そらは、目の前にある淡い金髪の可愛らしい後ろ姿に目を向けた。エルのサラサラとした髪の毛が、湯気を含んでしっとりと濡れている。アリアの髪を洗い終え、次はエルの番だ。「よし、次はエルの髪の毛を洗うね」 彼はゆっくりと手を伸ばし、エルの髪に触れた。指先から伝わる感触は、想像していたよりもずっと柔らかく、つるりとしている。まるで上質な絹糸のようだ。 シャンプーを手に取り、泡立てていく。ふわりと立ち上る甘い香りが、湯気に乗って彼の鼻腔をくすぐった。泡がエルの淡い金髪を包み込み、光を受けてきらきらと輝く。そらは、指の腹を使って優しく頭皮をマッサージするように洗っていく。エルの小さな頭が、彼の大きな手のひらにすっぽりと収まった。 頭を洗われている間、エルは気持ちよさそうに目を閉じ、時折「んぅ……」と小さな声を漏らしている。その吐息が、そらの腕にかかり、熱い湯気と混じり合って彼の肌をじんわりと温めた。「そらの手、気持ちいいー♪」 エルは満足そうにそう呟いた。 髪を洗い終え、湯船から桶で湯を汲み泡を丁寧に洗い流していく。温かいお湯が髪を通り、背中を伝っていく。その間も、エルはうっとりとした表情で目を閉じ、そらに身を任せていた。 泡が全て流れると、エルの髪は再び元の輝きを取り戻した。淡い金色の髪が、濡れてさらに色濃く、美しく見える。そらは、髪の毛に残った水滴を優しく絞りながら、エルの背中に視線を落とした。細く、華奢な背中が湯気の中に浮かび上がっている。「はい。終わったよ」 そう声をかけると、エルはゆっくりと振り返った。その顔は、湯気と安堵でほんのりと赤く染まり、潤んだ瞳がそらを見つめている。次の瞬間、彼女はにっこりと微笑んだ。その愛らしい笑顔に、そらは思わず息をのんだ。「そらくん、ありがとぉー♪ また、おねがーい!」「はいはい……」 そんな感じで、髪を洗い終えた後、そらたちはお風呂から出る。湯冷めしないよう、急いで体を拭いた。 ──しかし。 二人の少女が、そらをジト目で見つめていた。ブロ
Terakhir Diperbarui : 2025-10-05 Baca selengkapnya