結衣はもう泣き崩れていた。「拓海、もう言わないで。私が自首する。私のために弁解しないで。私のせいで知佳と喧嘩しないで。あなたが知佳に責められるのは嫌……私はただ、みんなが幸せになってほしいだけなの。知佳、お願いだから、もう拓海を責めないで。悪いのは私だから。私を責めて。殴っても焼かれてもいいから。お願いだから、拓海を責めないで……」知佳は冷たい目で、その芝居を見ていた。本当に、演技がうまい。「あなたを責めて何になる?私も犯罪者にしたいの?私はただ、警察に通報するだけ。自首するんでしょ?行けばいいじゃない!」知佳は病室の出口を指差した。結衣は呆然と立ち尽くした。本当に、行かせるつもり?「自首するって言ったのに、どうしてまだ動かない?もしかして、それも演技だったってこと?」知佳がここまで強く出たのは初めてだった。拓海は眉間を押さえて言った。「知佳、そんなに追い詰めるな……」「追い詰めてなんかいない!自首すると言ったのは彼女自身よ。今になって行かないなんて、演技じゃなくて何?」結衣は「わあっ」と声を上げて泣き出した。「行く!今すぐ自首する!」彼女は身を翻し、病室を飛び出していった。廊下に泣き声が響き、遠ざかっていく。「結衣!結衣!」拓海は慌てて立ち上がり、すぐに追いかけた。ドアまで走ったところで、何かを思い出したように引き返し、息を乱しながら言った。「知佳、結衣はプライドが高い。このまま行ったら、何をするか分からない。見てくるから、すぐ戻る……」知佳はその姿を見て、ただ可笑しくなった。結衣が出て行ったら、彼はあんなにも焦るのね。ここに残って話を終えてから行くこともできたはずなのに。彼は立ち上がってもまだ言葉を止められず、足音と声だけが廊下の奥へと消えていった。知佳はベッドに座ったまま、しばらく呆然としていた。胸の奥がじんと痛む。焼き殺されそうになったのは自分なのに。結衣が容疑者かもしれないのに。それでも、拓海の心はやっぱり結衣に向いている。彼の中の結衣には、誰も勝てない。もう、迷う理由なんてなかった。知佳はその足で警察署へ向かい、通報した。今日、拓海の会社で起きたことをすべて話した。会議室の火災で消防が出動したこと。スマホで撮影した、切断された電線の動画。病院での診断記録と、まだ顔に残る発疹。それがマンゴ
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