がつく場所は避けよう)「瑠理香さん、家まで送ります。駐車場に戻りましょう」瑠理香さんは、小さく微笑み俺の後ろを静かに着いてくる。しばらくすると隣を歩く瑠理香さんはいつもより高めのヒールを履いているようで俺の肩よりも上に顔があった。歩くペースも早く、髪になびく瑠理香さんのシャンプーの爽やかな香りが俺の鼻をくすぐった。(凜は小さいから、こんな高いヒールを履いても俺の胸元くらいなんだろうな……)凜のことを思い浮かべ小さく微笑んでいると、隣にいる瑠理香さんが微笑み返してくる。瑠理香さんの大人の色香漂う笑顔が視界にあるというのに、頭の中にいるのは唇を突き出して拗ねる凜の姿だった。俺の心は、瑠理香さんの誘惑とは裏腹に、凜への後悔と愛情で満たされていた。
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-25
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132.駆け引き

律side瑠理香さんと車に乗り込むと、凜との秘密を知ってしまったことで車内は異様な空気に包まれており、扉を閉めてすぐに瑠理香さんに話しかけた。「瑠理香さん、さっきの話なんですが……内密に、出来れば聞かなかったことにしてもらえると嬉しいです。」「それなら、私にしてくれるの?」「いや、それは……。蓮見家はスキャンダルに厳しいので、離婚してすぐに再婚となれば怪しむ声も出てきます。なので、瑠理香さんのことは」俺は、凛との離婚を前提とした関係をこの場で断ち切ることなんてできなかった。「それは、遊びだった場合じゃない?家柄もよく分からない人との再婚は望まれないかもしれないけれど、私ならそれなりに名前が知れているわ。親族の方も、うちと繋がりが出来ることをプラスに思う人だっているはずよ」瑠理香さんは、俺に向かって優しく微笑んでいる。自信があるのかその笑みに動揺の色は一切ない。しかし、俺の出生を知らない瑠理香さんの「家柄も良く分からない人」という言葉が、愛人の子として育った自分の母親と重なって胸が痛んだ。「家まで送るので、シートベルトしてもらえますか?」話を切り上げて瑠理香さんがシートベルトをつけたのを確認してから、静かに車を家ま
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-27
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134.女の気持ち 期間限定の結婚

律side 「電話は通じるけれど、凛が今どこに住んでいるかさえ知らない。それにこの結婚生活も後継者争いが終わったら終わりになる予定だ」「どういうこと?後継者争いと結婚生活がどう結びつくの?」「結婚する時に、凜にどうしても頷いてほしくて、咄嗟に後継者争いが終わる三年間だけ結婚して欲しいと言ってしまったんだ。だから新しい人事が決まったら、凜とは終わりなんだ。」香澄さんは俺の話を聞いて呆れたように溜め息をついた。「馬鹿ねー、期間限定なんかにされる方が余計に承諾しにくいわよ。結婚って今後の人生に大きく関わる大事な選択なのに、自分が必要な時だけしか面倒見ませんって言っているようなものじゃない」その指摘に、俺は自分の提案自体が根本的に間違っていることを知った。ビジネスの場で、最初の導入までの壁を低くするためにお試しを進めることがあるが、その感覚でいた。いいものは使い続ければ手放せなくなる。結婚生活も始めてみればお互いの存在が大きくなって手放せなくなるのではないかと思っていた。しかし、生活を始めたはいいが、凜の心には高柳啓介がいると思うと嫉妬でつい冷たく突き放すようなことばかりしてしまった。結婚してすぐの頃、買い物に行きたいと凜に言われて出掛けようとした時
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-27
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135.秘密の共有

律side「なんで、香澄さんがそれを?」俺の驚愕と動揺は隠せず、震えた声で尋ねた。「凜ちゃんが律と同い年で岐阜県出身だって言っていたことが気になって。この前、実家に寄った時に家政婦さんに聞いたの。律が来た時のことや、元々住んでいた場所とかね。そしたら、凜ちゃんが通っていた学校と一緒だった。だから、律は最初から分かって凜ちゃんを選んだって」「家政婦に聞いた?それなら、他の人も……」「心配しないで。他の人がいない時に話して誰も聞いていないし、誰にも言うつもりもないわ」香澄さんの言葉に、俺は胸がスッと軽くなっていった。この家に来て以来、ずっと抱え続けてきた俺の出自と、凛への一方的な執着という二つの重荷を、初めて信頼できる誰かと共有できた気がした。「やっぱり香澄さんはすごいよ。その通りだ。俺は、凜は中学の同級生でその時から好きだったんだ。東京に来て、偶然彼女に再会してその時、どうしても凜に側にいて欲しくて結婚の話を持ち掛けたんだ」「そうなのね。縁談も全て断って結婚に興味がなさそうな律がいきなり入籍したというから何か裏があると思ったけれど、そういう事だったの」「ああ、でもそれもこれで終わりだ」
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-27
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136.再会の願い

律side 香澄さんが帰った後、凜にすぐさま電話を掛けた。 また、誰かに探すように指示をすれば凜の居場所もすぐに分かるかもしれない。だけどもうこれ以上、凜に失望されたくなかった。もうそんな卑怯な手段は使いたくないと思った。 (虚飾の結婚生活もすべて俺のコンプレックスからくる支配欲だった。あの時の凜の怒りは、当然だ) 何度もコール音が鳴るが、凜は一向に出てくれない。メッセージを送っても既読にさえならない。 (この前の駅での待ち合わせが最後のチャンスだったのか?俺は、そのチャンスを自ら手放ししまったというのか?) 後悔なんて何度したか分からないーーー 凜が怒ったり、泣いたりする顔を見るたびに、嫉妬で素直になれない自分が嫌になったこともあった。そんな自分に嫌気がさして出ていった凜の気持ちも分からなくもない。 (だけど、俺は一度も凜に正面からぶつかっていない。凜にちゃんと向き合ってぶつかるまでは諦めないんだ。俺の想いは遊びでも一時的な物でも何でもない!ただ凛のことが好きでたまらないだけなんだ!) 翌日から、凜に朝と夜に連絡をするようにした。 会うことを強要するような内容や、攻めるような内容、言い訳がましいことは一切打たずに、ただ凜の体を気遣う言葉や、些細な日常を綴った。それは、「凛のいる生活」を思い出させる、素直でシンプルな内容だった。 最初は、ずっと未読のままで、一週間後にやっと既読がつくようになったが次第に既読がつくペースが「三日後」、「翌日」と短くなっていき、その小さな変化に命綱を掴むような思いで励まされていた。 そして一か月が経ったある日、夜メールを送ろうと画面を開くと、朝送ったものの横に小さく既読のマークがついていた。 (凜が見てくれた。当日中に俺のメールを読んでくれた) それは、初めて卑怯な手段を捨てて、心を開いたことで凜の心が開いたかもしれないという
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-28
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137.既読のサイン

凛side同窓会の日、律と瑠理香さんの姿を見て頭に血が上り、律の最後の懇願を振り切ってそのまま帰ってきてしまった。思い返すと、家を出てから一度だけ電話で「会いたい」と言われたが、瑠理香との一件以降、律は一度も「会いたい」と言ったり、謝罪の言葉を口にすることもしてこない。今も、メールは来るが特に用件がないものばかりで、返事を返す気にはならない。(メールの頻度は増えたけれど、大切なことを避けたままなら、返事を返したりなんかしないんだから!!律の事だから、私が返事をしなかったらすぐに心が折れて連絡してこないだろう。)そう思っていたが、律はそれから毎日朝と夜にメールを送ってくるようになった。最初は無視をしていたが、一週間、二週間と続き、ついに一か月が経とうとしていた。最近では、届くのが当たり前になっていてたまに三十分ほど遅れると、「まだ来ないのか」と待ち侘びて少しだけ楽しみにしている自分がいた。(何、私、待っているのよ。私は律に怒っているんだから。それに、これで機嫌直ったと思われたら癪だから絶対許さない!あーーもう!悪いと思っているなら、早く電話して来るなり会う日を決めたり、もっとアクション起こしてよ!)この一ヶ月間、いつもはわざと時間を空けて既読にしていたが、この日は朝来たメールを夕方に既読にした。これは、律への「まだ許したわけではないけど、話をするくらいならしてあげる」という私なりの小さなサインだった。二時間後、夜のメールが送られてくる時間になり、マナーモ
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-28
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138.決意

凛side律からの突然の電話に驚き、今まで溜まっていた怒りも出てこなくて何を言っていいか分からず言葉に詰まっていた。それは律も同じだったようで電話をしているというのにしばしの沈黙が続いた。しかし、その沈黙は重々しくはなく、どこか相手の存在を感じることに胸が高鳴るような不思議な気持ちになるものだった。「凛、良かった――――――」沈黙を打ち破ったのは律で、さきほどの冷静な声とは違って少し震えて小さな声で短く呟いた。心の声が漏れたような言葉に、私の心は大きく揺れた。「電話に出てくれて嬉しいよ。今までのこと、本当に悪かった。凜が怒るのも俺のことを信じられなくなるのも当たり前だと思う。だけど、伝えていないことも誤解を生んでいることもたくさんあるんだ。だから、会って話をしたい。もう一度、俺にチャンスをくれないか?」(律が初めて謝った。今までの冷酷さや横暴な律じゃない。律は本当に反省して、私と向き合おうとしているの?瑠理香さんのこと、中学時代のことも、全て話すつもりなの?)「凛、これだけは言わせてくれ。結果として凜のことを傷つけてしまったことは事実だ。だけど、俺は今まで一度も凜のことを嘲笑ったり陥れようとか思ったことはない。凜に対して必死だっただけなんだ」(必死だった?あの態度が?なんでそんなに必死になるの?今までの行動は、必死さからくるものだというの?)「凛、好きだ。好き
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-28
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140.敗れた初恋

凛side「俺は東京の大学に行き、卒業して今の会社に入社した。それから数年して、同僚と休日仕事終わりにご飯に行こうとした時に、偶然、凜を見かけたんだ」「え?」中学で知り合って合コンで再会するまで接点はないと思っていた。律の予想外の告白に、私の心臓がドキリと跳ねた。「まさかと思った。最初は、また会えたらと思っていたから似た人を凜だと勘違いしているのかと思ったんだけれど、一緒にいた同僚が凜のことを知っていて名前を言ったんだ。凜は、俺たちには気づかずに高柳さんと手を繋いで通り過ぎていった。」「全然知らなかった―――――」「当時流行っていたSNSで友人の投稿に凜がコメントしているのを見つけて、凜のアカウントを覗いてみると、高柳さんとの投稿がいっぱいだった。顔は見えないけれど、記念日を祝ったり、結婚のことを書いたり、そこには幸せそうな凜がいたんだ」まだ啓介と付き合っている頃、結婚の話をしても積極的ではない啓介をその気にさせるため外堀からじわじわと埋めていこうと、幸せいっぱいの雰囲気をアピールした内容を頻繁に投稿していた。「なんだか長い初恋がやぶれて、失恋したような気分になって落ち込んでいたんだ。だけど、凜が幸せならそれでいいと自分に言い聞かせていた。だけど、凜が高柳さんと別れたことや未練があって忘れられない、好きと書いた投稿を見てずっと気になっていたんだ。だけど、周りも
last updateTerakhir Diperbarui : 2025-11-28
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