「あっ、ダメそうだったら、わたしが責任とって男装エスコートしましょうか!」「ギャニミード男爵家って、男装して夜会出席許されるの!?」 つまり、わたくしの浮気相手はルチアってこと!?ええっ!? でも、バージル殿下もルチアと仲良さそうなのに、これじゃ小説のドロドロの三角関係みたいですわ!?「えと、バージル殿下は、わたしに恋愛感情とか全然ないと思いますけど」「……そうかしら?」 そんなことを突っ込まれてしまったけど。あなた、婚約者のわたくしより、遥かに優遇されてたのは、紛れもない事実ですからね? ルチアとそんなおしゃべりをしていたら、カツカツと、規律正しい足音が近づいてきた。 やはり現れたのは、近衛騎士の制服に身を包んだ、ローラント殿。片膝をつき、まるで女王に対するかのように、恭しく一礼。「ベアトリーチェ様。ご機嫌麗しゅうございます」 正直、やめて欲しい。「ごきげんよう。ローラント殿。……本日は、何用かしら?」「はっ! 本日、アカデミー周辺に異常はありません。ですが、もし何か、貴女様の慧眼に触れるような異変がございましたら、是非とも、愚かな私にご教示いただきたく!」 キリッとした顔で、そんなことを言うローラント殿。そういうのは上司になさいよ!「わたくしは、ただのいち学生。警備報告を受ける立場にはありませんわよ?」「ご謙遜を! その慧眼、インクテロ事件の警鐘は真実でした。化けウサギ事件での采配、続く図書館事件での機転。……貴女様のお力には、畏敬の念を抱いております!」 熱い、熱すぎるわ。 でも、ローラント殿が熱弁すればするほど、他の騎士様たちの視線は冷ややかになっていくのよね。「戦えない女は引っ込んでろ」って顔で。(仕方がないことですわよね。今まで、杖捌きで後れを取る気は無かったのですけれど……。実際、どの状況でも、わたくしは何もできなかった) 杖魔術なんて、貴族の嗜み。所詮は、温室育ち
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