「……わたしね、さっきふと思っちゃったの。あなたを他の誰にも取られたくない、わたしだけのものにしたい、って。でも、自分の中にもこんな醜い独占欲? みたいな感情があったことにビックリして……。ごめんね、引いちゃうよね?」 こんな感情、真也と付き合っていた時にも、その前の彼氏に対しても抱いたことはなかった。きっと彼だから……、初めて本気で好きだと気づいた相手だからだと思う。でも、こんなわたしを彼は果たしてどう思うんだろう? もし引かれてしまったら立ち直れないかもしれない……。「いえ、引きませんよ。独占欲なんて、誰もが普通に持ち得る感情じゃないですか。僕にだって、もちろんありますよ」「……えっ? あなたにも?」 彼が独占欲を抱くような相手は一体どんな女性なんだろう? もしかして男性だったりするの? ……なんて頭にいくつものクエスチョンマークが浮かんだけれど。彼のわたしに対する優しい眼差しが、その答えを物語っているように感じた。「はい。……すみません、信号が変わってしまいそうなので、この話の続きはまた後ほど」「あ……、うん」 クルマはわたしの家に向かって、またゆっくりと走り出した。 彼の話の続きを早く聞きたい自分と、聞くのが怖い自分とがわたしの中に同時に存在して、何だか落ち着かなかった。 * * * *「――野島さん、わざわざ送ってくれてありがとう。昨日は言えなかったから……」 クルマは無事故で成城にあるわたしの家の前に着いて、わたしはクルマを降りる前に彼に二日分のお礼を言った。「いえ、僕の方こそ、今日はごちそうさまでした。昨日のことはもういいですって。実は僕、ちょっと楽しかったんです。酔い潰れた佑香社長というのもなかなかレアだなぁと思って。……いえ、失礼」「レア……って」 人をアニメのモンスターか何かみたいに言わないでほしい。……まあ、わたしがあそこまで泥酔してしまうことはめったにないので、確かにレアなのかもしれないけれど。(……でも、「楽しかった」って? 迷惑かけちゃったと思ってたのに、そうじゃなかったんだ)「――あの、社長……いや佑香さん。先ほどの話の続きなんですが」「あ、うん。どうそ」 彼がいつ話してくれるだろうと待っていたら、ちゃんとわたしが帰る前に話してくれることになった。もう忘れているんじゃないかとも思ったけれど。「
Last Updated : 2025-12-01 Read more