朝の光が森を抜け、悠真とリアナは湖を後にしてさらに深い森の奥へ進んでいた。ミラリオスの空は紫がかった曙光に染まり、鏡の破片が静かに浮かんでいる。昨夜の犠牲の試練を乗り越えた達成感が残る一方で、美咲の危機やカイルの脅威が頭から離れなかった。ミラーは悠真の足元を軽やかに跳ね回り、時折鏡の破片を拾っては差し出してきた。リアナは前を歩きながら剣を手に持ち、鋭い目で周囲を警戒している。彼女の横顔には、悠真への信頼と、共に戦う決意が深まっている様子が伺えた。 「リアナ、昨日の試練…。犠牲を選ばなかったけど、大丈夫だったのかな。」 悠真は歩きながら呟き、ミラーを撫でた。 「試練は心を試す。お前の決意が魂の門に認められた証だ。だが、油断は禁物だ。」 リアナは振り返り、冷静な声で答えた。 「認められた…か。けど、美咲が危ないって分かった今、急がないと。」 悠真は鏡を手に持つと、微かな光を点滅させた。 「その気持ちは分かる。管理者への道は近づいている。だが、敵も近づいている証だ。」 リアナは剣を握り直し、森の奥を睨んだ。 二人が進むと、道が開け、鏡でできた円形の闘技場のような場所に出た。地面には鏡の破片が散乱し、中央には巨大な鏡の台座がそびえ立っていた。ミラーが突然立ち止まり、耳をピクピクと動かした。 「ミラー、また何か感じた?」 悠真が屈み込み、ミラーの頭を撫でた。 「これは魂の門の試練場だ。対峙の時が来た。準備しろ。」 リアナが剣を構え、闘技場をじっと見つめた。 その時、台座から光が放たれ、カイルの姿が現れた。黒髪を乱し、鏡の破片を手に持つ彼の目は、狂気と野心に満ちていた。 「佐藤、よく来たな。偽の調停者。」 カイルは妖
Last Updated : 2025-10-11 Read more