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All Chapters of 鏡の転移: Chapter 1 - Chapter 10

11 Chapters

エピソード0:鏡の囁き(プロローグ)

 ※あらすじ※佐藤悠真、21歳の冴えない大学生は、退屈な日常に閉塞感を抱きながら、夜な夜な異世界ファンタジーの小説に没頭していた。ある晩、アンティークショップで手に入れた古い鏡に触れた瞬間、彼の人生は一変する。鏡の向こうに広がるのは、ミラリオス――鏡の破片が浮かぶ幻想的な異世界。そこで彼は「魂の門」の力を持ち、世界のルールを無視するチート能力「鏡の改変」を手に入れる。しかし、この力は世界を崩壊させる危険を孕み、悠真は「偽の調停者」として異世界の住人から追われる存在に。 ミラリオスの内戦が激化する中、悠真は鏡の守護騎士団の女騎士リアナ、反逆者のカリスマ・カイル、現代で彼を追う幼馴染の美咲と出会う。彼らの欲望と信念が交錯する中、悠真は自分の力と向き合い、現代と異世界の間で揺れる心の奥底に眠る情熱を呼び覚ます。鏡の囁きが彼を誘う先は、救済か破滅か――。このプロローグでは、悠真の転移の瞬間と、ミラリオスでの最初の試練を通じて、物語の核心となる「自由と責任」のテーマと、R-18らしい大人の感情や緊張感を提示する。    メインキャラ紹介1. 佐藤悠真(さとう・ゆうま)   - 年齢・職業: 21歳、大学生(現代日本)。   - 外見: 平均的な身長、黒髪に少し疲れた目元。普段は地味だが、感情が高ぶると鋭い眼光が現れる。   - 性格: 内向的で皮肉屋だが、頭の回転は速く、現代の知識(推理や論理的思考)が武器。異世界に憧れるオタク気質だが、実際に転移すると戸惑い、責任感と欲望の間で葛藤する。   - R-18要素: 悠真は抑圧された日常の中で、異世界への憧れと同時に心の奥に秘めた情熱を持つ。ミラリオスで出会うリアナや美咲との関係で、彼の内なる欲望(力への渇望、愛情への切望)が表面化。プロローグでは、鏡の誘惑を通じて、官能的な雰囲気の中で彼の心の揺れを描く。   - 役割: 主人公。チート能力「鏡の改変」を持ち、世界のルールを書き換えるが、その代償に世界を危険に晒す。 
last updateLast Updated : 2025-10-01
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エピソード1:鏡の監獄

悠真の意識が戻った時、彼は薄暗い石造りの部屋に閉じ込められていた。冷たい石の床に座り込み、手錠のような金属製の拘束具が両腕に巻きつけられている。頭を振って周囲を見回すと、壁には無数の小さな鏡が埋め込まれ、その表面には微かに光が反射していた。空気は湿り、どこか金属の匂いが混じる。異世界ミラリオスに転移してからまだ数時間しか経っていないはずなのに、すでに彼の日常は遠い記憶と化していた。 「ここ…監獄か?」  悠真は小さく呟き、立ち上がろうとしたが、拘束具が重く足元を引きつける。すると、部屋の奥から金属の擦れる音が響き、鉄の扉が軋みながら開いた。そこに現れたのは、先ほど彼を捕らえた銀髪の女騎士――リアナだった。彼女は鎧を脱ぎ、軽い革の服に着替えた姿で、手に剣を携えている。鋭い青い瞳が悠真を射抜き、口元には微かな苛立ちが浮かんでいた。 「佐藤悠真。偽の調停者。名乗りを上げる理由を聞かせなさい。」  リアナの声は冷たく、部屋に反響した。   「偽って…何?俺、ただの大学生だよ。鏡に吸い込まれただけで、調停者とか知らない!」  悠真は慌てて弁解したが、リアナの表情は変わらない。   「言い訳は通用しない。お前が鏡の力を乱用し、鏡獣を消し、空間の裂け目を作ったことは事実だ。その力は魂の門に由来し、調停者の証だ。だが、お前は正式に選ばれていない偽物だ。」  彼女は一歩近づき、剣の先を悠真の顎に軽く当てた。   「うわっ、待て待て!殺さないでくれ!」  悠真は後ずさり、背中を壁にぶつける。鏡の表面が揺れ、彼の動揺した顔を無数に映し出した。   「殺すつもりはない。だが、お前の力を抑える必要がある。貴族派も反逆派も、お前を手中に収めようと狙っている。動揺する暇はない。」  リアナは剣を下ろし、悠真の拘束具をチェックした。彼女の指が彼の腕に触れると、冷たい感触が肌を這い、悠真の心臓が一瞬速く鼓動した
last updateLast Updated : 2025-10-02
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エピソード2:鏡の追跡者

夜が深まり、川辺のキャンプは静寂に包まれていた。悠真は簡易な草の寝床に横になり、星空と浮かぶ鏡の破片を見上げていた。頭の中では、昨日の出来事――転移、鏡の力、リアナとの出会い――がぐるぐると渦を巻く。隣では、リアナが火の番をしながら剣を手に持っていた。彼女の銀髪が月光に照らされ、静かな美しさを放っている。悠真はつい見とれてしまい、慌てて視線を逸らした。 「寝なさい。明日が長い。」 リアナの声が低く響き、悠真を現実に引き戻した。 「う、うん。分かったよ。けど、さっきの魂の門の歌、耳に残ってて眠れそうにないな。」 悠真は寝返りを打ちながら呟いた。 「慣れれば気にならなくなる。だが、その歌が途切れるときは危険の前触れだ。気を抜くな。」 リアナは火を調整し、鋭い目で周囲を見回した。 「危険…。またあんな鏡獣が出てくるのか?」 悠真は身を起こし、不安げに尋ねた。 「鏡獣は魂の門の守護者だ。だが、貴族派や反逆派が操る可能性もある。今夜は特に警戒が必要だ。」 リアナは剣を握り直し、立ち上がった。 その瞬間、遠くから馬蹄の音が聞こえ、木々の間から微かな灯りが近づいてきた。 「やっぱり来たか…。貴族派だ。」 リアナが鋭く呟き、悠真を岩陰に引き込んだ。 「マジかよ!隠れるだけじゃ済まないのか?」 悠真は声を潜め、緊張で体が硬直した。
last updateLast Updated : 2025-10-03
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エピソード3:魂の試練

悠真は広間の中央に立ち、巨大な魂の門を見上げていた。鏡でできた門は、複雑な模様が刻まれ、表面には無数の光が渦巻いている。さっきまでカイルの笑い声が耳に残っていたが、今は静寂だけが広がり、どこか不気味な雰囲気を放っていた。頭の中はまだ混乱でいっぱいだ。リアナとはぐれ、なぜかこの場所に連れてこられた。手には握り潰しそうなほど強く鏡の破片を握り、冷たい感触が彼の不安を煽る。 「ここ…どこだよ?試練って何だ?」 悠真は周囲に大声で叫んだが、声は広間に反響するだけだった。 すると、魂の門から低く響く声が再び聞こえた。 「汝、鏡の鍵。試練を受け、自身の欲望を直視せよ。失敗すれば、魂は永遠に封じられる。」 「欲望…?何!?待て、説明しろ!」 悠真は慌てて門に近づいたが、足元が突然光り、彼の体が浮かび上がった。 視界が歪み、次の瞬間、悠真は見知らぬ場所に立っていた。そこは現代の彼のアパートだった。机には教科書が散乱し、ベッドには散らかった毛布。だが、どこか違和感がある。空気が重く、鏡の表面が不自然に輝いている。 「ここ…俺の部屋?でも、なんかおかしいな。」 悠真は周囲を見回し、戸惑いを隠せなかった。 すると、部屋の隅から声がした。 「悠真…助けて。」 振り返ると、そこには美咲が立っていた。彼女のショートカットの栗色髪は乱れ、目は涙で潤んでいる。白いブラウスが汗で張り付き、彼女の震える姿が悠真の心を締め付けた。
last updateLast Updated : 2025-10-04
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エピソード4:鏡の使者

 朝焼けがミラリオスの空を紫とオレンジに染め、悠真とリアナは広間の外で簡素な朝食を摂っていた。昨夜の試練の余韻がまだ体に残り、悠真は鏡の破片を手に持つたびに軽い震えを感じていた。制御できるようになった力は頼もしいが、その裏に潜む危険も実感していた。リアナは火を消し、剣を磨きながら周囲を警戒している。彼女の真剣な横顔を見ながら、悠真は昨夜の言葉を思い出した。「頼りにしてもいいと思った」――その一言が、なぜか心に引っかかっていた。 「リアナ、昨日はありがとうな。本当に助かったよ。」  悠真は少し照れながら言った。   「礼を言う必要はない。任務の一部だ。だが、お前の成長は認めよう。」  リアナは剣を鞘に収め、悠真に目を向けた。   「成長…か。まだまだだけどな。けど、この力、もっと上手く使いたい。」  悠真は鏡の破片を軽く振ると、小さな光の球が浮かんだ。   「その意欲は良い。だが、力の使いすぎは禁物だ。魂の門の試練はまだ続くかもしれない。」  リアナは真剣な表情で警告した。   その時、遠くから微かな風の音が聞こえ、木々の間から光の粒が漂ってきた。悠真とリアナは同時に身構えた。   「何だ?また敵か?」  悠真は鏡を握り、警戒した。   「待て…。これは敵ではない。鏡の使者だ。」  リアナが目を細め、光の粒が集まるのをじっと見つめた。   光が形を成し、人間のような姿が現れた。白いローブをまとい、顔は鏡のような表面で覆われている。声は中性的で、どこか神聖な響きを持っていた。   「佐藤悠真。鏡の鍵たる者よ。我は魂の門の使者。試練の続きを告げる。」  使者の声が広間に響いた。   「試練の続き…?まだあるのかよ!」
last updateLast Updated : 2025-10-05
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エピソード5:鏡の絆

悠真は木の陰で目を覚ました。体はまだ重く、鏡の力を使い果たした後の疲労が残っていた。隣ではリアナが火を起こし、近くの川で取った魚を焼いている。朝焼けが森を照らし、戦いの後の静けさが心地好かった。悠真はゆっくり体を起こし、リアナに声をかけた。 「リアナ…。起きてたのか?ありがとうな、昨日。」  悠真は少し照れながら言った。   「寝てなかった。貴族派が再び来ないか警戒していた。だが、お前の回復が優先だ。食え。」  リアナは焼けた魚を差し出し、淡々と答えた。   「うわ、魚か。美味そうだな。けど、調理法知ってたんだ。」  悠真は魚を受け取り、ほおばった。   「戦士として生きてきた。野営の技術は身についている。お前は現代の知識を頼りにしろ。」  リアナは微笑み、火を調整した。   「確かに…。昨日、光の反射で時間稼ぎできたのは、学校で習ったおかげだ。けど、力の代償がキツいな。」  悠真は魚を食べながら呟いた。   「代償は力の証だ。使いこなせば、貴族派も反逆派も恐れる存在になれる。」  リアナは剣を手に持つと、軽く振り回した。   「恐れられる…。俺、そんな英雄にはなりたくないけどな。」  悠真は苦笑いを浮かべた。   「英雄でなくとも、生き延びる力は必要だ。魂の門の管理者への道はまだ遠い。」  リアナは真剣な目で悠真を見た。   二人が食事を終え、荷物をまとめて出発しようとした時、遠くから足音が聞こえた。悠真とリアナは同時に身構えた。   「また敵か!?」  悠真は鏡を握り、警戒した。   「待て…。これは人間の足音ではない。」 
last updateLast Updated : 2025-10-06
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エピソード6:鏡の誘惑

 朝の霧が森を覆い、悠真、リアナ、そして新たなパートナーであるミラーは静かに進んでいた。ミラーは悠真の足元を軽やかに跳ね回り、時折鏡の破片を拾っては彼に差し出してきた。昨夜の戦いと試練の疲れがまだ残るが、ミラーとの絆が少しずつ力となって悠真に宿っている気がした。リアナは前を歩きながら、剣を手に周囲を警戒している。彼女の背中には、戦士としての覚悟と、悠真への微かな信頼が感じられた。 「リアナ、この霧、ずっと続くのか?視界が悪すぎるぜ。」  悠真は霧を払いながら呟いた。   「これは魂の門の影響だ。試練が近づいている証拠だ。気を抜くな。」  リアナは剣を握り直し、鋭い目で周囲を見回した。   「試練か…。ミラー、頼むからまた何か変なこと起こさないでくれよ。」  悠真はミラーの頭を撫で、軽く笑った。   ミラーが小さく鳴き、青い目で悠真を見つめた。すると、霧の中から微かな光が漏れ、道が現れた。   「これは…導きか?」  リアナが立ち止まり、光の道をじっと見つめた。   「導きって、魂の門がまた何か仕掛けてきたのか?」  悠真は警戒しながらミラーを抱き上げた。   「だろう。従うしかない。だが、罠の可能性もある。準備しろ。」  リアナは剣を構え、悠真を促した。   二人は光の道を進み、霧が晴れると、鏡でできた広場に出た。中央には巨大な鏡の台座があり、その周囲に浮かぶ鏡の破片が不気味に輝いていた。すると、台座からカイルの姿が現れた。   「やっと会えたな、佐藤。偽の調停者。」  カイルは妖しげに笑い、鏡の破片を手に弄んだ。   「カイル!?お前、また何企んでるんだ!」  悠真はミラーを下ろし、鏡を握
last updateLast Updated : 2025-10-07
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エピソード7:鏡の決意

 悠真とリアナは広場を抜け、森の奥深くへ進んだ。ミラーは悠真の側を離れず、時折鏡の破片を拾っては彼に差し出してきた。昨日のカイルとの戦いで、悠真の心はまだ揺れていた。欲望の誘惑は強烈で、自分の中の弱さを実感した。だが、ミラーとの絆とリアナの支えが、彼に立ち直る力を与えていた。 「リアナ、カイルの言うリセット…。少しだけ分かる気がするんだ。」  悠真は歩きながら呟いた。   「分かる?何がだ?」  リアナが振り返り、鋭い目で悠真を見た。   「この世界の戦いや混乱…。全部終わらせたいって気持ち。けど、壊すのは違うと思う。」  悠真はミラーを抱き、考えを整理した。   「その思いは正しい。壊すだけでは新たな苦しみが生まれる。救う道を選べ。」  リアナは静かに言い、前に進んだ。   「救う…。けど、俺にそんな力あるのか?」  悠真は自問自答し、鏡を見つめた。   「ある。お前の試練はそれを証明している。信じろ。」  リアナの声に、悠真は少し勇気づけられた。   その時、森の奥から叫び声が聞こえ、二人は急ぎ足で進んだ。現れたのは、小さな集落が貴族派の騎士に襲われている場面だった。村人たちが逃げ惑い、炎が家々を飲み込んでいた。   「またか!村が…!」  悠真はミラーを下ろし、鏡を構えた。   「貴族派だ!お前は村人を守れ。私は敵を牽制する!」  リアナが剣を抜き、騎士たちに突進した。   「分かった!ミラー、頼む!」  悠真はミラーを呼び、光の球を放った。   ミラーが鳴き、光が広がり、村人たちの周囲に防御の膜を張った。炎が膜に当
last updateLast Updated : 2025-10-08
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エピソード8:鏡の犠牲

 朝の光が森を優しく照らし、悠真とリアナは村を後にして新たな道を進んでいた。ミラーは悠真の足元を跳ね回り、時折鏡の破片を拾っては彼に差し出してきた。昨日の戦いで村人を救った達成感と、力の限界を超えた疲労が混ざり合い、悠真の心は複雑だった。リアナは前を歩きながら剣を手に持ち、時折周囲を警戒する。彼女の背中には、悠真への信頼が少しずつ深まっていることが感じられた。 「リアナ、昨日は危なかったな。君がいてくれて助かったよ。」  悠真は少し照れながら言った。   「礼はいい。お前の決意が村を救った。だが、無茶は控えろ。力の代償が体を蝕む。」  リアナは振り返り、鋭い目で悠真を見た。   「代償…。確かにキツいな。けど、放っておけなかった。」  悠真はミラーを撫でながら呟いた。   「その気持ちは分かる。だが、次はお前が倒れれば誰も守れない。慎重にな。」  リアナの声には心配が混じり、悠真は少し気まずくなった。   二人が進むと、道が細くなり、崖沿いの狭い小道に差し掛かった。崖下には深い谷が広がり、遠くに浮かぶ鏡の破片が朝日を反射して輝いていた。ミラーが突然立ち止まり、耳をピクピクと動かした。   「ミラー、どうした?」  悠真が屈み込み、ミラーの頭を撫でた。   「何かを感じたようだ。敵か、試練か…。警戒しろ。」  リアナが剣を握り直し、小道をじっと見つめた。   その時、崖の上から石が転がり落ち、谷に吸い込まれた。続いて、茂みから複数の人影が現れた。貴族派の騎士たちで、リーダーは重厚な鎧に身を包み、槍を構えていた。   「偽の調停者を見逃すな!ここで仕留める!」  リーダーが叫び、騎士たちが小道に広がった。   
last updateLast Updated : 2025-10-09
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エピソード9:鏡の記憶

 朝の光が森を抜け、悠真とリアナは村を後にして再び旅路に進んでいた。ミラーは悠真の足元を軽やかに跳ね回り、時折鏡の破片を拾っては彼に差し出してきた。工房での戦いで力は回復したが、カイルとの対決が頭から離れなかった。悠真の心には、欲望を誘う言葉と、ミラリオスの歪んだ現実が混ざり合い、複雑な思いが渦巻いている。リアナは前を歩きながら剣を手に持ち、時折周囲を警戒する。彼女の横顔には、悠真への信頼と、共に戦う覚悟が滲んでいた。 「リアナ、さっきのカイル…。あいつの言うリセットって、ほんとに行けるのかな。」  悠真は歩きながら呟き、ミラーを撫でた。   「カイルの言葉は誘惑だ。リセットは可能かもしれないが、犠牲は計り知れない。信じるな。」  リアナは振り返り、鋭い目で悠真を見た。   「犠牲…。確かに、村や君を守るのに必死だった。けど、全部壊すのは違う気がする。」  悠真は鏡を手に持つと、微かな光を点滅させた。   「その感覚が正しい。お前の力は救うためにある。歪みを正す道を選べ。」  リアナの声は静かだが、力強かった。   二人が進むと、道が開け、鏡でできた古い遺跡が現れた。柱には模様が刻まれ、地面には破片が散乱している。ミラーが突然立ち止まり、耳をピクピクと動かした。   「ミラー、また何か感じた?」  悠真が屈み込み、ミラーの頭を撫でた。   「これは魂の門の残響だ。過去の記憶が残っている。警戒しろ。」  リアナが剣を握り直し、遺跡をじっと見つめた。   遺跡の中央に近づくと、大きな鏡が浮かび、光を放ち始めた。鏡の表面に映像が映し出され、悠真の視界が歪んだ。次に目を開けると、彼は見知らぬ戦場に立っていた。   「何!?また幻か!?」  悠真は周
last updateLast Updated : 2025-10-10
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