「そうよ。あるのは知っていたけど、試したことはなかったから。一つ買って試してみましょう」知佳は目を輝かせた。「それにね、これからおばあちゃんを旅行に連れて行く時、どれだけ長く遊んでも、花が枯れないか心配しなくて済むし、近所の人に迷惑をかけることもないわ」「だけど……」良子はひどくためらった。「知佳ちゃんはもうすぐ出ていくんじゃない?じゃあ、あの別荘はどうなるの……」知佳は微笑んだ。「おばあちゃん、とにかく、どこへ行っても、これからおばあちゃんは私についてきてくれるんでしょ?」どこにいようと、知佳がしっかりと自立の足場を固めたら、必ずおばあちゃんを自分のそばに迎え入れるつもりだった。良子は笑って、知佳の頭を撫でた。子供の頃、知佳は体が弱く、女の子だったため、両親からはあまり大切にされなかった。両親は幼い弟の方を偏愛していたからだ。だから、病気になった時はいつも良子が看病してくれた。知佳は愛情を込めて育てられたと言っていい。だが、知佳は知っていた。おばあちゃんの結婚生活が、決して幸せなものではなかったことも。おじいさんはおばあちゃんに優しくなく、息子である知佳の父を溺愛する一方で、娘に対しては驚くほど冷淡だった。もし、おばあちゃんが必死になって娘の学費を工面し、遠方へ出ることを後押ししなければ、叔母はこの家にとって都合の良い道具として、一生を終えることになっていたかもしれないのだ。叔母が外でどんな生活をしているかは知らないが、いつもお金を送ってきてくれるのは知っている。叔母は電話でいつもおばあさんを迎えに行きたいと言っていたが、おばあちゃんはいつも断っていた。それはおじいさんのためではなく、おじいさんが亡くなった後も、おばあちゃんは叔母のところへ行こうとしなかった。知佳は、おばあちゃんは自分のためにこの家に留まっていることを知っていた。おばあちゃんは、自分を見捨てられないと強く思っていた。自分がどこかでいじめられたり、辛い思いをしていないかと、常に心を砕いていた。だからこそ、どんなことがあってもこの場所を離れず、自分にとっていつでも帰れる居場所、確かな拠り所を与えようと尽くしていた。こんなにも穏やかで安らかな時間を、おばあちゃんと過ごせるのは本当に貴重だ。知佳は良子と一緒に水やりを終えた後、日陰でお茶を淹れ、おしゃべり
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