Todos os capítulos de 王子様系御曹司の独占欲に火をつけてしまったようです: Capítulo 201 - Capítulo 202

202 Capítulos

200

「人間の目の錯覚を、全て計算し尽くしているの。どこから見ても完璧な調和と、安定した美しさが感じられるように。何千年も前にこれだけの数学と美に対する執念が、ここに存在していたなんて」 ただの美しい遺跡ではない。神々に捧げるために、当時の人々が持てる技術と知恵の全てを注ぎ込んで作り上げた、美の結晶なのだ。 時を超えたデザイナーたちの魂の叫びのようなものが、私の胸に響いていた。「おしろ、きいろいねぇ!」 湊さんの肩車の上で、帆波が楽しそうな声を上げる。湊さんは娘の小さな足を支えながら、私に微笑みかけた。「そうだね、帆波ちゃん。お日様の光で、金色に光ってるんだ」 空はオレンジから赤へ、そして深い紫へと、刻一刻とその色を変えていく。 この神殿は遺跡になる前から、そして現代のこの姿になっても、ずっと変わらず日差しを浴び続けてきたのだろう。 私たちは悠久の時を刻む神殿と、沈みゆく夕日が織りなす美しい光景を見つめていた。◇ 最後の茜色が西の空から完全に消え去ると、辺りはは深い藍色に包まれた。眼下に広がるアテネの街に、ぽつりぽつりと温かい光が灯り始める。 周囲で聞こえていた様々な国の言葉のざわめきが、いつの間にか遠のいていく。昼間の喧騒が嘘のように、丘の上には静かな夜の空気が満ちていた。 静寂の訪れを合図にしたように、目の前のパルテノン神殿が、ふわりと柔らかな光に照らし出された。「……あ」 黄金色ではなく、月光のような穏やかで荘厳な光。ライトアップの光は、大理石の柱の風雪に削られた傷の一つひとつを、優しく浮かび上がらせている。 湊さんは眠ってしまった帆波を、起こさないように慎重に自分の胸に抱き直した。空いた方の腕で私の肩を抱き寄せる。 私は彼の胸に頭を預けた。規則正しい心臓の音が耳元で聞こえる。「最高の旅だったね」 湊さんがささやいた。私は微笑む。「ええ、本当に。ありがとう、湊さん。私と帆波に、こんなに素敵な世界を見せてくれて」
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201:約束の帰路

 旅の最後の一日は、船の上でゆっくりと過ぎていった。  午前中は、キッズルームで最後の時間を楽しむ帆波に付き添う。午後は、三人でプールサイドのデッキチェアに座って、ジェラートを食べた。帆波はアテネで買ってもらった、女神の絵が描かれた小さなブレスレットを、何度も得意げに私に見せてくれた。 その夜私たちは、船で最も格式の高いメインダイニングで、ドレスアップして最後の夕食を楽しんだ。「今回の旅で、一番美味しかったものは、何だったかな」 湊さんが尋ねると、帆波は元気いっぱいに手を挙げる。「いちごの、じぇらーと!」 ローマで食べたジェラートのことだろう。私たちは顔を見合わせて、笑った。「楽しかった旅に、乾杯」「かんぱーい!」 旅の思い出を語り合いながら、湊さんと私はワインで乾杯する。帆波も子供用のドレスを着て、少しだけお姉さんになった気分で、ジュースの入ったグラスを得意げに掲げていた。 ◇  翌日。ローマの港に帰港して、私たちは船を降りた。「おふね、ばいばーい」 帆波が名残惜しそうに、巨大な船に何度も手を振っている。  空港へ移動し、日本への帰国便に搭乗する。帆波は離陸するとすぐに、自分の小さなベッドですーすーと深い寝息を立て始めた。遊び疲れていたのだろう。  湊さんは娘の寝顔を、愛おしそうに見つめている。 機内が暗くなり、静かな時間が流れる。私は湊さんのタブレットを借りて、この旅のたくさんの写真を見返していた。  シチリアの砂浜で、帆波と手をつないで波を追いかける私。バルセロナの公園で、チュロスを頬張りながら笑う湊さん。アテネの丘で、眠る娘を抱く夫の隣で夕日を見つめる私。 写真の中にいる私は、どれも屈託もない笑顔を浮かべていた。過去の傷や不安の影は、どこにもない。  この旅が私の中に残っていた最後の小さな氷を、完全に溶かしてくれたのだ。 ◇  日本に到着し、懐かしい我が家に戻る。リビングのソファに座れば、旅の疲
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